インバウンド対策のひとつがSNSアカウントの運用です。なかでもInstagramは高いターゲティング精度を誇る点が特徴で、Instagram広告を使えば自社のターゲット層に投稿を届け、認知拡大や売上向上を目指せます。
近年は、インバウンド対策としてInstagram広告を活用した広告施策で訪日外国人の集客やファン獲得に取り組む企業も増えています。
本記事では、Instagram広告の出し方や費用感の相場、成果を出すポイントなどについて解説します。
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Instagram広告とは
Instagram広告とは、Instagram上に出稿できる広告のことです。フィード(タイムライン)やストーリーズなどに画像や動画のクリエイティブを配信することで、多くのユーザーにアプローチできます
ここではInstagram広告の特徴を4つ紹介します。
1. 投稿を広告として配信できる
Instagramでは投稿をそのまま広告として配信できます。クリエイティブを新たに作成することなく、広告のリンク先、ターゲット、予算を決めるだけで手軽に配信できるのが特徴です。
これまで最も反応が良かった投稿を広告として活用すれば、気に入ってもらえる可能性も高まるでしょう。
2.ターゲット層にアプローチ可能
Instagram広告はターゲットを細かく設定できるので、狙った層に向けて配信できます。Facebook広告と同じプラットフォームを使用していて、ターゲティングの精度が非常に高いのが特徴です。
広告配信のターゲットは、以下3種類のオーディエンス選択ツールで正確な絞り込みが可能です。
- コアオーディエンス:年齢、性別、興味関心、地域など
- カスタムオーディエンス:ビジネスに対してアクションを実行したユーザー
- 類似オーディエンス:優良顧客と共通の興味関心を持つユーザー
広告への反応が見込めるユーザーにアプローチできるので効果的です。
3.予算と期間を自由に設定・変更できる
広告にかける予算を自由に設定できることも、Instagram広告の特徴のひとつです。ビジネスゴールに合わせて、1日あたり1ドルという低予算から始められるほか、広告の費用対効果をみながら予算を変更できます。設定した予算内でパフォーマンスを最大化できるように広告が最適化されるため、予算を超えて課金される心配もありません。
また、広告を出稿する期間も自由に設定できます。Meta社(旧:Facebook社)は、予算を「5ドル以上(650円以上)」、期間を「6日以上」に設定して広告をスタートすることを推奨しています。この場合、広告配信に必要な費用は「30ドル」です。広告配信システムが広告を最適化するためには、最低でも30ドルの予算が必要だとされています
4.広告のパフォーマンスを分析できる
広告出稿後、インサイトで広告のパフォーマンスを詳細に分析できます。おもに以下のような数字が見える化されます。
- インプレッション
- エンゲージメント率
- クリック率
- クリック単価 etc.
ほかにもさまざまな数字を分析でき、それぞれの数字からユーザーの反応を算出することでとるべき対策がわかります。分析・改善を繰り返し、広告配信の精度を徐々に高められることは、Instagram広告の魅力のひとつといえます。
Instagram広告の種類
Instagram広告は、広告の配置場所によって3つの種類に分かれます。
1. フィード広告
フィード広告は、Instagramアプリを開くと表示されるフィード(タイムライン)に投稿できる広告です。画像、動画、カルーセル、コレクションの4つの広告タイプから選んで出稿できます。
2. ストーリーズ広告
通常24時間限定で配信されるストーリーズにも広告を配信できます。画像、動画、カルーセル、コレクションの4つの広告タイプから選んで出稿が可能です。
3. 発見タブ広告
ユーザーの興味・関心に基づいたコンテンツが表示される発見タブに表示される広告です。フォローしていないアカウントの投稿が並ぶため、ユーザーの妨げになることなく自然にアプローチできるのが特徴です。広告タイプは、画像、動画、カルーセルの3つから選べます。
Instagram広告のメリット・デメリット
ほかのインターネット広告と比較して、Instagram広告にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。おもなメリット・デメリットを紹介します。
Instagram広告のメリット
- 低予算で出稿できる
- 精度の高いターゲティングができる
- 効果測定がしやすい
Instagram広告のメリットのひとつ目は、低予算で広告を出稿できることです。1日1ドルからスタートできる上、状況に応じて予算を増やしたり配信を中止したりできるので、負担を抑えて広告運用をはじめられます。
ふたつ目のメリットは、精度の高いターゲティングができることです。Instagramは優れたターゲティング技術をもつMeta社(旧:Facebook社)の傘下にあることから、年齢や性別、地域といった属性などで細かくターゲットを絞ってピンポイントで広告を届けられます。
みっつ目のメリットは、効果測定がしやすいこと。マス広告の場合、広告をきっかけにどれだけの人に認知してもらえたかを測定することは困難ですが、Instagram広告ならパフォーマンスを細かく分析できます。
Instagram広告のデメリット
- 他のSNS広告と比べて拡散力が劣る
- 魅力的でない広告は流されやすい
- 他企業との差別化が難しい
Instagramには、X(Twitter)のリポストのようなシェア機能がないため、ほかのSNS広告と比べて拡散力は劣ります。ユーザーによる二次拡散もあまり期待できません。
また、Instagram広告はユーザーの妨げにならないように表示される分、魅力的でない広告は流されやすい傾向にあります。一瞬でユーザーの興味を引けるよう、ターゲティングやクリエイティブは何度も改善を重ねて向上させることが大切です。
Instagramはビジネスアカウントをフォローしている利用者の割合が90%と高いことから、他企業アカウントとの差別化が難しいという懸念点もあります。多くのユーザーは企業の投稿や広告を見慣れているため、ユニークなクリエイティブを作成する必要があるでしょう。
Instagram広告運用で効果を出すポイント
Instagram広告運用で効果を出すために、押さえておきたいポイントを2つ解説します。
クリエイティブにこだわる
Instagramは視覚的に訴求することに長けているため、広告のクリエイティブにこだわるのが効果を出すポイントのひとつです。Instagramは1回あたりのユーザーの利用時間が短い傾向にあるため、クリエイティブが魅力的でないと一瞬でスルーされてしまいます。
特別な機材やツールがなくても、アイデア次第でクリエイティブの魅力をアップさせることは可能です。クリエイティブでストーリーを伝えたり、商品・サービスの使用イメージを見せたり、画像のアングルや質感を変えてみたりするなど、クリエイティブの改善を重ねましょう。競合他社の伸びている投稿を参考にするのも効果的です。
「ハッシュタグ」を活用する
ハッシュタグ(#)は、通常の投稿だけでなく広告にも効果的です。ハッシュタグを選ぶ際は、事前に検索して「どんなユーザーが見ているハッシュタグか」を確認しましょう。
人気のハッシュタグでも、自社のインスタ広告に関連性がないものを使うのは効果が期待できません。
パフォーマンスを分析して改善を繰り返す
Instagram広告で成果が出るかどうかは、クリエイティブはもちろん、予算やターゲット設定など、さまざまな要因に左右されます。そのため、広告を出稿したら広告の成果を細かく分析し、なぜ効果があったか、効果がなかったかを把握することが大切です。
Instagram広告を活用する企業のなかには、ターゲット設定やクリエイティブなどのABテストを実施し、それに応じて改善している事例も多くあります。広告を出稿するたびに広告効果を高めていける運用体制が理想的です。
Instagram広告を出す前に必要な準備・設定
Instagram広告を出すには、下記の準備・設定が必要です。
- Instagramのプロアカウントへ切り替え
- 広告クリエイティブ(過去の投稿でも可)
- 支払い用クレジットカード
- Facebookアカウント(広告の作成場所や種類、地域による)
まず、Instagramで広告を出すには、プロアカウントが必要です。個人アカウントの場合は、プロアカウントへ切り替えましょう。
広告クリエイティブは、新たに画像や動画を用意する他、過去の投稿を活用することもできます。
また、支払い用クレジットカード(American Express、Visa、Mastercard、Discover)を準備しておきましょう。
ちなみに、Instagramから直接広告を出す場合、Facebookページは必須ではありません。ただし、Facebookページから広告を作成する場合や、広告の種類、地域によっては、Facebookページとのリンクが必要なこともあります。
Instagram広告の出し方・手順
Instagram広告を出すには、「Facebook広告センター」「Meta広告マネージャ(旧Facebook広告マネージャ)」「Meta Business Suite」「Instagramアプリ(投稿の宣伝)」の4つの方法があります。ここではMeta Business Suite以外の広告の出し方・手順を紹介します。
Facebook広告センターからの広告の出し方
- Facebookのメニューから「広告センター」をクリック
- 「広告を作成」「新しい広告」をクリック
- クリエイティブ、1日の予算、期間などを設定する
- 「配置」の設定で「Instagram」にを選ぶ
- 「今すぐ配信」をクリック
- 配信開始
Meta広告マネージャ(旧Facebook広告マネージャ)からの広告の出し方
- 広告マネージャを開いて「作成」を選ぶ
- 「目的」を選択
- 「配置」の「手動配置」から「Instagram」を選択する
- 「次へ」をクリック
- 広告IDやフォーマットなどの詳細を追加
- 配信開始
Instagramアプリからの広告の出し方
- プロアカウントを用意
- 投稿に表示される「広告」or「投稿の宣伝」をタップ
- 広告出稿する投稿を選択
- 目標やターゲットや予算、期間などを設定
- 配信開始
Instagram広告に関するよくある質問
Instagram広告に関するよくある質問とその回答をまとめました。
質問1. 課金方法はどのような種類がありますか?
Instagram広告の課金方法は、下記の4つです。
課金方法 |
特徴 |
CPM(インプレッション課金) |
広告が表示されるごとに課金 |
CPC(クリック課金) |
広告がクリックされるごとに課金 |
CPI(インストール課金) |
アプリインストール数に応じて課金 |
CPV(広告視聴単価) |
動画の再生回数に応じて課金 |
質問2. ハッシュタグは必要?
Instagram広告にハッシュタグは必要ありません。ただし、広告出稿の目的が認知拡大やフォロワー獲得の場合、ハッシュタグを付けることで宣伝効果を高められることもあります。広告の目的に合わせてハッシュタグの有無を検討しましょう。
質問3. アカウントにフォロワーは必要?
Instagram広告は年齢や性別、居住地域などで絞ったターゲットに向けて配信できるため、フォロワーは必須ではありません。フォロワーの獲得を目的とした広告も用意されており、フォロワーがいなくても広告は出稿可能です。
Instagram広告の出稿でWeb集客効果を高めよう
Instagram広告を出稿すれば、自社のターゲット層に投稿を届け、認知を拡大したり売上向上につなげたりできます。
Instagramは世界中で利用者がいて、一例としてソウルや台北などの地域に絞って広告を配信することもできます。インバウンド客を集客したい自治体はもちろん、自社の商品の認知拡大などにも効果が期待できるでしょう。
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