旅館・民宿はどうやってデータをインバウンドに活用すべきなのか?
インバウンド市場が盛り上がる中で、旅館・民宿がデータをインバウンド集客で活用する事例が増加しています。データ活用における旅館・民宿のプロモーションの成功事例では、インバウンドに関連するデータを、収集し解析することで効果的なインバウンド対策を実施できているようです。
このページでは、旅館・民宿のデータのインバウンド対策やインバウンド集客における活用について、次の3つの事例を取り上げます。
- 旅館・民宿×データ活用事例その①:株式会社嬉野観光ホテル大正屋、リピーター客への対応で、特に効果を実感。前回宿泊時の情報を元にきめ細かいサービスを提供可能に
- 旅館・民宿×データ活用事例その②:泊食分離(はくしょくぶんり)で旅館の稼働率をアップ。飲食店の活性化にもつなげた星野リゾート
- 旅館・民宿×データ活用事例その③:株式会社たび寅(長野県諏訪市)AI技術を活用した宿泊料金決定システム
旅館・民宿のインバウンド対策やインバウンド集客では、データ活用をすることで効率的かつ効果的に施策を行えます。どこの国からのインバウンドが多いのか、消費額が多いのは国籍・年代含めどんな人なのかということは、対策を講じたりターゲットをしぼったりする上で非常に重要です。そして、それはイメージや体感ではわかりません。なんとなく中国人が多いかな、と思っていたら実は最も多いのは韓国人だった、ということもあるでしょう。正しいデータ活用をすることで、最も注力すべきはどこなのかということがわかってきます。体感ではかるよりも正確に、そして効率的に施策を行えます。
ここでは、旅館・民宿という業界・業種におけるデータ活用のプロモーション事例を紹介していきます。
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「インバウンドコンサル」の資料を無料でダウンロードする「インバウンドデータ」の資料を無料でダウンロードする「調査・リサーチ」の資料を無料でダウンロードする株式会社嬉野観光ホテル大正屋、リピーター客への対応で、特に効果を実感。前回宿泊時の情報を元にきめ細かいサービスを提供可能に
株式会社嬉野観光ホテル大正屋は、日本三大美肌の湯といわれる、佐賀県を代表する嬉野温泉で、大正14年創業の老舗旅館を経営されています。 大正屋様のサービス品質は、「ミシュランガイド2014福岡佐賀版で4パビリオン「最上級の快適」を獲得」「JR『ななつ星in九州』のオプショナルツアー宿泊先に選定!」「『じゃらん OF THE YEAR 2013 九州エリア 51~100室部門』で、第1位を受賞」など各方面より高い評価を得ています。そのおもてなしを陰で支えるのは、当社のシステム開発サービスをご利用いただき、独自に開発・導入された顧客管理システムです。
創業以来、宿帳を元に手書きで顧客管理を行ってきました。積算業務(レジ)はそれより前に機械化していましたが、旅館におけるサービスは顧客情報を元に展開するため、共有の仕方を模索していました。30室までは何とか対応可能でしたが、それ以上になるとパンクする恐れがあると判断し、顧客管理システムを導入することを決意。今でこそ世の中にはパッケージ商品もあり、部分的に取り入れることもできますが、当時は独自に開発する以外の方法はありませんでした。完全にオリジナルでシステムを開発するには、発注側と開発側が二人三脚で取り組む必要がありました。システムがスムーズに動き出し、順調な滑り出しとなりました。具体的な内容としては、客室係が宿泊客の情報(アレルギーの有無や細かな好みなど)を丁寧に記入したアンケート用紙をスキャンしてデータ化。再来時にはそれを呼び出し、接客に活用していくという方法です。お子様の名前を呼びかけることで自然と笑顔が生まれたり、「好みを覚えていてもらえた」という感動があったりと、旅館スタッフがお客様と心を通わせ合うきっかけづくりとしても役立っているとのこと。
泊食分離(はくしょくぶんり)で旅館の稼働率をアップ。飲食店の活性化にもつなげた星野リゾート
2017年8月、観光庁が「泊食分離(はくしょくぶんり)」を推進すると発表しました。これは、今まで旅館が提供していた1泊2食付きのプランをやめて、素泊まりのみを提供すること。宿泊と食事を別の場所に用意することで、旅館に訪日外国人が増えると予想しています。星野リゾートが運営する「星のや」は、泊食分離をコンセプトとする旅館の1つです。そして、京都の店舗では近くの飲食店と協力することで、宿泊客の「さまざまな料理を、自分の好きな時間に楽しみたい」というニーズを叶えています。
星野リゾートの「星のや」は、宿泊料金のみのプランと食事付きのプランを用意。宿泊客が予約するときに、選べるようにしています。泊食分離を取り入れた理由は、宿泊客のニーズにあります。星のやはオープン前に市場調査を行ったところ、多くのお客様が「温泉は好きだけれど、旅館は嫌い」と感じていることが発覚。メニューや時間の決まった食事の提供が、宿泊客を拘束し、「施設側の都合を押し付けたサービスになっている」と分析。泊食分離と24時間のルームサービスを導入。今後、国内だけでなく海外で通用するコンセプトとなることも予想して、宿泊客が食事を自由に決めるシステムに変更しました。レストランの数が少ないと宿泊客は食事が難しく、結果として泊食分離は実現しません。星のやのように、宿泊客を紹介する代わりにサービスをしてもらうなど、協力が必要です。サービス内容も一緒に考えれば、宿泊客は食事の選択肢として、近くのレストランを取り入れます。きっかけがあれば、宿泊客はレストランでの食事を選択するはず。来店が増えることで、レストランの売上アップも期待できます。
株式会社たび寅(長野県諏訪市)AI技術を活用した宿泊料金決定システム
2002年に長野県・諏訪に転勤した頃には、インターネットの普及にともない、「じゃらん」の掲載料に見合うだけの集客ができない旅館・ホテルが増えていた実態を目の当たりにしました。そこで、秋山社長は、旅館・ホテルの広告効果を引き出す目的で、自ら開発した予約システム付きホームページを制作して無料で提供したところ、“急激に予約が伸びるホームページ”として評判となりました。この成功体験をきっかけに、2004年10月、同社を起業することに。このホームページ制作・運営事業では、秋山社長の営業記者としての経験を活かし、提供する食事・サービスの内容や宿泊料金の設定など、旅館・ホテルへのアドバイスも無料で行っています。
起業後の2009年、秋山社長は、諏訪信用金庫(長野県岡谷市)の推薦の下、全国商工会議所女性会連合会(事務局・日本商工会議所)が主催する第8回女性起業家大賞のスタートアップ部門で優秀賞を受賞しました。2010年には、同金庫の勧奨により「東京ビジネス・サミット2010」に初出展をしました。そこでつながりをもった九州ひぜん信用金庫(佐賀県武雄市)の取引先ホテルの経営改善に携わったところ、破綻懸念先のホテルが2年ほどで正常先となりました。この実績から、多数のホテルから依頼を受けるようになり、九州支店(佐賀県武雄市)を立ち上げることとなりました。その後、2013年に一般社団法人信州・長野県観光協会との協業で宿泊予約サイトを開 設、運用したり、2015年には広島支店を設立したりするなど、事業展開を図っています。