電車・鉄道はどうやって動画・コンテンツ制作をインバウンドに活用すべきなのか?
インバウンド市場が盛り上がる中で、電車・鉄道が動画・コンテンツ制作によってインバウンドで成功する事例が増加しています。このページでは、電車・鉄道の動画・コンテンツ制作のインバウンド対策やインバウンド集客における活用について、次の3つの事例を取り上げます。
- 電車・鉄道×動画・コンテンツ制作事例その①:沿線の観光地と協力しインバウンド向け動画制作/東武鉄道
- 電車・鉄道×動画・コンテンツ制作事例その②:沿線のアニメ会社と連携して制作/西武鉄道のPR動画
- 電車・鉄道×動画・コンテンツ制作事例その③:同時にインバウンド向け割引券発売でPR効果向上/西武鉄道のPR動画その2
近年プロモーションの方法として動画・コンテンツ制作がポピュラーになってきています。動画・コンテンツ制作によるインバウンド対策やインバウンド集客のメリットとしては、多くの情報を伝えながらも、顧客のイメージに残りやすいということがあります。伝えたい情報を写真や画像などよりも一度に多く発信できるためその分それぞれの電車・鉄道の色がはっきりと出やすく、工夫を凝らした動画・コンテンツ制作が求められています。
ここでは、電車・鉄道という業界・業種における動画・コンテンツ制作の各社の事例を元にして、効果的な動画・コンテンツ制作を活用したインバウンド対策やインバウンド集客のケーススタディーをしてみます。それでは見ていきましょう。
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「インバウンド動画制作」の資料を無料でダウンロードする「インフルエンサー」の資料を無料でダウンロードする「SNS運用」の資料を無料でダウンロードする沿線の観光地と協力しインバウンド向け動画制作/東武鉄道
東武鉄道は、日光の観光地や飲食店、寺院などと協力し、「A DAY IN NIKKO by TOBU RAILWAY」というインバウンド向けに日光をPRする動画を作成しました。この動画は、2018年JWL北関東インバウンドアワードにおいて、2018年の観光地 英語観光PR動画部門の「北関東グランプリ」を受賞しました。
動画は、外国人の旅人・ジョエルの日光での一日をテーマにしており、ジョエルのナレーションでときおりコメントもはさみながら展開されます。動画では、ジョエルがずらりと並ぶたくさんの地蔵と自然の調和が美しい栃木の観光地・憾満ヶ淵を訪れたり、座禅体験や酒造見学をしたりする様子が、ジョエル自身のコメントをまじえながら描かれます。その後ジョエルが温泉に入るカットがあり、そこで動画は終了します。
鉄道会社の動画ですが、電車は一度も登場しないというのが特徴的です。最後に「東京から電車でたったの2時間程で日本の伝統的な部分を存分に体験できました」というジョエルのコメントがありますが、全体を通して主にPRされているのは電車ではなく日光の魅力です。直接的に鉄道をPRしたり、鉄道のみをPRしたりするのではなく、その鉄道で行くことのできる日光という観光地をPRすることで、沿線の観光地や飲食店とともにインバウンドの集客につなげています。
沿線のアニメ会社と連携して制作/西武鉄道のPR動画
西武鉄道は、オリジナルアニメでインバウンド向けのPRを行っています。アニメ制作を依頼しているのは西武鉄道沿線のアニメ制作会社で、秩父を紹介するアニメを共同制作しています。2018年3月にWebで公開した30分のオリジナルアニメ『ちちぶでぶちち』は、アンパンマンやルパン三世の制作を行っている「株式会社トムス・エンタテインメント」が制作し、脚本は『ハイキュー!!』『僕だけがいない街』で知られる岸本卓が担当しました。
このアニメは、全席レストラン車両の西武 旅するレストラン「52席の至福」や秩父エリアの観光地「長瀞」、「秩父神社」、「羊山公園の芝桜」などを舞台に繰り広げられるラブロマンスです。約25分の本編と、1分ほどの短いプロモーションビデオが2つあります。PRのために作られたアニメですが、それを感じさせないストーリー性とクオリティの高さがあります。
日本語のアニメですが、英語、フランス語、中国語(繁体字)などの多言語字幕を作成し、匡を問わずさまざまな人に西武鉄道や秩父のことを理解してもらうことを目的として構成しています。7月フランスで開催された「japanexpo2018」においても、このアニメを活用して視覚的にプロモーションを行いました。
西武鉄道はほかにも、台湾で人気のキャラクターLAIMO(ライモ)と爽爽猫(ソウソウネコ)を活用したセリフのないアニメを制作して、沿線の魅力をPRしています。
同時にインバウンド向け割引券発売でPR効果向上/西武鉄道のPR動画その2
西武鉄道は、アニメ以外にもPR動画を制作しています。2014年、インバウンド向けに沿線の観光地である秩父・川越のPR動画を動画サイトYouTube上で公開しました。動画は英語・中国語・韓国語・タイ語の4カ国語に対応しています。動画はYouTubeでの公開のほか、海外の旅行博での上映、西武鉄道Web サイトの多言語ページ、訪日旅行を取り扱う旅行代理店への提供を予定しています。
動画内容は西武線沿線の観光地である、秩父・川越を散策する内容です。秩父へは池袋駅から西武鉄道の特急レッドアロー号「ちちぶ」で行くことができます。動画では、秩父が舞台になっているアニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の「聖地巡礼」や、食・温泉・神社仏閣巡りなどを楽しむ様子が映されます。川越へは西武新宿駅から特急レッドアロー号「小江戸」で行くことができ、歴史ある街並みを着物で満喫する様子が映されています。
また西武鉄道では、西武新宿駅または高田馬場駅から本川越駅までの特急レッドアロー号の往復乗車券と往復特急券をセットにした「川越アクセスきっぷ」や、訪日外国人客限定の割引券「SEIBU RAIL PASS」の発売も行い、このPR動画と合わせてインバウンド誘致のための施策を強化しています。