アニメ・マンガはどうやって動画・コンテンツ制作をインバウンドに活用すべきなのか?
インバウンド市場が盛り上がる中で、アニメ・マンガが動画・コンテンツ制作によってインバウンドで成功する事例が増加しています。このページでは、アニメ・マンガの動画・コンテンツ制作のインバウンド対策やインバウンド集客における活用について、次の2つの事例を取り上げます。
- アニメ・マンガ×動画・コンテンツ制作事例その①:自治体自らアニメ制作、聖地巡礼につなげる取り組み/富山県南砺市
- アニメ・マンガ×動画・コンテンツ制作事例その②:ご当地アニメキャラが観光スポットを紹介/北海道石狩地域
近年プロモーションの方法として動画・コンテンツ制作がポピュラーになってきています。動画・コンテンツ制作によるインバウンド対策やインバウンド集客のメリットとしては、多くの情報を伝えながらも、顧客のイメージに残りやすいということがあります。伝えたい情報を写真や画像などよりも一度に多く発信できるためその分それぞれのアニメ・マンガの色がはっきりと出やすく、工夫を凝らした動画・コンテンツ制作が求められています。
ここでは、アニメ・マンガという業界・業種における動画・コンテンツ制作の各社の事例を元にして、効果的な動画・コンテンツ制作を活用したインバウンド対策やインバウンド集客のケーススタディーをしてみます。それでは見ていきましょう。
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2014年3月、東京ビッグサイトで国内最大級のアニメ展示会「AnimeJapan(アニメジャパン)2014」が開催され、参加団体には地方自治体や商工会などもみられました。参加した自治体の多くは、アニメやマンガの舞台になった町を訪れる“聖地巡礼”をPRしていました。
それまで聖地巡礼が行われ始める流れとしては、アニメーション制作会社によって制作されたアニメが人気を集め、ファンがその舞台になった町を訪れるというのが一般的でした。つまり自治体は、自らの町がなんらかのアニメの舞台にならないかぎり、聖地巡礼に関する観光促進施策などを行うことはできませんでした。
しかしアニメジャパンでは、自治体がアニメ制作に携わり、自ら“聖地化”する動きもみられました。既存のアニメに頼らない、新しい“聖地巡礼ビジネス”が登場しています。
その一例として、アニメジャパンでは富山県南砺市が、市内を舞台にしたオリジナルアニメ「恋旅~True Tours Nanto」を紹介していました。同市を舞台としたアニメ「true tears」を手がけたアニメ制作会社が制作した作品で、同作が斬新なのは、作品の一部は同市内にいないと見ることができないというところです。視聴には位置情報を利用した専用のスマートフォンアプリが必要で、第1話の前編は全国で見られますが、後編は同市を訪れなければ再生できないようになっています。続きが気になるファンが同市を訪れ、“聖地巡礼”をしながら作品を楽しめるようにしたということです。
聖地巡礼を目的とした地方旅行はインバウンド人気も高いので、聖地巡礼に関連するビジネスはこれからも成長が期待されます。
ご当地アニメキャラが観光スポットを紹介/北海道石狩地域
同じく「AnimeJapan(アニメジャパン)2014」では、札幌市のデジタルコンテンツの制作を行う「ハートビット」のブースも“聖地化”をPRしていました。同社は、「北海道というブランドに、フランチェスカで更なる付加価値を!」というコンセプトのもと生まれた北海道石狩振興局の公式PRキャラクター「フランチェスカ」を手がけています。
「フランチェスカ」は“歌って踊れるアンデッド(ゾンビ)系アイドル”という設定のキャラクターで、北海道内では同キャラクターが登場するアニメが放送されていました。アニメには北海道にゆかりのある実在の人物が多く登場しました。
「フランチェスカ」は2014年には札幌市や千歳市など、石狩エリアにある8市町村の魅力を伝える北海道石狩振興局PRキャラクターに就任し、海外での北海道観光PRイベントなどにも参加しました。2014年には同キャラクターが北海道石狩地域の観光スポットを紹介するPR動画も公開されています。これからも国内外に向けて北海道の魅力を発信していくということです。
アニメの多言語対応はまだ課題ですが、アニメというコンテンツは日本のサブカルチャーの一部として訪日外国人にも人気があるので、アニメキャラクターを利用したPRは有効だといえそうです。