現在、様々なインバウンド向け体験ツアーが訪日外国人向けに販売されており、体験予約サイトも多く存在します。その中で 飲食、観光地、ショッピング、などのアクティビティ以外のサービスをツアー内に組み込めないか と考えた方はいないでしょうか?実は、アクティビティ以外のこれらの業種・業態でもツアーに組み込むことは可能です。今回はツアーを活用したプロモーションについてご紹介します。
なお、ここでいう体験ツアーとはガイドさんが半日や一日で徒歩をベースに訪日外国人を案内するツアーを想定しておりますので、宿泊も含めた数日間のツアーは除いてお話しさせて頂きます。訪日外国人の集客方法の一つとしてご検討ください。
訪日ラボのメールマガジン登録はこちら>(無料)インバウンド体験ツアーの現状とは
インバウンド体験ツアーにはどのような内容が多いでしょうか。以下ほんの一例ですが体験ツアーの現状を見てみましょう。
東京発富士山・芦ノ湖・新幹線ツアー
屋形船でナイトクルーズ
サイクリングツアー
歴史の街散策
以上、ご紹介すればきりがないですが、大きく分けるとおおよそ以下のようなカテゴリの体験ツアーが存在します。
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有名観光地ツアー
- 例:1日富士・箱根ツアー、鎌倉散策ツアー、京都歴史めぐり
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街散策(ウォーキングツアー)
- 例:渋谷ナイトツアー、道頓堀ウォーキングツアー、歴史街散策
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アクティビティツアー
- 例:ハイキング、サイクリング、 ウィンタースポーツ
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レッスン、教室
- 例:茶道教室、和太鼓体験、和食教室
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交通
- 例:新幹線、水上バス、屋形船、ヘリコプター
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チケット
- 例:ショー、スポーツ観戦、レストラン、テーマパーク
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その他
- 例:日本文化(ライフスタイル)体験、農業体験、田舎体験
自社サービスを組み込むという観点から考えると、目的や目的の場所が明確である「チケット販売」や「アクティビティ参加」、「交通」のような形態は難しいです。その為、「観光地や街を周遊するツアー」を中心に自社サービスが組み込めないか検討してみましょう。
「体験」に自社サービスを組み込む
では、体験ツアーに自社サービスを組み込むにはどうすれば良いでしょうか?最もスタンダードな考え方としては、1day観光ツアーの中に組み込む方法 です。
では、組み込むにはどうすれば良いでしょうか?「宿泊を伴わないツアー」であれば鍵を握るのは ガイドさん となります。多くは徒歩や公共交通機関を利用してガイドさんと共に数人のゲスト(訪日外国人)と周遊することが多いことからツアー提供の中心はガイドさんとなる為です。それを踏まえて自社サービスを組み込む方法としては以下の方法が考えられます。詳しくみてみましょう。
ガイドさんに自社サービスを売り込み 体験ツアーとしてパッケージ化する
例えば体験予約サイトで「日本:東京」のツアーを検索してみると、富士山・箱根、鎌倉、日光など1dayツアー、浅草、築地、渋谷などウォーキングツアー、着物体験、料理教室、茶道体験などの日本文化体験や施設チケットなどが多いです。また、多くの体験ツアーが随時開発されているので一概には言えませんが、日本の観光資源からするともっと多くの種類の1dayツアーやウォーキングツアーが開発されても良いと感じます。
ならば、経験豊富なガイドさんであっても、あらたな観光施設やショッピング施設(エリア)、レストランなどを提案する価値は十分にある と言えます。例えば、「訪日外国人に人気が出そうな日本文化を体感できるカフェ」「日本らしい昔ながらの商店街」などは、体験ツアーに組み込める可能性は十分ある と思われます。
その結果、ゲスト(訪日外国人)の満足度が上がる体験ツアーになり、それを案内するガイドさんの人気も上がる、という好循環 の中で、組み込みに成功したサービスはあらたな販路から訪日外国人の集客に成功することになります。
とは言え難しい側面も…ならば、ガイドさんと一緒にツアーを作り込んでいくことも考える
とは言え、少し理想論なところもあり、現実は 「訪日外国人に人気が出そうな日本文化を体感できるカフェを運営しているので、あなたが催行するツアーに組み込んでください!」とガイドさんに言っても実現は難しいものです。1dayツアーやウォーキングツアーでは、魅力ある「点」である施設が集まり「線」になることで初めて売れる体験ツアーとして成り立つから です。
ポイントは、「パーツ(点)となる各施設が(効率の良いルートも含め)ツアー全体を構築し、ガイドさんに依頼してツアー化する」ことです。もちろん初めからガイドさんと一緒になり全体像を描くことも大事です。
自社サービスを展開されている近隣エリアの他の施設と話し合い、無理のないコース設定ができれば、体験ツアー化の第一歩ではないでしょうか。インバウンド市場の中で広告業と旅行業を行っている弊社としても、インバウンド体験ツアー化は積極的に取り組んでいる事業ですのでお気軽にご相談ください。
ツアーをインバウンド集客に活用した場合の「収益」の考え方
旅行者の方が支払うツアー代が売上の合計金額になりますが、そのツアー代を、ガイドさん 、組み込まれた施設(企業)で配分する形になります。そもそも旅行者が支払うツアー代の形態として2種類ありますので、その内容を押さえておく必要があります。
- パターン①:合計ツアー代変動タイプ(申込人数によって1人あたりのツアー代は変わらない)
- パターン②:合計ツアー代固定タイプ(申込人数によって1人あたりのツアー代が変わる)
言葉にすると少しややこしいですが、以下画面をご覧ください。
パターン①のツアー代変動タイプとは、以下のようなケースです。
こちらのツアーの場合、1人あたり8,000円で、最大10名まで受付可能です。つまり、1名参加であれば、ツアー代8,000円、10名参加であればツアー代80,000円となります。
画像左側は申込み1名の料金が表示されており8,000円、右側は申込み2名の料金が表示されており1人当たりの料金は8,000円と変わりませんが合計は8,000円×2名=16,000円となっております。
一方パターン②のツアー代固定タイプは以下のようになります。
こちらのツアーの場合、ツアー代が25,000円と固定で参加人数が多ければ1人当たりの料金が安くなります(※このツアーは最大6名で、25,000円を参加者で分けて支払うタイプです)。
画像左側は申込み1名の場合の料金が表示されており1人あたりの料金は25,000円、右側は申込み2名あたりの料金が表示されており1人当たりの料金は12,500円で、合計は25,000円で変更ありません。
上記どちらのパターンでもツアーを構成する皆で売り上げを分配するという考え方は基本変わりません。
パターン①の例では、8,000~80,000円ですが、最小単価の8,000円に対して体験ツアーにサービスを提供する企業(ガイドさん含む)の利益(売上)が含まれているように設定します。パターン②の例では、申込み人数に左右されず25,000円が最小単価ですので、そこに皆の利益(売上)を組み込みます。
まとめ
いかがだったでしょうか?体験ツアーといっても体験するものはアクティビティだけではありません。訪日外国人旅行者は日本独自の文化やライフスタイル、人とのコミュニケーションなど目に見えない日本らしさを体感したいというニーズも多くあります。その時に自社サービスが応えられるものはないでしょうか?
日本を最前線で案内するガイドさんと協力し、様々な体験コンテンツを開発することは、「コト消費」の今だからこそとても重要なこと だと思います。1人でも多くの日本ファンをつくれるかどうかは、面白い体験ツアーの造成にかかっているいるといっても過言ではないと思います。
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