空きスペースの活用でオーバーツーリズム解消へ。米国を起点に急成長 ── 手荷物預かりサービスBounce CEO コディ・キャンディー氏インタビュー

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世界3万2,000か所以上の拠点を展開するグローバル手荷物預かりネットワークサービスの「Bounce(バウンス)」。2019年に設立後、北米、ヨーロッパを中心に100か国・4,000都市に導入が広がっています。

米Inc.誌が米国の急成長企業を選出する「Inc.5000」では、2024年に最も急成長している非上場旅行会社としても名前が挙がりました。

また、2025年5月にはJOYSOUND直営店、7月には南海電鉄との提携を発表するなど、日本国内においても注目を集めています。

訪日ラボでは、Bounce創設者 兼 CEOのコディ・キャンディー氏にインタビュー。日本におけるBounce導入の状況や、外国人観光客にとっての利用メリット、今後の事業展開などについて伺いました。

Bounce創設者 兼 CEO コディ・キャンディー氏
▲Bounce創設者 兼 CEO コディ・キャンディー氏

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世界最大の手荷物預かりネットワークサービス「Bounce」

── はじめに、Bounceのサービスについてご説明をお願いします。

Bounceは、世界でおよそ3万2,000以上のパートナーと契約を締結している世界最大の手荷物預かりネットワークです。現在300万人以上のお客様にご利用していただいており、世界での利用国は100か国・4,000都市に広がっています。

利用者だけでなく、手荷物預かりのパートナー企業も増えています。カフェやレストラン、ホテルはもちろんのこと、オフィスやカラオケ店など、店舗を構えている方であればどこでも預かり店舗になることができます。

── ユーザーはBounceをどのように活用できるのですか?

アプリを使って近くの店舗を簡単に見つけられるので、店舗を選択後、荷物の預かり日時や荷物の個数を選択するだけで予約が完了します。あとはクレジットカードやApple Payで事前決済を済ませ、荷物を預けに行くだけ。申し込みから実際の預け入れまで3タップで終えられることが特徴です。

── 世界中で事業を展開されていますが、特に力を入れている地域はありますか。

世界的にはニューヨークやパリ、ロンドンなどの店舗とパートナー契約を締結していますが、今後はアジア地域の成長に力をいれていきたいと考えています。アジアのなかでも日本は成長が著しく、最も期待している国の一つです。

日本ではすでに5,000か所程度のパートナー契約をしており、東京や大阪といった主要都市では徒歩4分以内にBounceを確保できている状況です。

インバウンド旅行者からの手荷物預かりサービスの需要は?

── インバウンド観光の拡大もあり、日本国内の手荷物預かり需要は高まっているのではないかと思います。特に外国人観光客の手荷物預かりサービスへのニーズについてお考えをお聞かせください。

日本に来る外国人観光客は、一個あたりの荷物が大きく、かつ荷物が多い傾向にあります。それゆえに通常の預かりサービスの利用ができなかったり、街中のコインロッカーに収まらなかったりする問題も発生している状況です。Bounceなら、彼らの需要に応えられるのではないかと思います。

また日本では、バスなどの公共交通機関がスーツケースによって混雑してしまう問題も発生しています。Bounceを活用してもらうことで、日本の観光地におけるオーバーツーリズムの解消の一助にもなるのではないでしょうか。

── 現時点では東京・大阪など主要都市にいるパートナーが多いとのことですが、今後はどのような展開を考えていますか。

東京大阪京都といったような都市部はもちろん重要なエリアなのですが、観光がまだ盛んではない地方においても、これから手荷物預かりサービスの需要が拡大していくのではないかと考えています。そのため今後は店舗はもちろんのこと、エリアもさらに拡大していきたいです。

日本国内でも事業を拡大、JOYSOUNDや南海電鉄との連携を発表

── 国内では、JOYSOUND直営店38店舗との連携、さらに南海電鉄と提携して難波駅・関西国際空港駅での手荷物預かりサービスの展開が発表されました。なぜこうした連携をはじめたのでしょうか。

Bounceにとっても、連携先にとっても利点があると考えたからです。

私たちにとっては、日本各地に店舗がある24時間営業のチェーン店であるJOYSOUNDと連携することでサービス提供できる時間を延ばせますし、JOYSOUNDにとってはBounceがあることでお客様の流入も増え、新しい収益源になり得ます。

また、南海電鉄の難波駅関西国際空港駅もコインロッカーの不足という課題を抱えていた中で、Bounceを導入いただくことにより、まさにWin-Winの関係を築けています。

── 一般的にホテルの手荷物預かりは、宿泊客に限定されていたり、預かり可能時間が限られていたりと不便な点も多いなかで、カラオケなど24時間営業の店舗や鉄道会社と連携すると、より利便性が向上しますね。

その通りです。Bounceがパートナー契約をするときに重視している点が3つあり、1点目が時間帯、2点目がロケーション、そして3点目がサービスの良さです。この点において、カラオケチェーン店や鉄道駅はぴったりの場所だと思います。

しかし、私たちはパートナー契約をこうした店舗・施設に限定しているわけではありません。この3点を満たす場所があれば、今後もパートナーとして契約を締結していきたいです。

── 最後に、パートナーになり得る宿泊業者やチェーン店の方々に向けて、アピールしたいポイントがあればお聞かせください。

Bounceとのパートナー契約締結やロッカーの設置によって、店舗への新規流入増加につながることは、Bounceを導入するメリットだと思います。

また、Bounceは空いているスペースにお客様の荷物を置いていただく仕組みのため、空きスペースの活用も可能です。さらにお客様のカバンに対する補償も付けているので、安心してお預かりいただけるのではないかと考えています。

最近では手荷物預かりサービスという業界自体も拡大傾向にあり、Bounceの知名度も高まってきているので、ありがたいことにお声がけいただく機会も増えています。今後もより利便性を高め、サービスの拡大を目指していきます。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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