※新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京オリンピック(五輪)・パラリンピックは1年延期され、開会式は2021年7月23日(金)、閉会式は2021年8月8日(日)となりました。
3月24日、国際オリンピック委員会(IOC)はこの夏に予定されていた東京オリンピック開催の延期を正式に発表しました。
スペインでこの決定がどのように受け取られたのか、インターネット上のニュースやSNSを通じて見ることができる反応をレポートします。
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オリンピック延期決定前から「延期」願うアスリートの姿が
IOCから正式発表がある2日ほど前から、スペインでは多くのスポーツ選手から今年の夏の東京オリンピック開催に反対する意見が見られました。
スペインではトライアスロンのフェルナンド・アラルサ選手が#Tokio2021 (#Tokyo2021) と銘打った、東京オリンピック延期のキャンペーンをTwitter上で立ち上げます。
その直後から多くのスペイン人スポーツ選手の多くがこのキャンペーンを支持し、オリンピック開催延期への意見がスペインの主流を占めるようになりました。
現在スペインでは、コロナウイルス感染拡大を防ぐため政府が発令したに外出禁止令により、オリンピック代表候補になるような国際的レベルの選手であっても、屋外でトレーニングすることができません。
こうした状況は、コロナウイルスに感染する不安以上に、スペインのスポーツ選手にとって心理的な負担となっています。アラルサ選手の発言は、スペインのスポーツ選手の要望を代表する意見といえるでしょう。
延期決定には肯定的な意見が大半
そして、3月24日に正式にオリンピック開催延期が発表されると、ほとんどのスペイン人選手はこの判断に好意的な反応をします。
また、東京オリンピックを最後に引退する意向を示していた、アレハンドロ・バルベルデ選手(男子自転車ロードレース2018年世界チャンピオン)、パウ・ガソル選手(男子バスケットボール選手)リディア・バレンティン(女子重量挙げ金メダリスト)、ミレイヤ・ベルモンテ(女子水泳金メダリスト)等多くのスペイン人ベテランスポーツ選手たちもこのオリンピックの1年延期を支持すると同時に、現役選手としての活動期間を1年間延長することを表明します。
否定的な意見はほとんど見られず、理由は「トレーニング時間の不足」
一方、このオリンピック延期に関して、否定的な意見をスペインで目にすることはほとんどありません。
中には、「この4年間の努力が無駄になった」というオランダの自転車選手のコメントを載せた記事もありますが、それでもこの延期の判断を「論理的」で「正しい」判断であると評価する記事がスペインではほとんどを占めます。
前述のように、スペイン人のスポーツ選手たちは現在ほとんどトレーニングできない状況であるため、1年間の延期は歓迎すべきものであるようです。
日本の経済停滞を心配する記事も…
一方、中立的な意見としては、開催延期は当然の判断としながらも、ほかの国際的なスポーツイベントとと兼ね合い(サッカーのワールドカップやユーロカップ、陸上競技の世界選手権等)から、新しい日程でオリンピックを開催するとほかのスポーツイベントのスケジュールに与える影響を心配する記事や、今回のオリンピック延期が日本経済に不況をもたらすことを危惧する新聞記事もあります。
選手選考「年齢」の扱いはどうなる
今回のオリンピック延期により、大きな影響を受けることになるのがスペイン代表選手の選考です。
特に、サッカーの場合、スペイン代表選手の年齢を2020年時点での年齢で判断するのか、2021年時点での年齢で判断するのかという問題があります。
またその一方で、自転車ロードレースのスペイン代表監督は、この冬から改めて選手選考する考えがあることが伝えられています。
外出禁止のスペインで、今を乗り切るための夢と希望「東京オリンピック」
基本的に、スペイン国内では今回の東京オリンピック延期を好意的に受け止められています。
特に、外出禁止令発令中の今、スペインのスポーツ選手たちはほとんどトレーニングすることができません。今回の延期決定は、選手たちにとってはある意味、未来へ向けた希望となっているでしょう。
<参照>
https://plazadeportiva.valenciaplaza.com/aplazamiento-juegos-tokio-a-2021-reacciones-deportistas