バスはどうやってSNS・ソーシャルをインバウンドに活用すべきなのか?
観光先で主要駅、観光地までの最寄り駅からの交通手段として重宝されるバスは、電車が走っていないエリアでも手軽に安い運賃で移動できる手段として人気です。また路線バス以外にも、完全に旅行をするためにだけに特化したものとして、いまだに高い人気を誇るツアー用の観光バス、自家用車での高速道路での移動、新幹線や電車に変わる都市間の割安な移動手段として人気の高速バスなど、日本国内では様々な形でバスが観光に活用されています。
こうしたバスに関しては、車体も小型、中型、大型のものまで各社からラインナップされており、車内の設備も、冷暖房完備、マイク放送設備、テレビDVDデッキなどの音響・映像設備、車両によってはトイレがあるもの、カラオケがあるもの、冷蔵庫があるもの、湯沸かしがあるものもあり、最近ではWi-Fiが装備されている車両も出てきており、長距離を移動することがどうしても多くなる高速バスの中には、特別な形式のシートを備えた車両も増えてきました。
日本では昔からこうした形で観光バス、長距離バスの人気が高く、多くの日本人観光客に利用されてきましたが、近年では訪日外国人にもこうした観光用のバスの人気が出ており、新幹線やレンタカーなどの代わりに高速バスを使用しはじめました。訪日外国人向けに英語でのアナウンスが可能なバスガイドが添乗する観光バスツアーが増えてきた事などももあって、様々な形で訪日外国人がこうした観光バスを利用するようになってきています。こうした背景もあり、訪日外国人にしっかりと母国語で接客をするために、各サービス事業者からはバスガイドと訪日外国人の会話や意思疎通を円滑にする指差し会話ツールに代表される各種ツール、翻訳ツールや翻訳アプリなどの様々なツールが登場しています。
同じくツールという意味ではSNS・ソーシャルに関しても各バス会社が積極的に運用を開始しているもので、それぞれが国内、海外からの観光客に向けてプロモーションの手段としてSNS・ソーシャルを活用しています。その中から、高速バスで有名な「WILLER株式会社」のSNS・ソーシャル活用事例、そしてもう1つは東京や横浜などで観光バスツアーを展開する「はとバス」のSNS・ソーシャルの活用事例、 様々な観光バスツアーを企画しているH.I.Sグループの「株式会社オリオンツアー」によるSNS・ソーシャル活用事例について見ていきましょう。
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「WILLER株式会社」は1994年に大阪府大阪市北区で設立された第1種旅行会社「西日本ツアーズ株式会社」が前身の会社です。 主に首都圏と京阪神を結ぶツアーバス「Star Express」が通常の高速バスよりも安価でサービスを提供していたこと、インターネットを活用した予約システムが人気となって人気となりました。現在では東京、大阪、名古屋、仙台発着をはじめ全国の主要都市を結ぶ高速バス、東京ディズニーリゾート、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン、富士急ハイランドなどの各種アミューズメント施設へのツアーバスのほか、宿泊プランとセットになったバスツアーなども取り扱っています。
複数のSNS・ソーシャルアカウントを使い分けて運用
「WILLER株式会社」では現在LINE、Facebook、Twitter、Instagram、Google+、YouTubeといったSNS・ソーシャルアカウントを運営しています。 この中で、LINEアカウントでは最新SALE情報はもちろん、WILLERのお得な使い方や、おもしろ豆知識などを発信しています。Facebookページでは、サイトでは紹介されない商品開発の裏話や、Facebook限定キャンペーン・クイズなど、いろいろな情報を投稿しており、写真を上手に活用することで車両やシートの情報などを発信しています。またFacebookページでは、「新潟」にまつわる川柳を対象投稿にコメントするだけで、味噌、糀、お酒など新潟の美味しい商品がもらえるキャンペーンなどを実施しています。
また情報の頻度という意味ではTwitterアカウントで最新情報をいち早く発信しているほか、写真を活用した旅行プランの紹介などを行う他、日本を始め海外でも爆発的なヒットを記録した「君の名は。」のカフェバスの運行開始を記念したフォトキャンペーンなどを開催していました。これはカフェバスの外観や車内を撮った写真と指定のハッシュタグをつけてインスタグラムやTwitterに投稿すると、「君の名は。」グッズを抽選でプレゼントするというもので、ファンを上手く巻き込んだキャンペーンの参考例となるでしょう。
Instagramではバスやツアーの紹介というよりは観光先の写真をメインに運用しているようですが、先程の「君の名は。」に関連したキャンペーンなどのほか、 利用者が思う「クリスマス世界の写真」を指定のハッシュタグをつけてインスタグラムに投稿すると、特典がもらえるといったキャンペーンなどを過去に開催しています。
「はとバス」のSNS・ソーシャル活用事例
「はとバス」は東京都内・神奈川県内で定期観光バス、貸切バスを運行している会社で、創業はなんと1948年8月にまでさかのぼります。現在の社名になったのは1963年で、現在は資本金の37.9%を東京都が出資している会社です。「はとバス」の主力事業は定期観光バス、貸切観光バス事業、バスツアー事業で、2003年4月より東京都内の都営バスの一部の業務受託、神奈川県内でも路線バスの運行などを行っています。
観光バスとしてイメージが定着したのは、1958年12月23日に完成した東京タワーを巡るコースが組み込まれてからと言われています。そして国内観光のニーズ多様化を受け、ボウリング、ゴルフなどのレジャーを対象にしたもの、大相撲やナイター観戦などを対象にしたものなども登場、1964年の東京オリンピックでは、オリンピックの観戦もコースに組み込んだ「オリンピックコース」が登場しています。
訪日外国人向けの観光バスツアーの歴史もまた古く、元々はGHQの米国軍人を対象に東京観光を英語で行うツアーが誕生、その後英語コースだけではなく、中国語コースを2005年に設け、都内バスツアーコース、郊外バスツアーコース、訪日外国人に人気の富士山、フルーツ狩り、バイキングなどの様々なコース旅行をバスで楽しめるツアー商品のラインナップを増やしてきました。
FacebookページとTwitterで各旅行商品を丁寧に解説
「はとバス」では現在FacebookページとTwitterによるSNS・ソーシャルアカウントの運用に力を入れているようで、Facebookページには20,213人の「いいね!」がついており、フォロワー数は20,506人となっています。Facebookページでは主にツアーの詳細プランの説明、そしてその旅行商品のURLへリンク、観光先を写真で紹介、該当の旅行プランや旅行先をハッシュタグをつけて紹介するなどの方法でFacebookページを運用しています。
TwitterアカウントではFacebookページに似たような形でツアーの詳細情報の投稿に、そしてそこからの旅行商品へのリンク、そして複数枚の写真投稿という運用スタイル。こちらも文字制限のあるTwitterに合わせて、Twitterの場合は文字数を調整して工夫して運営している様子が見て取れます。言葉でいくらでも語れるFacebookページと異なり、写真による最初のインパクトそしてわかりやすい文章がTwitterアカウントの特徴と言え、短い言葉で十二分に魅力が伝わるようになっています。
スポーツ系ツアーに強み「株式会社オリオンツアー」のSNS・ソーシャル活用事例
株式会社オリオンツアーは、東京都中央区に本社を置く、H.I.Sの100%子会社です。主なツアー商品としては国内スキー、都市間ツアーバス(オリオンバス)、沖縄ダイビング、北海道ゴルフ、その他に航空機利用の各都市周遊&滞在型フリープラン商品で、スキー、ダイビング、ゴルフなどのスポーツ系のツアーを持っているというところが特徴のバス会社です。こういった特徴は旅行会社を親会社に持つという背景が影響しているのでしょう。
それ自体がコンテンツとして成立するスポーツ系ツアーを全面に打ち出した運用スタイル
株式会社オリオンツアーのSNS・ソーシャルの運用に関しては、やはりこうしたスキー、ダイビング、ゴルフなどのスポーツ系のツアーを持っていることから、こうしたスポーツの行き先に関する情報、現地に行かないとわからないお役立ち情報などの投稿が目立ちます。スキーに関しては各地のゲレンデの情報を写真、コメント、動画などを使って伝えており、こうした地方でのイベント情報、ツアー情報を伝えています。ダイビングに関しては沖縄や伊豆などダイビングスポットならではの事情、気象に関する情報、おすすめのスポット、ツアー内容などの情報が投稿されています。
Facebookページの運用方法としては、イベント詳細を文字、写真で伝えつつ、URLに誘導する形が多いようで、あまりハッシュタグの活用はしていないようです。しかし、元々SNS・ソーシャルと相性が良いスキー、ダイビング、ゴルフといった写真映えするコンテンツが中心ですので、それ自体が大きな魅力になっていると言えるでしょう。
Twitterアカウントに関しては多くがツアー情報、観光地に関するもので、わかりやすいキャンペーン、ツアーの説明、もしくは観光地の魅力を伝える画像を補足するテキスト、そしてホームページへのリンクが記載されています。ホームページに飛ぶとツアー情報、観光地のさらなる詳細情報を確認可能で、その先からツアーの選択、予約に進むことができる作りとなっています。さらにハッシュタグもしっかりと活用し、こうしたキーワードで興味を持っているユーザーの集客にも役立っていると言えるでしょう。またTwitterアカウントにおいてはスキーで有名な北海道、ダイビングで有名な屋久島や沖縄、伊豆など、季節が大いに影響するスポーツであるからこそ、その季節の「旬」の情報をしっかりと届けることを意識して運用しているようです。