食品・お菓子メーカーはどうやってWEB・メディアをインバウンドに活用すべきなのか?
インバウンド市場が盛り上がる中で、食品・お菓子メーカーがWEB・メディアによってインバウンドで成功する事例が増加しています。このページでは、食品・お菓子メーカーのWEB・メディアのインバウンド対策やインバウンド集客における活用について、次の3つの事例を取り上げます。
- 食品・お菓子メーカー×WEB・メディア事例その①:キットカットはインバウンド向けのWEBサイトを公開
- まず1つ目は日本のお土産で有名になりつつあるキットカットのインバウンド向けWEBページです。キットカットは様々な味があり、なおかつそれらがバラ売りになっているので訪日外国人としてはお土産として配りやすいことから人気を得ています。
- 食品・お菓子メーカー×WEB・メディア事例その②:ポッキーのグローバルサイトを作成し商品のヒストリーを伝える
- 2つ目は、江崎グリコから出ているポッキーのグローバルWEBサイトの事例です。ポッキーも訪日外国人から大変人気を得ています。グローバルWEBを作成して様々な角度から情報発信を行っています。
- 食品・お菓子メーカー×WEB・メディア事例その③:月桂冠のブランドストーリーを伝えるWEBサイト
- 3つ目は月桂冠のWEBを活用した事例をご紹介いたします。月桂冠もインバウンド対策には力を入れています。
近年プロモーションの方法としてWEB・メディアがポピュラーになってきています。WEB・メディアによるインバウンド対策やインバウンド集客のメリットとしては、多くの情報を伝えながらも、顧客のイメージに残りやすいということがあります。伝えたい情報を写真や画像などよりも一度に多く発信できるためその分それぞれの食品・お菓子メーカーの色がはっきりと出やすく、工夫を凝らしたWEB・メディアが求められています。
ここでは、食品・お菓子メーカーという業界・業種におけるWEB・メディアの各社の事例を元にして、効果的なWEB・メディアを活用したインバウンド対策やインバウンド集客のケーススタディーをしてみます。それでは見ていきましょう。
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「キットカット」の生まれ故郷であるイギリスでは、キットカットのフレーバーはおよそ10種類。対して日本の場合は、季節や地域限定のフレーバーが次々と登場。これによって、今までに登場したフレーバーの数は300種類を超えているとのことです。日本ではこうした少数ロットの限定フレーバーのキットカットを製造するため、26年ぶりに新しい工場が兵庫県の姫路市に今年の夏に誕生しています。
そもそもこうした変わったフレーバーが登場したのは2004年の抹茶味から。訪日外国人には様々なフレーバーのキットカットが人気ですが、この抹茶味は発売当初からアジア諸国、そして欧州からの訪日外国人に根強い人気を誇っています。その他にもあずき、チーズケーキ、わさび、味噌、ストロベリーチーズケーキ、ラムレーズン、日本酒、ほうじ茶、桜きなこ、紅いも、パンプキンプリン、パッションフルーツ、北海道メロン、いちごなど、日本でしか買えない様々なフレーバーが多くの訪日外国人を引きつけています。
しかし興味深いことに、2000年代初頭にネスレが低下している売上を回復させることを期待して、本国でクリスマスプディングなどの新フレーバーを投入したところ、売上がさらに低下したという話もあります。あくまでも訪日外国人にとって旅行先の日本で、普段見慣れぬフレーバーがあるので買いたくなるのではないかと考えられます。
そんなキットカットですが、インバウンド向けのWEBサイト作成しています。そこでは一体どんな情報を発信しているのでしょうか。
WEBサイト見てみると、英語字幕付きのオンライン工場見学動画や日本でしか手に入らないフレーバーの情報を発信しています。このようにインバウンド向けの特設サイトを作成しているメーカーは珍しく、このような取り組みが訪日外国人から支持を得ているのかもしれません。
ポッキーのグローバルサイトを作成し商品のヒストリーを伝える
観光庁による「平成27年度訪日外国人消費動向調査」では、訪日外国人の「土産品の購入実態」(訪日外国人が日本滞在中に土産品として購入したものに関するデータ)が記載されています。
購入率(その費目を購入した人の割合)に関する部分を確認すると、訪日外国人の購入率が最も高いものが「菓子類」であることが把握できます。
その数値は65%となっており、これは訪日外国人の65%が「菓子類」を購入しているということを意味します。
多くの訪日外国人が菓子類を購入するという事実から、国内の製菓業界でもインバウンド対策に着手。訪日外国人向けの商品の開発・販売を行っています。
江崎グリコ株式会社では、地域限定お土産ポッキーをリニューアルし、厳選した地元食材による「夕張メロン」、「信州巨峰」、「宇治抹茶」が堪能できる「ご当地みやげポッキー」を、2016年2月2日より発売しています。
これらの商品は、訪日外国人向けに、国際線発着空港の免税エリアにある土産店で販売されています。そんなグリコですが、WEBサイト活用したインバウンド対策にも力を入れています。
ポッキーのグローバルサイトを見てみると、商品情報やポッキーが生まれた歴史、11月11日がポッキーの日であるなどの情報を発信しています。
このようにポッキーでは訪日外国人に向けて、ブランドストーリーを伝える努力をしており、日本人向けにブランドストーリーを伝えることを行っている企業は多いですが、このようにインバウンド向けにブランドストーリーを発信している企業はまだ多くはありません。
みなさんもポッキーの事例を活用して、商品の良さをWEBを活用し全世界に広めていきましょう。
月桂冠のブランドストーリーを伝えるWEBサイト
アメリカを初めとする英語圏、中国、韓国など海外でも日本酒はポピュラーな飲み物となっており、酒処を訪れたり、蔵元を訪れる訪日外国人も年々増加しており、政府は酒蔵で購入する場合の酒税を免税するなどのインバウンド対策を打っています。
そうした流れを受けて、月桂冠株式会社は2016年3月28日に、英語版サイトというより『英文サイト』を公開。単に日本語の元サイトの翻訳をしたものではなく、月桂冠が1637年(寛永14年)の創業以来本社を置く、京都の伏見の風土や歴史、酒処としての成り立ち、月桂冠の歴史などをインバウンドに向けて詳しく紹介しています。
「京都伏見」「月桂冠」「モノと写真で巡る月桂冠の歴史」の3つのコンテンツから成り立っており、月桂冠を育んだ京都伏見について、月桂冠の歴史、月桂冠にまつわるモノと写真の紹介となっています。
「京都伏見」に関しては、その風土、歴史、酒造りには欠かせない清らかな水について、また酒の資料館である「月桂冠大倉記念館」についての案内を掲載しています。
「月桂冠」コンテンツでは、1637(寛永14)年の創業から380年、創業家である大倉家14代の歴史の中で、酒造メーカーとして始めて品質第一を掲げて研究所を設立したこと、アメリカでの酒造り(1989年に米国月桂冠を設立)について、社員による酒造技能の継承について、食品企業のグループ化による経営の安定などを紹介しています。
「モノと写真で巡る月桂冠の歴史」では、月桂冠の歴史的遺産、写真などを通じて、江戸期の創業から明治時代での躍進、現代に至るまでの時代を紹介。さらには酒造用具、徳利などの道具類、酒造りの合間に謳われた酒唄などを紹介。
日本語版のサイトとは全く違った構成となっており、インバウンド向けに歴史や文化を打ち出したブランディングを意図した構成となっています。