北米のDMO統括団体の活動とは?日本からどう参加しているのか【ココが違う!海外DMOのリアル vol.3】

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連載:ココが違う!海外DMOのリアル

北米を中心とした海外DMOの事情に詳しい公益社団法人日本観光振興協会 大須賀氏より、海外DMOの「リアルな取り組み」をお届けしていく連載。海外DMOとの違いから日本のDMOにおける課題をあぶり出すとともに、今後取るべき方針や具体的な施策について考える。

米国の世界的なDMO統括団体Destinations International(DI)においてSocial Impact Committeeに所属している筆者が、今回、その委員会活動の実際の様子、具体的な活動の内容を初めてまとまった記事としてご紹介していこうと思う。

日本に居住しながら、どのように米国の委員会活動に参加しているのか、興味のある方もいると思うのでこの機会にお伝えできればと考えている。

文/大須賀 信(公益社団法人日本観光振興協会

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DIの委員会の仕組み

DIには様々な委員会が設置されており、会員がボランティアベースで活動することが前提となっている。

任期は1年(1月~12月)で志願制となっており、秋になると翌年の委員会活動の募集が始まるサイクルとなっている。委員会活動をするにあたっては、一定の行動指針が求められている。

▲DI委員会の活動指針
▲DI委員会の活動指針

委員会も多岐にわたっており、下記のように様々なものが用意されている。

▲委員会一覧
▲委員会一覧

実際の委員会の様子

委員会も定期的に様々なミーティングがあるが、そもそも広大な北米大陸各地からその都度集まるわけにはいかないので、基本はオンラインで行われる。北米だけでもいくつも時間帯が分かれているのに加え、私など北米外の参加者もいると時間を合わせるだけでも大変で、基本は米国東部標準時で設定される。

つまり、日本在住の私は、早朝6時や真夜中1時からの参加となるが、頑張って参加をしている。そんな時差をおしての日本からの参加は、DIの委員会メンバーからも好意的に思われているようで、ログインして参加すると「Hi!」とみんなから声をかけられ、仲間としていつも温かく迎えられている。

アメリカ人は「時間厳守」

感心するのは、アメリカ人の「時間厳守」ぶりだ。

「日本人のほうが時間に厳しいだろう」と思われるかもしれないが、ここでいう時間厳守は「終わりの時間」だ。1時間なら1時間で「きちんと」終わる。50分を過ぎると「wrap up(締める)」するために、司会者はきちんと1時間での終了に向けて議事を進行する。今まで1時間を過ぎたことは皆無である。

日本人の「時間厳守」は半分本当で半分は嘘だなと感じさせる。このあたりは、「働き方」や「生産性」に影響していると感じている。もはや一人当たりのGDPや労働生産性で、米国に大きく水をあけられている日本は、本当になんとかしないといけないと思う。

開催者のDIのスタッフはきわめて優秀で、かつ、とにかく「人格者」である。こまめに連絡をくれるし、実際に会っても常に笑顔で、日本からの参加者として心細い思いをしたことは一度もない。

とくに私の属しているSocial Impact CommitteeをリードするSophia Hyder Hock氏(Chief Impact Officer)とAva Wells氏(Social Impact Director)は、尊敬してやまない、私の観光産業人としての目標になるあこがれの2人である。

▲左:Sophia Hyder Hock氏、右:Ava Wells氏
▲左:Sophia Hyder Hock氏、右:Ava Wells氏

Social Impact Committeeの活動内容

私の属しているSocial Impact Committeeに関しても活動内容を紹介する。

実は、私が参加した2024年の最初のころはEDI Committeeといっていた(EDIとは、公平性(Equity)、ダイバーシティ(Diversity)、インクルージョン(Inclusion)の頭文字をとった言葉)。しかしその後、共和党が力を増し、米国内の雰囲気が保守的になっていく中で、表立ってダイバーシティなどの言葉を掲げることに反対する人もでてきたので、名称を変更したと聞いている。

Social Impact Committeeのミッションは、以下である。

「観光業界をあらゆる人々にとって歓迎される場所にすることに全力を注いでいます。

私たちは、加盟組織のあらゆるレベルから集まった多様なメンバーで構成されるグループであり、誰もが『自分の居場所がある』と感じられる包括的な環境を築くために連携しています。

この続きから読める内容

  • 全員が同じ言語で語るための「LEXICON」
  • どんな人でも理解しやすいグラフィック
  • 奨学金支給の選考委員になって考えたこと
  • 3週間にわたる膨大な作業
  • 若者たちからもらったエネルギー
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この記事の筆者

大須賀信

大須賀信

公益社団法人 日本観光振興協会 事業推進グループ 観光地域づくり・人材育成部長

千葉県出身。米系航空会社などを経て2018年より地域連携DMOの(一社)秋田犬ツーリズムへ。2022年3月まで事務局長を務めた後、同年4月より(公社)日本観光振興協会へ。企画政策や交流促進を担当した後、観光地域づくり・人材育成部門観光地域マネジメント担当としてDMOのサポート、海外事例などの情報発信などを手がける。
観光庁「地域周遊・長期滞在促進のための専門家派遣事業」登録専門家、東京都 観光まちづくり アドバイザー(東京都・東京観光財団)、秋田県観光振興ビジョン有識者会議委員(秋田県)。
Destinations InternationalのSocial Impact Committee所属。PDM(Professional in Destination Management), Intellectual Capital, Business Intelligence (Sales, Services, Marketing and Communications)の5種全種の資格取得。

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