民泊はどうやってインバウンドにおいて地方誘致・地方創生に取り組むべきなのか?
インバウンド市場が盛り上がる中で、民泊が地方誘致・地方創生によってインバウンド集客で成功する事例が増加しています。都心部での訪日外国人受け入れのノウハウをそのまま持っていって成功する場合もあれば、地方ならではの特色を活かしたり、個別の取り組みが評価されている事例もあります。
このページでは、民泊の地方誘致・地方創生のインバウンド対策やインバウンド集客における活用について、次の3つの事例を取り上げます。
- 民泊×地方誘致・地方創生事例その①:「徳島市阿波踊り」に学ぶイベント民泊
- 民泊×地方誘致・地方創生事例その②:来場者数25万人を誇る岐阜県関市の一大イベント「関市刃物祭り」を株式会社マーケットプレイスが全面的にバックアップ
- 民泊×地方誘致・地方創生事例その③:東北最大のイベント「弘前ねぷた祭り」でもイベント民泊への取り組みがスタート
地方誘致・地方創生のためのインバウンド集客やインバウンド対策においては、業界・業種やターゲットとする国籍によってかなりその内容が様変わりします。例えば、中国出身の訪日外国人には人気の観光地が、台湾出身の訪日外国人には人気ではなかったり、その消費動向が異なっていたりすることがあります。またこういた訪日外国人の国籍とは関係ない共通の手法が、色々な国からの訪日外国人にしっかりと効果がある場合もあります。
ここでは、民泊という業界・業種における地方誘致・地方創生の各社の事例を元にして、効果的な地方誘致・地方創生を活用したインバウンド対策やインバウンド集客のケーススタディーをしてみます。それでは見ていきましょう。
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「徳島市阿波踊り」に学ぶイベント民泊
2017年8月12日〜15日かけておこなわれた「徳島市阿波おどり」では、イベント開催期間中に宿泊施設の不足を解消することを目的に、「イベント民泊」を実施。これは、地元のお祭りやコンサートといったイベント開催によって一時的に宿泊施設の不足が見込まれる場合に限り、イベント開催地の自治体が要請することで旅館業の営業許可がなくても自宅を宿泊施設として提供できるようにするというものです。
この「イベント民泊」は、下記にも青森県五所川原市の「立佞武多」、青森県弘前市の「弘前さくらまつり」、沖縄市が開催した「広島カープ優勝パレード」など全国各地で開催されてきました。しかし、いずれのイベントも自宅を提供してくれるホストの確保に苦しみ、宿泊施設数は10に満たない状況が続いていたのだと言います。
こうした状況のなか、2017年に開催された「徳島市阿波おどり」のイベント民泊では、38部屋が稼働。過去最高規模を記録する275名近くの観光客が、実際にイベント民泊を活用して宿泊したのだといいます。
ちなみに、地元自治体とともに「イベント民泊」の運営をおこなっていたのは、Airbnbとも提携しながら民泊ホストの育成事業を展開している人材サービス大手株式会社パソナ。同社がおこなった「イベント民泊」終了後の調査によると、アメリカ、フランス、イタリア、スウェーデン、台湾、中国など幅広い国のゲストが宿泊し、アジアよりも欧米のゲストが多かったといいます。イタリアからやってきたゲストのなかには、「徳島の阿波おどりの美しい雰囲気を経験でき、とてもしばらしかった。ホテルはどこに泊まっても同じですが、民泊は日本の文化を知れるのでよい」と話していたといいます。「イベント民泊」を利用して徳島市を訪れた観光客を受け入れることによって、地元では多国籍との交流を深めるきっかけにもなっています。
来場者数25万人を誇る岐阜県関市の一大イベント「関市刃物祭り」を株式会社マーケットプレイスが全面的にバックアップ
2018年9月27日、スペースの時間貸しや宿泊プラットフォームを運営する株式会社スペースマーケットは、ドイツのゾーリンゲン、イギリスのシェリンガムと並ぶ世界三代刃物産地として知られる岐阜県関市と連携。
2018年10月6日、7日に実施される「関市刃物まつり」でイベント民泊を実施することを公表しました。今回の取り組みは、観光庁の定めるイベント民泊ガイドラインに沿ったイベント民泊のノウハウ提供をはじめ、「刃物まつり」の専任担当者の配置、民泊スペース提供者に対し同社の専任担当者が掲載からイベント当日までの支援を一貫しておこなうなどのバックアップ体制を整え、集客支援をおこなうというものです。
岐阜県関市では、地域観光の受け入れ体制が不十分であることや、地域のインフラとして活用できる民泊の可能性に着目し、今年6月、スペースマーケットと民泊による産業観光を目指しています。
岐阜県関市は、世界有数の刃物の産地として知られるエリア。岐阜県関市は、訪日外国人から人気が高く数々の観光スポットが集中している、東京・京都間の「ゴールデンルート」と呼ばれる中間に位置しています。ゴールデンルートを辿って日本旅行を楽しむ、訪日外国人による地方活性化の可能性を秘めています。
「刃物まつり」は毎年25万人の来場者を誇る大規模なイベントであるものの、多くの観光客が日帰りのため、集客力に見合った経済効果を果たせないという課題を抱えていました。
こうした課題の解消に向け、今回実施されるイベント民泊は、供給を上回る宿泊需要を吸収することで地域経済の活性化が期待できるということ。これまで、時間貸しのマーケットプレイスとして、寺や古民家、映画館、離島など、約1万件のさまざまなスペースを掲載し、ユニークな利用事例を全国で多数生み出してきたスペースマーケットの民泊ノウハウを活かしながら、本格的な民泊導入による地方活性化を目指しています。
東北最大のイベント「弘前ねぷた祭り」でもイベント民泊への取り組みがスタート
青森県弘前市は2016年4月から、市内のホテルや旅館などの宿泊施設の不足が見込まれる祭り期間に、自宅などを素泊まりの宿泊場所として提供してくれる一般市民を募集する「イベント民泊」を実施しています。
イベント民泊は、自治体の要請を受けて、旅館業法の営業許可なく、自宅などを有料で提供できるというもの。株式会社百戦錬磨は民泊予約サイト「STAY JAPAN」で宿泊施設の掲載および旅行者の募集を呼びかけ、年1回に限り、イベント開催時に自治体の要請などにより自宅を旅行者に提供できるようにする仕組みです。
弘前市では、警察や保健所、消防の助言も受けながら、観光庁のガイドラインに基づき実施し、提供者は宿泊予約サイトに登録して宿泊者を募集をおこないます。「弘前ねぷたまつり」は津軽の夏を彩る夏祭り。三国志や水滸伝などの武者絵を題材とした大小約80台の勇壮華麗なねぷたが、城下町弘前を練り歩く歴史あるイベントです。
イベント開催時には伝統的な「弘前ねぷたまつり」をひと目見ようと、全国各地から押し寄せた観光客による、宿泊施設不足の問題を抱えていました。これを受け、弘前市では今年2月から暴力団関係者の排除に向け弘前署と連携するなど「イベント民泊」に向けた準備をスタート。同様の試みは2016年に五所川原市で「立佞武多(たちねぷた)」でもおこmなわれ、市内の6戸で計21人の利用者の確保に成功しています。
イベント中に宿泊需要が既存の宿泊施設では補いきれない場合の受け皿として、地域住民とイベント参加者の交流の機会としての役割も大きく、地域ファンを増やすことでリピーターにつなげることが期待されています。また、宿泊場所の確保だけではなく、交流人口の拡大、滞在時間の増加による観光消費の拡大などの効果も期待されます。
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