地方自治体はどうやって通販・越境ECをインバウンドに活用すべきなのか?
インバウンド市場が盛り上がる中で、地方自治体が通販・越境ECを活用することでインバウンド集客する事例が増えています。地方自治体の通販・越境ECを活用した成功事例では、効果的にマーケティングを行えています。このページでは、地方自治体のインバウンド対策やインバウンド集客における通販・越境ECの活用について、次の3つの事例を取り上げます。
- 地方自治体×通販・越境EC事例その①:JTB西日本訪日外国人向け越境ECサイト開設
- 地方自治体×通販・越境EC事例その②:「旅アト越境EC」を促進、eBayが「北海道特設サイト」設置
- 地方自治体×通販・越境EC事例その③:tenso株式会社:EC事業者や地方自治体向けに、海外YouTuberなど海外インフルエンサーを活用してグローバルなプロモーション活動を支援する新サービスを開始
地方自治体の通販・越境ECによるインバウンド対策やインバウンド集客には、訪日中ではない外国人にもマーケティングできるというメリットがあります。インバウンド業界でよく用いられる用語の一つに「旅マエ・旅ナカ・旅アト」というものがあり、これはそれぞれ「訪日前・訪日中・訪日後」を表します。通販・越境ECは特に旅マエや旅アトの、日本にいないインバウンドにマーケティングをする手段として利用されています。たとえば、訪日中に気に入った食品がありこれを自分の国に帰っても食べたい、というインバウンドからのニーズがあった場合、その食品を取り扱うメーカーが越境ECサイトに出店していれば、外国人は自分の国でもその食品を手に入れられるということです。通販・越境ECを利用することで、旅アトにもマーケティングのチャンスを広げることができます。
ここでは、地方自治体という業界・業種における通販・越境ECによるインバウンド対策事例を紹介していきます。
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「広告運用」の資料を無料でダウンロードする「越境ECサイト制作」の資料を無料でダウンロードする「多言語サイト制作」の資料を無料でダウンロードするJTB西日本訪日外国人向け越境ECサイト開設
JTB西日本は2017年9月5日、海外の消費者向け越境ECサイト「J’s Agri」を立ち上げ、日本産農林水産物の販売を開始しました。まずは香港の消費者に対し、岡山県産の「シャインマスカット」や静岡県産の「クラウンメロン」などを販売。11月からシンガポールやマレーシア、来年4月以降にはタイ、台湾でも販売を開始する予定です。2020年までに年間売上高5億円をめざす方針だと言います。JTBグループでは日本の食や農業と観光、文化を組み合わせた「食農観光」事業に取り組んでおり、JTB西日本でも2014年から、香港や台湾、シンガポールなどで個別商談会を開催。日本の食産品の輸出拡大と訪日外国人の産地への誘客をめざす「J’s Agri事業」を展開しています。今回の越境ECサイトの開設もその一環で、20代から60代の訪日経験がある、または日本に興味がある女性をターゲットに設定。
対応言語は英語と中国語繁体字で、果物を中心にした日本全国の農林水産物や食品について、産地や生産者の情報とともに掲載します。各商品は生産者が航空貨物便で現地に輸送します。JTB西日本では今春から着地型旅行商品として、京都府八幡市の農園でのいちご狩りと往復送迎を合わせた「京都いちごシャトル」などを造成し、同社が運営する訪日外国人向けの観光案内所で販売しているところ。これまでに約200名の訪日外国人が産地を訪問したといい、ECサイトでも今後こうした商品を販売する予定。このほか、今後は海外のレストラン事業者や輸入業者などと生産者を対象にしたBtoBサイトも開設する予定としています。
「旅アト越境EC」を促進、eBayが「北海道特設サイト」設置
イーベイ・ジャパン株式会社は、オンライン・マーケットプレイス「eBay(イーベイ)」のOtakara Japanサイト内に、訪日外国人に向けた北海道食品の特設サイトを設置すると発表しました。出店運営企業は、北海道マーケティング総研株式会社と株式会社フォネックス・コミュニケーションズ。北海道は、大自然のパノラマや豊かな食文化などの魅力が伝わり、近年で訪日観光客(訪日外国人)が急増しています。2016年度には訪日観光客数が230万人を超え、過去5年間で約4倍となるなど、人気の観光スポットとなっています。
eBayは、アメリカのeBay社が運営するインターネットオークションサイトです。インターネット黎明期の1995年からサービスを行っている老舗サイトで、世界200カ国から1.7億人以上のアクティブユーザーが集まり、世界最多の利用者を誇っています。eBayの2016年における流通総額は約9兆円で、Amazonグローバルの流通総額16兆円には及ばないものの、日本のヤフオク!の流通総額8,896億円と比較すると10倍もの規模がある巨大なマーケットです。eBayは元々CtoCが中心のオークションサイトでしたが、近年では企業や業者も多数出品しており、越境ECのマーケットプレイスとして注目が集まっています。
tenso株式会社:EC事業者や地方自治体向けに、海外YouTuberなど海外インフルエンサーを活用してグローバルなプロモーション活動を支援する新サービスを開始
BEENOS株式会社の連結子会社で、越境ECのサポートサービス「転送コム」と「Buyee(バイイー)」を運営するtenso株式会社は、EC事業者様や地方自治体様向けに、海外インフルエンサーを活用してグローバルなプロモーション活動を支援する新サービス「海外インフルエンサーマーケティングサポート」を2018年8月1日より開始しました。tensoが築いた世界21エリア・約1,500名のYouTuber、インスタグラマー、ブロガーなど、海外のインフルエンサーネットワークからご相談内容とご予算に応じて最適なインフルエンサーを選出し、プロモーションのプランを提供するというものです。
tensoは、海外販売対応を行っていない国内ECサイトの代わりに海外発送業務、多言語お客様対応など、海外販路拡大のサポートを2008年より行っており、現在では連携ECサイト数約1,850、海外会員数150万人以上で、同業界では最大規模の海外発送数を誇ります。これまでにも、日本の商品を海外から購入できる仕組みとして当社サービスの「転送コム」と「Buyee」が海外インフルエンサーに紹介されており、年間200本以上のYouTube動画が公開されています。tensoは、これまで築いてきたインフルエンサーネットワークを活かし、日本の商品を海外に販売する仕組みだけではなく、売るための仕掛け・プロモーションも含めてサポートすることで越境ECの流通の底上げを図っていきたいと考え、今回の新サービス提供に至りました。当サービスは、tensoの提携EC事業者様はもちろん、それ以外のEC事業者様や、地域の魅力を海外にも発信したい地方自治体様などにもご利用いただけます。今回のサービスによって、tensoの新規会員を海外インフルエンサー経由で年間5万人以上獲得することを目指します。