訪日米国人観光客の消費動向:買い物よりも体験にお金を使う傾向

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日本企業の米国進出、米国の文化の日本への影響と、米国抜きには語れない日本。インバウンド消費が盛んになる中、欧米圏からは訪日米国人観光客がその消費額とともに群を抜いて多く、世界各国からの訪日外国人観光客の中でも第5位となっています。

外国人旅行客のさらなる誘致を計っていきたい日本にとって大口のお客様といえる訪日米国人観光客は日本滞在中、何に費用を支出しているのでしょうか。その消費動向を観光庁発表の平成27年訪日外国人観光客消費動向調査より探っていきましょう。

 


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訪日米国人観光客のインバウンド消費の概要

訪日米国人観光客全体では1,814億円、各国全体3兆4,771億円の5.2%を占め、1人あたりの旅行消費額は平均で175,554円と各国全体の平均とほぼ同等です。日本滞在中の消費の主な内訳は、宿泊料金89,085円、飲食費41,002円、交通費30,599円、娯楽サービス費17,945円、買い物代36,753円となっています。

訪日米国人観光客のインバウンド消費の主な特徴

訪日米国人観光客の平均泊数は、主要訪日外国人観光客の中ではもっとも長い14.7泊(全体の平均は10.2 泊)であるものの、1人当たりの旅行消費額は欧米圏の中では少なめの175,554円となっています。

宿泊料金と娯楽サービス費は他国よりもやや多く、交通費と買い物代はやや少ない傾向があります。飲食費は欧米圏の中では平均並みで満足度が高いのが寿司です。

 

訪日米国人観光客のインバウンド消費の詳細

宿泊施設は洋室中心のホテルが顕著に多く81.8%の訪日米国人観光客が利用しています。また、和式の旅館の利用率は22.5%です。交通機関は鉄道の利用が68.4%と高くなっていますがJapan Rail Passの利用率が高く、鉄道に15,204円、Japan Rail Passに31,522円と、これをうまく活用して交通費を節約している様子がうかがえます。

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娯楽サービス費と買い物代の消費動向

欧米圏からの訪日外国人観光客は、各国全体と比べて美術館・博物館・動物園・水族館の利用率が高く、訪日米国人観光客も例外ではありません。各国全体の平均が18.9%に対し訪日米国人観光客の39.3%が美術館・博物館・動物園・水族館を訪れています。

ゴルフ場やスキー場などスポーツ施設の利用はスキーがやや高めの利用率(4.4%、全体は1.5%)です。舞台鑑賞・スポーツ観戦は各国全体の平均(1.9%)よりも大幅に高い7.2%となっています。また買い物への消費は食料品・飲料・酒・たばこが64.7%と多く、日本酒を飲んだ訪日米国人観光客(62.1%)の満足度(95.5%)から、日本酒の購入率が高いと見られます。

 

消費動向からわかる訪日米国人観光客の特徴

インバウンド消費の動向から日本では買い物もするが、むしろ観光として観るべきポイントや楽しむべきポイントを求めて来ている様子がうかがえます。日本酒など日本独特のもの、また美術館・博物館・動物園・水族館などの各国共通の観光スポットなどへの消費が目立ちます。

日本の伝統文化への期待が高い訪日米国人観光客

訪日米国人観光客が訪日前に期待してたことは、日本食(83.4%)、買い物(50.7%)、日本酒(41.8%)、日本の歴史・伝統文化(52.1%)、旅館に宿泊(28.7%)、日本のポップカルチャーを楽しむ(19.1%)です。

この中で「買い物」以外の日本独自の文化を示す項目の期待度は各国平均を上回っており、それが実際に商品やサービスへの消費に結びついているかどうか再検討してみる価値があると言えるでしょう。

 

まとめ:訪日米国人観光客からのインバウンド消費は充分か

サムライ・ニンジャなど日本の歴史的伝統文化に関心が高い訪日米国人観光客です。平成27年には寿司などの日本食日本酒インバウンド消費につながっており、後は和服や民芸品の購入なども見られます。

しかし、訪日米国人観光客の買い物代金はやや少なめであり、訪日の期待に対して旅館の利用率はやや低いなどの状況も見落とせません。関心はあっても手を出しにくい理由が何かあるのか、望む形の商品提供ではないのか、今後のインバウンド消費拡大の検討課題がありそうです。

<参照>

訪日米国人観光客インバウンドデータ集

データでわかる訪日アメリカ人観光客

ニューヨーク人口密度は1,800人/km2(日本でいうと東京の1/3くらい。埼玉と同じくらいの人口密度)。国全体の人口密度は33.7人/km2(日本でいうと東京の1/200くらい。北海道の1/2くらいの人口密度)

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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