電車・鉄道はどうやってインフルエンサーをインバウンドに活用すべきなのか?
インバウンド市場が盛り上がる中で、電車・鉄道がインフルエンサーをインバウンド集客で活用する事例が増加しています。インフルエンサーを用いた電車・鉄道のプロモーションの成功事例では、インバウンドに関連するデータを、収集し解析することで効果的なインバウンド対策を実施できているようです。
このページでは、電車・鉄道のインフルエンサーのインバウンド対策やインバウンド集客における活用について、次の3つの事例を取り上げます。
- 電車・鉄道×インフルエンサー事例その①:タイの人気女優を起用した西武鉄道・埼玉県のインフルエンサーマーケティング
- 電車・鉄道×インフルエンサー事例その②:東武鉄道、中国人ブロガーを起用してインフルエンサーPR/中国からのインバウンドに沿線の魅力をアピール
- 電車・鉄道×インフルエンサー事例その③:カナダの人気YouTuberが愛媛の観光列車・伊予灘ものがたりを紹介/手を振る沿道の人の温かさに感動
インフルエンサーを活用した電車・鉄道のインバウンド対策やインバウンド集客のメリットは、ターゲットとする客層に効率的にプロモーションできることや、顧客に見てもらいやすいということです。PRを行いたい客層に人気のあるインフルエンサーを起用すれば、そこに焦点をあててプロモーションを行えます。また、広告があふれる現代において企業からのPRや情報発信をよく思わない顧客も多くいますが、顧客にとって親近感のあるインフルエンサーが紹介することで、嫌悪感を抱かせることなくPRできます。
ここでは、電車・鉄道という業界・業種におけるインフルエンサーを活用したプロモーションの事例を紹介していきます。
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西武鉄道株式会社は、埼玉県と連携してタイのインフルエンサーを起用したPR事業を行っています。タイからの訪日観光客は2017年に約98万人(前年比9.5%増)となり、今後も増加が見込まれているため、タイからのさらなるインバウンド促進のために開始したということです。
起用したのは、芸能活動の傍ら有名大学の医学部に通う人気女優・フラン・ナリクン・ケットプラパーコーン(Frung Narikun Ketprapakorn)と、ドラマや人気歌手のミュージックビデオなどに出演する人気女優・ベール・ケミサラー・パラデッシ(Belle Kemisara Paladesh)の2人です。2人は埼玉県から「LOVE SAITAMAアンバサダー」に任命され、現地から埼玉の魅力を発信します。
2人は、それぞれフォロワー数100万人を超える自身のインスタグラムで、埼玉県の川越、長瀞、秩父、飯能エリアの魅力をタイ語でアピールします。実際に埼玉に関する投稿をした際には、3万~4万の「いいね!」がつきました。西武鉄道と埼玉県は、タイにおける埼玉の認知度向上につなげたい考えです。
西武鉄道と埼玉県は、現地メディアへの出稿や、特設サイトの作成、タイの旅行博への出展なども連携して行っていくということです。
東武鉄道、中国人ブロガーを起用してインフルエンサーPR/中国からのインバウンドに沿線の魅力をアピール
2016年、東武鉄道は中国人のインフルエンサーに依頼してプロモーションを行いました。
依頼したのは中国の人気ブロガー2人です。一人目はWeiboのアカウント名を「天使与魔鬼1985」といい、ブログの読者層は日本のスキンケアや旅行や美食などに対して関心を持って いる20代~30代の女性が中心です。Weiboのフォロワー数は77万人です。
二人目はWeiboのアカウント名を「飘尘Marco」といい、ブログの読者層は20代から40代までと幅広く、女性のほうが若干多いです。旅行好きな人や、旅行関係の仕事をしている人が多いということです。Weiboのフォロワー数は51万人です。
東武グループは、2016年5月にWeiboとWechatの公式アカウントを開設し、中国向けの情報発信を強化しています。その取り組みの一環として、この中国人ブロガー2人を東武線沿線に招待し、自身のブログやSNSで観光情報や魅力を伝えてもらいました。
めぐったのは東武線沿線の「浅草・東京スカイツリータウンエリア」「日光・鬼怒川エリア」「池袋エリア」「川越エリア」です。東京スカイツリータウンなどの新しい観光地から着物体験やクルージングなどインバウンドに人気のあるコンテンツまで、ジャンルの違うさまざまな観光資源を体験してもらったということです。
カナダの人気YouTuberが愛媛の観光列車・伊予灘ものがたりを紹介/手を振る沿道の人の温かさに感動
カナダ出身の人気YouTuber・Sharla(シャーラ)は、Sharla in JapanというYouTube公式チャンネルを運営しています。
シャーラは2016年9月に、日本人YouTuberのSherry(シェリー)と東京に住むコンテンツクリエイターのNorm(ノルム)とともに四国旅を行いました。
シャーラが初めての四国旅で乗ったのは愛媛県を走る観光列車「伊予灘ものがたり」で、瀬戸内海西部の海域・伊予灘を見ながら食事が楽しめる列車です。運行は毎週金曜日・土曜日・日曜日で、松山から伊予大洲を結ぶ列車が一日一回往復、松山から八幡浜を結ぶ列車も同じく一日一回往復します。
美しい景色やおいしい食事も伊予灘ものがたりの魅力ですが、それだけではありません。伊予灘ものがたりに乗っていると、沿道の住民が列車を待ち構え、旗や手を振ってくれているのが見えます。運行する曜日や時間が決まっており本数が少ないからこそできることですが、シャーラも「手作りのサインを持って挨拶してくれる地元の方々に感動しました」と言っています。
コメント欄には、伊予灘ものがたりの内装が気に入ったというコメント、車窓の風景がきれいだというコメントも見られました。この動画の公開により四国へのインバウンドが増えることが期待されます。