政府の中央防災会議は12月19日、首都直下地震の被害想定をまとめた報告書を公表しました。
報告書では、2023年の外国人延べ宿泊者数のうち、42.7%が首都直下地震の被害が想定される東京圏に集中していることが示されています。こうした背景もあり、首都直下地震発生時には訪日外国人にも大きな混乱が生じると予測されています。
本記事では、今回公表された報告書の中から訪日外国人に関する内容をピックアップして紹介します。
関連記事:外国人観光案内所が担うインバウンド対応・災害対策。JNTO地域連携部にその重要性を聞いた
訪日ラボのメールマガジン登録はこちら>(無料)死者約1.8万人、建物被害は約40万棟
政府の中央防災会議が公表した「首都直下地震の被害想定と対策について」によると、冬の夕方に風速8m/sの状況で首都直下地震が起こった場合、死者数が約1万8,000人、建物の全壊・焼失が約40万棟に達すると推計されています。
被害の多くは火災に起因しており、想定される死者数の約3分の2にあたる約1.2万人が火災によって失われ、建物被害についても全体の約7割に相当する約27万棟が焼失する予測となっています 。
「言語の壁」「知識不足」による混乱予想
報告書では、地震発生時に外国語での情報提供が限られる場合、訪日外国人は言語の壁により得られる情報が少なくなることに加えて、地震に関する知識や経験が少ないことから適切な避難行動がとれず、火災などに巻き込まれる恐れが指摘されています。
さらに、地震発生後に帰国や、被災地からの脱出を希望した場合でも、交通麻痺によって移動が困難となったり、帰国手段に関する情報が得られず身動きが取れなくなったりなど、発災後の混乱により帰国が困難となる恐れがあるとしています。
関連記事:南海トラフ地震に警戒感強まる…今こそ考えたい、災害時のインバウンド対応
「大使館との連携」「周知啓発」など訪日客対応の必要性を指摘
首都直下地震による訪日外国人の混乱が予想されることから、報告書では訪日外国人への対応として、主に以下の4つが挙げられています。
避難誘導
観光地には多数の訪日外国人が滞在しているため、地方公共団体は、訪日外国人を一時滞在施設などへ避難誘導する体制を構築しておく必要がある
帰国支援等
外国人への対応として、国や地方公共団体は、大使館との具体的な連携の在り方や外国人観光客の避難・帰国のプロセスと具体的な支援などについて検討しておく必要がある
情報発信・通訳等
訪日外国人が発災後に助けや相談を求める先は大使館であるため、国や地方公共団体は、あらかじめ各国大使館との情報連携の在り方について検討し、訓練などを行う必要がある
また、災害時に訪日外国人に対して災害情報や避難情報を発信する場合は、多言語や「やさしい日本語」での情報発信を行う必要がある。加えて、地方公共団体は、災害時通訳ボランティアの避難所への派遣や多言語音声翻訳アプリの活用について検討する必要がある
周知啓発
国や地方公共団体は、地震に対する知識の少ない訪日外国人に対して、入国時などにアプリやパンフレットを用いて、地震や緊急地震速報、地震火災からの避難などに関する情報を周知する必要がある
インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
<参照>
中央防災会議 防災対策実行会議 首都直下地震対策検討ワーキンググループ :首都直下地震の被害想定と対策について
日本の魅力ある商品や体験を在日外国人インフルエンサーとつなげるマッチングプラットフォーム「trial JAPAN」
日本の魅力ある商品や体験を在日外国人インフルエンサーとつなげるマッチングプラットフォームです。インバウンド向け外国人インフルエンサー施策を、煩雑な交渉やスケジュール調整などの手間なくすぐに始められます。従来のインフルエンサー施策より、低コストで運用負担を抑えられるため、継続的なインバウンド市場への認知拡大を実現します。
詳しくはこちら
をご覧ください。
【12/25開催】2025年が終わる今こそ考えたい「インバウンドの未来」 東北に学ぶ成功戦略

2025年もいよいよ終わりに近づいてきました。今年の訪日外国人数は、10月までの累計ですでに3,500万人を超えており、過去最高だった2024年を上回ることが確実視されています。
来たる2026年は、インバウンドにとってどのような年になるのでしょうか。
本セミナーでは、観光業やインバウンド誘客に関わるスペシャリストの方々をお招きし、2026年以降のインバウンドについて見通します。
さらに、東北地方でのインバウンド誘客を事例としながら、今後の「地方×インバウンド」にとって重要な考え方や、今やるべきことについても徹底議論します。
東北地方で観光業界に関わる方はもちろん、それ以外の地域の方でも参考になる議論をお届けします!
詳しくはこちらをご覧ください。
→2025年が終わる今こそ考えたい「インバウンドの未来」 東北に学ぶ成功戦略【12/25開催】
【インバウンド情報まとめ 2025年12月前編】観光庁補正予算、オーバーツーリズム対策など225億円 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に11月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※訪日ラボ会員にご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→観光庁補正予算、オーバーツーリズム対策など225億円 / 東京23区のホテル開発がV字回復 ほか:インバウンド情報まとめ【2025年12月前編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」
訪日ラボの会員限定コンテンツ「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!
その他、訪日ラボの会員になるとインバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い教科書コンテンツやインバウンドを分析したレポート、訪日ラボのコンサルチーム登壇のセミナーなど役立つコンテンツが盛りだくさん!











