航空・空港はどうやってインフルエンサーをインバウンドに活用すべきなのか?
インバウンド市場が盛り上がる中で、航空・空港がインフルエンサーをインバウンド集客で活用する事例が増加しています。インフルエンサーを用いた航空・空港のプロモーションの成功事例では、インバウンドに関連するデータを、収集し解析することで効果的なインバウンド対策を実施できているようです。
このページでは、航空・空港のインフルエンサーのインバウンド対策やインバウンド集客における活用について、次の3つの事例を取り上げます。
- 航空・空港×インフルエンサー事例その①:アメリカの人気YouTuberにファーストクラスをプレゼント!エミレーツ航空の紹介動画が大反響
- 航空・空港×インフルエンサー事例その②:人気YouTuberがJALのビジネスクラスに搭乗、紹介動画が大人気に
- 航空・空港×インフルエンサー事例その③:人気YouTuberがJALのファーストクラスラウンジを紹介/JALの非公式PR?
インフルエンサーを活用した航空・空港のインバウンド対策やインバウンド集客のメリットは、ターゲットとする客層に効率的にプロモーションできることや、顧客に見てもらいやすいということです。PRを行いたい客層に人気のあるインフルエンサーを起用すれば、そこに焦点をあててプロモーションを行えます。また、広告があふれる現代において企業からのPRや情報発信をよく思わない顧客も多くいますが、顧客にとって親近感のあるインフルエンサーが紹介することで、嫌悪感を抱かせることなくPRできます。
ここでは、航空・空港という業界・業種におけるインフルエンサーを活用したプロモーションの事例を紹介していきます。
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アラブ首長国連邦のドバイに本拠地を置く航空会社・エミレーツ航空は、ユニークなインフルエンサーマーケティングを行いました。
エミレーツ航空のプロモーションに起用されたのは、アメリカのYouTuber・Casey Neistat(ケイシー・ネイスタット)です。YouTubeの公式チャンネルの登録数が1000万を超える、大人気のYouTuberです。
人気のYouTuberを起用したインフルエンサーマーケティングということで、それだけではあまり特異性は感じられませんが、そのプロモーションの方法がとてもユニークでした。
ケイシーは2016年9月、ドバイからニューヨークに行くエミレーツ航空のビジネスクラスを予約していました。しかしそのチケットが、無料でファーストクラスにアップグレードされていました。それを知らされていないケイシーは「僕の全人生で最高の日は、子どもが生まれたときと、それから今日です。」と大喜びし、いつものように自撮りで動画の撮影を始めます。ケイシーは自動ドアで完全に仕切られた個室や、アメニティの豊富さ、シャワーの快適さなど目に入るすべてのものに驚き、撮影します。
ケイシーがYouTubeにアップした動画は1週間で1800万回以上の再生回数を記録し、現在は5800万回を超えています(記事執筆時点)。これはエミレーツ航空による正式なプロモーションではないため、“広告っぽさ”がなかったこと、また、ありとあらゆるサービスを紹介しつつも約9分とコンパクトにおさめたケイシーの動画編集の手腕がこの大反響を呼んだのだと考えられます。
これは日本国内の事例ではありませんが、インバウンド向けにPRする上で“ユニークさ”も重要であるということがわかる例です。
人気YouTuberがJALのビジネスクラスに搭乗、紹介動画が大人気に
人気YouTuberのMike Chenは、自身が運営するYouTubeチャンネル「Mikey Chen」において、日本やインド、インドネシア、イタリア、アメリカなど世界各地をまわってその旅の様子を撮影した動画を公開しています。そのMikey Chenで、2017年8月にJALのビジネスクラスについて紹介した動画が公開されました。
マイクはその旅の道中、たびたびファーストクラスやビジネスクラスに乗り、その内部を撮影して紹介しています。普通はなかなか体験できないということもあり、動画は大人気です。
2017年8月、マイクはJALのビジネスクラスに搭乗したときの様子を撮影して公開しました。それまでマイクはモンゴルに滞在していたようで、その旅のあとにまず韓国に移動します。韓国から日本へのフライトと、日本からニューヨークへのフライトでビジネスクラスに搭乗しました。
マイクは機内食などを中心に紹介します。動画の再生回数は200万回を超え(記事執筆時点)、コメントも多く寄せられています。日本からニューヨークというフライトの時間もあり動画は18分半と長めですが、多くの人に支持されているようです。JALは日本が誇る大手航空会社であり、ビジネスクラスのサービスが人気YouTuberによって紹介されたことでインバウンドへの良い影響が期待されます。
人気YouTuberがJALのファーストクラスラウンジを紹介/JALの非公式PR?
2017年8月、アメリカ出身の人気YouTuber・Mark Wiensが自身の公式チャンネルで、箱根の温泉旅館に行ったときの様子を公開しました。
Mark Wiensはアメリカ出身の人気YouTuberで、5歳のときにフランスに移住して以降、コンゴやケニアなどを転々としました。現在は夫婦でタイに住んでいるということです。夫婦で海外旅行をすることも多く、アジア・ヨーロッパ・アフリカなど大陸をまたいで世界各地にとびまわり、各国の料理などを撮影してYouTubeに投稿しています。公式チャンネルの登録数は276万と、非常に人気のあるYouTuberです。
マークはアメリカからシンガポールへの乗り継ぎで成田空港を訪れた際、JALのファーストクラスラウンジを利用しました。そのときの様子を紹介した動画が、2015年に公開されています。ファーストクラスラウンジを利用できたのはJAL側の厚意だったようで、飛行機自体はエコノミークラスだったということです。
マークは、妻とともにファーストクラスラウンジで食事やアルコールを楽しみました。あまり長くはいられなかったようですが、大変満足したと語っています。その後に乗った飛行機では、機内食を紹介していました。
JALとしては、人気YouTuberにファーストクラスラウンジを紹介してもらうことでプロモーションにつなげたい考えもあったのかもしれません。