バスはどうやって通販・越境ECをインバウンドに活用すべきなのか?
インバウンド市場が盛り上がる中で、バスが通販・越境ECを活用することでインバウンド集客する事例が増えています。バスの通販・越境ECを活用した成功事例では、効果的にマーケティングを行えています。このページでは、バスのインバウンド対策やインバウンド集客における通販・越境ECの活用について、次の3つの事例を取り上げます。
- バス×通販・越境EC事例その①:SBドライブ株式会社とバイドゥ株式会社、自動運転バス「Apolong(アポロン)」の日本での活用を協業
- バス×通販・越境EC事例その②:バス予約・支払い・乗車がスマホアプリで完結:越境ECにもつなげる
- バス×通販・越境EC事例その③:ECサイトの販売商品を路線バスで集めて発送、くまもと県南フードバレー協議会
バスの通販・越境ECによるインバウンド対策やインバウンド集客には、訪日中ではない外国人にもマーケティングできるというメリットがあります。インバウンド業界でよく用いられる用語の一つに「旅マエ・旅ナカ・旅アト」というものがあり、これはそれぞれ「訪日前・訪日中・訪日後」を表します。通販・越境ECは特に旅マエや旅アトの、日本にいないインバウンドにマーケティングをする手段として利用されています。たとえば、訪日中に気に入った食品がありこれを自分の国に帰っても食べたい、というインバウンドからのニーズがあった場合、その食品を取り扱うメーカーが越境ECサイトに出店していれば、外国人は自分の国でもその食品を手に入れられるということです。通販・越境ECを利用することで、旅アトにもマーケティングのチャンスを広げることができます。
ここでは、バスという業界・業種における通販・越境ECによるインバウンド対策事例を紹介していきます。
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「広告運用」の資料を無料でダウンロードする「越境ECサイト制作」の資料を無料でダウンロードする「多言語サイト制作」の資料を無料でダウンロードするSBドライブ株式会社とバイドゥ株式会社、自動運転バス「Apolong(アポロン)」の日本での活用を協業
ソフトバンクグループのSBドライブ株式会社と、百度(Baidu, Inc.)の日本法人であるバイドゥ株式会社は、百度が提供する自動運転システムのプラットフォーム「Apollo(アポロ)」を搭載した自動運転バス「Apolong(アポロン)」の日本での活用に向けて協業することに合意。SBドライブは、自動運転技術を活用したスマートモビリティーサービスの事業化を目指しており、自動運転バスの実用化による公共交通の維持・改善につなげていきたいと考えています。バイドゥは、百度が蓄積してきたAI(人工知能)の研究成果である自動運転技術を活用し、日本が抱える交通・移動手段の課題を解決したいと考えています。
SBドライブとバイドゥは、SBドライブが開発中の遠隔運行管理システム「Dispatcher(ディスパッチャー)」と、百度の自動運転システムのプラットフォーム「Apollo」を連携させ、日本の公道における自動運転バスの実用化を目指します。なお、両社は、「Apolong」を開発・製造する世界的に有名なバス車両メーカーである厦門金龍聨合汽車工業有限公司(以下「金龍客車」)と協業し、「Apolong」を日本で活用するための仕様変更などを進め、2019年初期までに実証実験用車両を含めて10台の「Apolong」を日本に持ち込む予定です。また、2018年度中に日本で実証実験を開始する予定です。
バス予約・支払い・乗車がスマホアプリで完結:越境ECにもつなげる
株式会社デジタルガレージの子会社で、決済事業を手がける株式会社イーコンテクストと株式会社アイリッジは、全国のバス事業者に向けた業界初のスマホアプリ決済サービス「BUS PAY(バスペイ)」の提供を開始しました。第株式会社平成エンタープライズが埼玉県で運行する路線バスで運用を開始しました。海部観光株式会社が徳島-大阪間で運行する高速バスでの運用を始めます。「BUS PAY」は、バス乗車券の予約から支払い、乗車時の乗車券提示まで、スマホアプリだけで簡単に行える業界初のサービスで、O2O(Online to offline)分野でのアプリ開発に強みを持つアイリッジと、従来バス業界向けに決済サービスを提供してきたイーコンテクストとの協業により実現したとのこと。
「BUS PAY」の利用者は、スマートフォン内のアプリにクレジットカード情報を登録することで、乗車券の予約・購入ができ、アプリが表示する乗車券画面を提示するだけでバスに乗車できます。iBeaconによる位置情報検知機能を活用しているため、利用者がバス停に近づくとスマートフォンに「BUS PAY」に関する情報がプッシュ通知で届きます。また、利用毎に乗車券を購入する高速バスに適した「都度決済」のほか、一定金額を事前チャージし乗車時に利用区間分を支払う、路線バス向けの「ポイント型決済」など、バスのサービス形式に合わせた決済機能を実装しています。 スマートフォンからいつでもどこでもチケット手配が行えるほか、現金などを介した支払いの手間を省くことができるため、バス利用者の利便性が向上します。
ECサイトの販売商品を路線バスで集めて発送、くまもと県南フードバレー協議会
くまもと県南フードバレー協議会は、県南地域の地域産品を販売するECサイト「くまもと県南ふぅーど市場」で注文された異なる商品を、路線バスを活用して1カ所に集めて梱包・発送する客貨混載型の小ロット物流網を構築。九州産業交通ホールディングスをはじめとする九州産交グループや、認定NPO法人「とら太の会」(障がい者小規模事業所)、佐川急便の協力を得て、2018年7月25日から運用を開始しています。ECサイトでは「晩白柚ジュレ」や「国産きくらげ」など県南部で作られた特産品を販売。
これまではECサイトで一度に複数の注文を受けた場合、それぞれ生産者ごとに商品を配送するためコストと手間がかかっていました。今回の小ロット物流網の構築によって、一度に注文された異なる生産者の商品を、在庫を持つことなく、低コストで発送できる仕組みを整えることによりECサイトの利用者は、一度に複数の商品を注文しやすくなります。今回の物流網では、九州産交グループの産交バスの路線バスを活用します。ECサイトからオーダーの連絡を受けた生産者は、注文のあった商品を決められた営業所・停留所に持ち込む。その後商品は、産交バスの八代営業所に集められる仕組みです。集められた商品は、とら太の会が回収して梱包。それを佐川急便が集荷して注文者に配送するという流れになります。ただし、現状ではバスの座席に設置されているBOXで集荷するため、対象は常温配送の商品のみとなります。