新型コロナウイルス死亡者数8,000人超のイタリアで、市民はなぜ外出してしまったのか?市長がSNS動画で必死の訴え

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世界中で新型コロナウイルスの感染が広がるなか、各国はあらゆる対策を講じ拡大防止に努めています。そのやり方は厳しい外出自粛措置や都市の封鎖、休校措置など、国や地域によってさまざまです。

死亡者数で世界1位となってしまったイタリアでも、店舗営業者に対し業務停止を命じていました。ところがその後も、外出をやめない市民の姿があるようです。これに頭を痛めた市長らが必死の訴えを動画で公開しています。

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各国でコロナウイルスの流行拡大阻止に全力…日本は甘い?

新型コロナウイルスが最初に確認された中国湖北省の武漢市は、1月23日から街全体が封鎖され、全ての交通が遮断されました。その翌週には湖北省全域を封鎖対象とし、6,600万人を対象とした都市封鎖に踏み切っています。

フランスのマクロン大統領は3月16日の演説で「フランスはコロナウイルスとの戦争にある」と何度も繰り返し、警戒を強く呼びかけました。外出制限や全国の保育所から大学までの閉鎖、生活必需品店舗以外の閉鎖など、厳しい措置を講じています。

同国では、外出制限を守らない人が後を絶たないことから罰金を高額化するなど、取締りをさらに強化されました。3月24日からはスポーツは自宅1km範囲内とし、外出証明書には外出時間まで記入が必要など、非常に厳密な運用がとられました。

一方日本は、全国一斉休校をするも保育園や学童は受け入れを継続しており、罰則を伴うような厳しい外出制限も行われていません。

より厳格な都市封鎖や外出制限などが実施されている他国と比較すると「緩い」措置に留まっており、こうした状況に危機感を覚える海外在住者もいるようです。

世界で最も深刻?イタリアでの死亡者数が8,000人を超える

新型コロナウイルスの流行で、特に深刻な事態に見舞われている国の1つがイタリアです。3月24日の時点で、国や地域別の感染者の数では、中国の8万1,171人に次ぐ6万3,927人が報告されています。

また同日、イタリアの死亡者数は6,077人となっており、中国の3,277人を超えて世界で唯一6,000人を超えてしまいました。中国の次にはスペインでの死亡者数が多くなっており、2,182人となっています。

3月27日の報道では、イタリアの死亡者数はさらに増え、8,165人となったことが伝えられています。 イタリアの高齢化率は22.8%で、世界で日本に次ぎ高く、ここに若者の高い失業率がかけ合わさり、親子で同居する家族形態が多いそうです。活動範囲が広く、症状のない若者から、家庭内で感染が広がったと指摘する報道もあります。

イタリアの対策は?市民の危機意識のなさに、市長が必死の訴え

こうした事態に、イタリア政府は手をこまねいていたわけではありません。同国のコンテ首相は3月11日、国民向けのテレビ演説を行い、新型コロナウイルス対策の強化として、バー、レストラン、美容院などの業務停止を発令しています。

ところが「自分だけは大丈夫」と考えるのか、外出制限を無視し出歩く住民らが後を絶たないそうです。今回のイタリアの非常事態については、医療機関の不足が理由ではないかとの声もありますが、こうした意識の低さも事態の深刻さに拍車をかけているといえるでしょう。

SNS上には、市民との認識の不一致を解消しようと、市長自ら必死に呼びかける動画が公開されています。

市長による市民への外出制限の呼びかけに関するTwitter投稿
▲Twitter投稿:編集部スクリーンショット

Twitter:市長による市民への外出制限の呼びかけに関する投稿(https://twitter.com/protectheflames/status/1241403715036291072?ref_src=twsrc%5Etfw)


報道によれば、中部グアルド・タディーノの市長はフェイスブック上で「私たちは本物の戦争状態にある」と宣言しています。また南部の港町のレッジョ・カラブリアでは、犬の散歩をしている市民に対し市長が直接、きつくしかったことが伝えられています。同市内の道路は、警察がドローンで監視しているそうです。

社会全体で足並みをそろえることの大変さと重要さ

新型コロナウイルスは当然ながら目に見えず、感染拡大阻止のための施策の重要性は一般市民にはわかりにくいのかもしれません。

自分に直接の被害がない場合や、外出自粛による感染拡大防止よりも日々の労働を重視するという判断が下される場合、社会の中で足並みをそろえることは難しいという場合もあるでしょう。

日本でも、日々新たな政府の方針が発表されています。こうした方針は、今のところ引き続き「要請」であり、強制力を伴うものではありません。

経済活動をストップすることの打撃は個人も組織も計り知れず、こうした「要請」にどこまでこたえるかの決断には、非常に大きなストレスが発生します。

日本では死亡者数という指標ではイタリアほどの深刻さはないようにも見えますが、感染者の拡大はすでに起きており、拡大の阻止に打って出るタイミングは早ければ早いほど良いと考えられます。「叱責」という形を待たずに、社会全体で足並みをそろえることのできるよう、そのために必要な条件が一刻も早くそろうことが待たれます。

<参照>

NHK:感染者多い国や地域 新型コロナウイルス

CNN:感染拡大止まらぬイタリア、市長が外出の住民を叱責

NATIONAL GEOGRAPHIC:新型肺炎、封鎖された武漢で一体何が起きているのか

Ovni:コロナ:外出規制さらに厳しく。マルシェ閉鎖、スポーツ自宅から1km以内など。

Ovni:コロナ:外出規制の罰金高額化。仏国会「公衆衛生非常事態」採択。

AFPBB News:イタリアの死者8000人超える、火葬追い付かず 新型コロナ

REUTERS:イタリア、コロナ対策強化 スーパーや薬局除く全店舗閉鎖へ

東京新聞:<新型コロナ>イタリア死者 世界最多の7500人超 医療費削減の末路、警鐘

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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