レストラン・カフェはどうやってSAVOR JAPANをインバウンドに活用すべきなのか？

SAVOR　JAPANとは、訪日外国人を日本の食文化の「本場」である農山漁村に呼び込み、訪日外国人の増加と農林水産物の輸出増大につなげるための取り組みとして、農泊と呼ばれる農山漁村滞在型旅行を推進し農林水産業や伝統文化の魅力を伝えようとする自治体や地域への認定制度を指します。農林水産省によって2016年に開始されてから、すでに31の地域が認定されています（2020年現在）。

認定されることによって地域のブランド化が進み、観光地としての魅力がより伝わりやすくなるだけでなく、認定地同士による協働やネットワーク化によってさらに地域資源を磨くことを見越して制度が始まりました。

なかでも飲食はその地域の特色を表すものであり、観光資源として欠かせないものです。すでにさまざまな地域でSAVOR JAPAN制度が活用され、地域の名物を取り扱う飲食業などの活性化につなげています。

この記事ではSAVOR JAPAN制度に認定された地域やその取り組みのうち、レストランやカフェなど飲食業に関連した物を紹介し、その活用事例について解説します。これからSAVOR JAPAN制度への参加を検討する自治体担当者の方などは参考にしてください。

Googleマップによる集客、うまく活用できていますか？

大井川流域の農業と地域の活性化を目指す「大井川農泊推進協議会」のSAVOR JAPAN活用事例

静岡県の大井川地域で活動する「大井川農泊推進協議会」は、SAVOR JAPANの認定地域の一つです。ここでは、さまざまな体験に主眼を置いたプログラムが多数組まれています。

南アルプスを源流とする大井川流域は日本でも有数のお茶の産地であり、それぞれの地域によって広大な茶園の中でさまざまな特色のある茶葉が生産されています。大井川農泊推進協議会が打ち出しているのは、これらの茶園の景観を望みながらお茶摘みやお茶の飲み比べ、茶葉のブレンドなどが楽しめる体験型ツアーです。

日本茶の文化は海外からの関心も高く、日本らしさを楽しんでもらうためのツアーとしては最適と言えます。事実、新型コロナの流行前にはアジア圏を中心に海外観光客の利用もあり、お茶体験が外国人に喜ばれれていたといいます。

そのほかリンゴ園やハマナス園、ブルーベリー狩りなどの農業体験や、藍染や志戸呂焼、お茶缶など地元の名産品の生産現場でのワークショップなど、さまざまな体験が楽しめるようになっています。

食文化の発信としては、駿河湾の豊富な海産物もアピールポイントとなっています。

外国人観光客の訪問・滞在を促す「食と農の景勝地・十勝協議会」のSAVOR JAPAN活用事例

北海道の十勝地域はSAVOR JAPANの認定地域として、初年度から選ばれていた地域の一つです。

十勝地域では食と農の景勝地・十勝協議会により、多様な農業や畜産業を中心に美しい自然景観を活用した農業体験プログラムや農業地のガイドツアーなどによって「農のフロンティア十勝にて食・景観を満喫！」をキャッチフレーズに、農山漁村を訪れる外国人観光客の訪問や滞在を促す取り組みを行なっています。

十勝地域には十勝チーズや十勝牛、ワインなど日本国内でも著名なブランドである名産品が多数あります。これらの名産品は外国人向けにも十分アピールする実力を持ったものであり、十勝を訪れる外国人に向けて積極的に訴求されています。地場のレストランでこれらの名産品を外国人に楽しんでもらい、十勝の優れた製品を知ってもらうことで海外におけるそのブランド力をさらに高める狙いがあります。

さらには広大な土地を持つ十勝地域を外国人がストレスなく回れるよう、ICTを活用したバス・タクシーなどの移動にかんする改善などの取り組みも行われています。

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