今年2月に東京・四谷で開催された日本観光振興協会主催の「DMO観光地域づくりセミナー2026」。本セミナーでは、観光を取り巻く世界的なトレンドや日本におけるDMOのあり方について、多角的な議論が行われました。
セミナーは、旅行・観光産業のコンサルティングに特化したNextFactor社のCEO カサンドラ・ギルバートソン氏による「世界の最新観光トレンド」から講演が始まりました。
本記事では、観光地マネジメントの変遷と世界のDMOが直面する最新トレンドについて語られた同講演の内容を中心に、セミナーの様子をレポートします。
関連記事:インバウンドが1%増えると1,150億円の輸出拡大に? カナダのデータから見る、観光と経済成長の関係性
世界のトレンドを紹介 「DMO観光地域づくりセミナー2026」の概要
「DMO観光地域づくりセミナー2026」は、日本観光振興協会がDMO支援の一環として開催しているもので、観光地域づくりに携わる実務者や自治体関係者を主な対象としています。
今回のテーマは、観光地の持続可能な発展に不可欠な「スチュワードシップ(責任ある管理)」と地域連携の強化です。従来の観光プロモーション中心の役割から、地域全体の価値を高めるマネジメントへと変化するDMOの現在地が共有されました。
セミナー当日は、以下のようなプログラムを通して、活発な意見交換が行われました。
- 世界の最新観光トレンド紹介
- デスティネーション・スチュワードシップについて
- 日本のDMO事例紹介
- トークセッション

今は観光の転換点 DMOに課せられる“新たな責任”とは
セミナー冒頭の講演「世界の最新観光トレンド」に登壇したNextFactorのCEO カサンドラ氏は、まず「私たちは今、観光の大きな転換点に立っています」と説明しました。同氏はその背景として、3つの外部要因を挙げています。
- 地政学的な緊張の高まり
- 経済の不安定性
-
気候変動や社会課題の深刻化
地政学的な緊張の高まりによる国際情勢の変化は、旅行者が「どこへ行くか」「何をするか」といった意思決定に大きな影響を与えます。カサンドラ氏は「旅行そのものの流れが変わっている」と述べました。
また、インフレや為替変動といった経済面での変化によって、今は旅行者だけでなくDMOにも機敏さが求められています。これに加え、自然資源や地域社会への依存度が高い観光産業に携わる人々は、環境保全や地域課題に対して、より強い管理責任が求められている状況です。
こうした課題や変化と向き合わなければならないなかで、DMOに対する期待は大きく広がっています。カサンドラ氏は、現在のステークホルダーのスタンスやDMOが置かれる立場について、次のように説明しました。
「地域住民は、自分たちの住む地域がどのように発展していくのか、これまで以上に強い関心をもつとともに、推進力を求めています。また、政府や投資家がリターンとして求める成果も、単なる観光収入だけでなく、地域経済や社会への波及効果まで含めた広く深いレベルのものになりつつあります。
そんななか、旅行者の意識にも変化が見られるようになりました。以前から求められていた『オーセンティシティ(本質的な価値)』に加え、どのように観光への責任を果たしているか、どのようにしてコミュニティを管理しているかといった『レスポンシビリティ(与えられた役割)』を示さなければならないのが現在です。そして、これはDMOの責務だといえます」
この続きから読める内容
- 変わり続けるDMOの役割を「Futures Study」から振り返る
- 観光の未来づくりに向けて必要な「8つの力」
- 「8つの力」を体現する先進事例:アメリカ・テキサス州ダラス
- APACと世界のDMO、抱える課題の共通項と違いは?
- 今後向き合うべき4つの変化と取るべきアクション
訪日ラボ無料会員
登録すると…
50,000ページ以上の
会員限定コンテンツが
読み放題
400時間以上の
セミナー動画が
見放題
200レッスン以上の
インバウンド対策の
教科書が学び放題
\無料・1分で登録完了/
今すぐ会員登録する









