電車・鉄道はどうやってインバウンドにおいて多言語化・コミュニケーション対応に取り組むべきなのか?
インバウンド市場が盛り上がる中で、電車・鉄道が多言語化・コミュニケーションによりインバウンド集客する事例が増えています。電車・鉄道の多言語化・コミュニケーションの成功事例では、効果的にプロモーションを行えています。このページでは、電車・鉄道のインバウンド対策やインバウンド集客における多言語化・コミュニケーションについて次の3つの事例を取り上げます。
- 電車・鉄道×多言語化・コミュニケーション事例その①:京浜急行電鉄株式会社:翻訳システムを導入し多言語案内をサポート
- 電車・鉄道×多言語化・コミュニケーション事例その②:JR東⽇本グループ:タブレット端末の導入で多⾔語案内体制の強化
- 電車・鉄道×多言語化・コミュニケーション事例その③:ゆりかもめ:「おもてなしガイド」を活用した多言語案内の実証実験をスタート
電車・鉄道の多言語化・コミュニケーションによるインバウンド対策やインバウンド集客には、顧客層を広げられるというメリットがあります。訪日外国人は日本語を読めない人がほとんどなので、日本語だけの対応では訪日外国人を取り込むことは難しくなってしまいます。また海外向けにプロモーションを行っても、対応が日本語だけではその効果が薄くなります。多言語化・コミュニケーション対策は訪日外国人対応をする上で必須といってもよいでしょう。
近年の訪日外国人急増を受け、インバウンド対策として多言語化・コミュニケーション対策を真っ先に行ったところも多くありました。しかしその方法はさまざまです。ここでは、電車・鉄道という業界・業種における多言語化・コミュニケーションによるインバウンド対策事例を見ていきましょう。
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「翻訳業務」の資料を無料でダウンロードする「多言語化表示サービス」の資料を無料でダウンロードする「多言語サイト制作」の資料を無料でダウンロードする京浜急行電鉄株式会社:翻訳システムを導入し多言語案内をサポート
京浜急行電鉄株式会社、NICT、株式会社ブリックス、株式会社日立製作所および株式会社日立超エル・エス・アイ・システムズは、2016年7月から、鉄道分野における多言語音声翻訳サービスの性能向上および運用性向上を目的とした共同研究を行ってきました。
京急電鉄では、共同研究の成果を活用して日立超LSIシステムズから提供予定の、駅係員による訪日外国人への多言語案内をサポートする対話型の音声翻訳クラウドサービスを2018年4月から試験導入、7月初旬に京急線全駅(泉岳寺駅を除く)に本格導入します。これはNICTの「VoiceTra(ボイストラ)」をベースとする音声翻訳エンジンを使用し、鉄道分野での具体的なニーズに対応する様々な機能を搭載した本格的な商用サービスであり、鉄道会社が導入するのは日本ではじめてとなります。
京急電鉄、NICTおよびブリックスが京急線全駅(泉岳寺駅を除く)で実証実験を行った共同研究用アプリケーション「鉄道通訳」の成果と、これを活用して、京急電鉄、NICT、ブリックス、日立および日立超LSIシステムズが京急線17駅で実証実験を行った検証用アプリケーション「新鉄道通訳」の実証実験の成果を活用し、日立超LSIシステムズが開発する対話型の音声翻訳クラウドサービスです。
多機能翻訳アプリケーションをタブレット端末などにインストールすることで簡単に使用でき、訪日外国人への多言語案内をサポートします。
対応言語:日本語、英語、中国語(北京語)、韓国語
JR東⽇本グループ:タブレット端末の導入で多⾔語案内体制の強化
JR 東⽇本グループでは、訪⽇外国⼈観光客をはじめ、外国語を⺟語とするお客さまに安⼼、快適に電車を利用してもらうことを目的に、多⾔語による案内体制の強化に取り組んでいます。
災害時の避難誘導や輸送障害時の機動的なご案内を充実させるため、2016年3⽉より⼀部駅などで試⾏的 に導⼊していた、4⾔語(⽇英中韓)での⾳声情報、⽂字情報で情報提供を⾏うアプリケーションについて、試⾏の結果を踏まえ、JR東⽇本管内のタブレット端末が配備されている全駅、全乗務員(⾞掌・運転⼠) 区所に導⼊の拡⼤を実施することになりました。
また、駅や⾞内でのスムーズなご案内を実施するため、これまで10時〜18時の間に対応していた業務⽤の多⾔語電話通訳について、株式会社ブリックスの協⼒を受け、24時間対応。
タブレット端末から発信される⾳声情報、端末画⾯に表⽰される⽂字情報により、駅係員・乗務員が 輸送障害時のご案内、災害時の避難誘導などを⾏います。また、駅や⾞内において、⽇本語でのご案内が難しいお客さまに対し、駅社員・乗務員が通訳センター(㈱ブリックスが 運営)に電話し、オペレータを介してご案内。
対応⾔語 ⽇本語、英語、中国語(北京語・簡体字)、韓国語
また、訪⽇外国⼈観光客のインターネット接続環境へのニーズに応えることを目的に、「成⽥エクスプレス」(N’EX)⾞内において、無料公衆無線LANのサービスを開始。象編成(全22編成)では、これまで駅構内で利用していたサービスも、成⽥エクスプレス⾞内でも利用できます。さらに、株式会社NTT データと提携し、株式会社NTT アド・株式会社JTB 総合研究所の提供している無料アプリ「Japan Travel Guide」内でグループの鉄道利用案内やエキナカ・ショッピング情報、東北観光推進機構の観光情報などの提供もスタート。
ゆりかもめ:「おもてなしガイド」を活用した多言語案内の実証実験をスタート
ゆりかもめは2018年4月28日、ヤマハが開発したシステム「おもてなしガイド」を活用した多言語案内の実証実験を開始しました。実験は八幡電気産業の技術協力のもと実施されており、2019年2月下旬まで予定されています。
「おもてなしガイド」は、自動案内放送の日本語アナウンスを、スマートフォンなどの画面で、多言語に翻訳された文字としてリアルタイムに確認できるサービスです。訪日外国人の乗客をはじめ、音を聞きづらい利用者も、放送内容を文字で確認することが可能となります。なお、実証実験が実施されているのは7300系の「31」編成と「33」編成です。
サービスは、スマートフォンなどにあらかじめ「おもてなしガイド」アプリをダウンロードしておくことで利用できます。自動案内放送の日本語アナウンスを、お手持ちのスマートフォンなどの画面で、多言語 に翻訳された文字としてリアルタイムに確認できるサービスです。本サービスにより、訪日外国人をはじめ、音を聞きづらい乗客も、放送内容を文字で確認するこ とが可能となります。
対応言語(13カ国語)
日本語、英語、繁体字と簡体字の中国語、韓国語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、タイ語、タガログ語、ベトナム語、マレー語、インドネシア語