フィリピン人の訪日ビザ申請が一時的に制限、訪日客数が減少する可能性は?

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フィリピン日本大使館は現在、申請審査体制の移行準備を理由に、フィリピン人の訪日に必要なビザの申請件数を制限しています。

昨今の訪日客数の増加を踏まえた対応となっており、移行までの期間は訪日客数の減少も懸念されています。

関連記事:【2024年上半期】訪日フィリピン人数は月間6.5万人、消費額も好調

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フィリピン人の訪日ビザ申請に制限、なぜ?

在フィリピン日本大使館は、訪日フィリピン人の増加を受け、ビザの申請に制限をかけています。

制限は一時的なもので、その間は審査の質を維持し効率化するための審査体制の移行準備を進めています。

「ビザセンター方式」に移行予定

従来の大使館指定の代理申請機関(フィリピン国内代理店7社)が申請を行う方式から、ビザセンター方式に移行される予定です。ビザセンターとは、大使館および領事館と公式にパートナーシップを締結している民間機関のことで、大使館や領事館に代わり、ビザ(査証)の申請や郵送サービスを行っています。

ビザセンターの設置によって、申請手続きが効率化されるほか、デジタル技術の活用によって審査プロセスのスピードアップが図られる見込みです。

移行期間中、ビザ申請数の上限が半分に

大使館は移行準備のため、新たな審査体制が導入されるまでの間、代理申請機関に対してビザを申請できる件数の上限を従来の50%以下に引き下げました。

現在のところ移行完了時期は正式に発表されていないものの、各社報道によると年内の移行に向けて準備が進められているといいます。

ビザの申請件数が制限されたことにより、従来は5労働日(最長で2週間)程度で承認されていましたが、今後は最大2か月程度かかる可能性があります。そのため、大使館は渡航日の2か月以上前から申請することを強く推奨しています。

審査体制の変更は「訪日客数の増加」が要因

ビザの申請審査体制が変更される最大の要因として「訪日客数の増加」が挙げられます。

訪日ビザの申請件数は2023年から高水準で増加しており、日本政府観光局JNTO)によると2024年の訪日フィリピン人客数は81万8,700人で過去最高となっています(※推定値)。

現在の体制では、審査の質を適切に維持して対応することが困難だというのが理由のようです。

▲訪日フィリピン人客数の推移:日本政府観光局(JNTO)訪日外客統計より訪日ラボ作成
▲訪日フィリピン人客数の推移:日本政府観光局(JNTO)訪日外客統計より訪日ラボ作成

現地旅行会社からは困惑の声も

訪日ラボでは、現地の旅行会社などにヒアリングを行いました。訪日ビザの審査体制の移行準備による申請件数の制限を受けて、現地の旅行会社の間では困惑の声が広がっています。

なかには申請枠がその日の午前中だけで埋まってしまったり、積極的な募集を行えなくなったりした旅行会社もあるようです。

特に現在は、4月に開幕する大阪・関西万博に向けたツアー造成を強化している旅行会社も多く、日本への送客増加を期待していただけに落胆の声も。

また一部報道では、新たなビザセンター方式の審査体制では代理申請機関を1社に集約するとも報じられており、今後の体制移行に関する正式な発表が求められている状況です。

訪日客数への影響は?

ビザの申請件数が制限されたことにより、審査体制が移行されるまでの間は訪日客数が減少する可能性も考えられます。

また、申請が制限されている期間中、アジア諸国など日本以外への送客を強化する旅行会社が多くなった場合は、しばらくは他の旅行先を選ぶ動きが広まる可能性もあります。

今後はどうなる:移行後はビザの取得可能数が増加する見込み

新しい審査体制に移行するまでの数か月間は、フィリピン人訪日客数が減少する可能性があります。

ネガティブな影響が懸念される一方、移行後は処理能力の向上によってビザの取得可能数が増加する見込みのため、これまでより訪日客数が増加することも考えられます。

そのため、フィリピン人に向けた訪日プロモーション施策などを実施されている方は、施策を打つタイミングの見直しなどを慎重に検討することをおすすめします。

なお、移行完了の目安時期は正式には発表されていないため、今後のフィリピン訪日客数の動向をはじめとした最新情報を確認していきましょう。

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<参照>

日本政府観光局(JNTO):訪日外客統計

在フィリピン日本国大使館:査証(ビザ)

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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