今月のJNTO(日本政府観光局)の発表によれば、今年9月までの訪日外国人観光客数は1797.8万人。このペースで行けば、来月には昨年2015年の年間地1973.7万人を突破し、今年の年間地は2500万人前後まで到達しそうな見込みです。
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訪日客消費額が前年比マイナス…ってホントに?現地通貨ベースでは消費額上昇、原因は「コト消費」ではなく為替にあり!!
観光庁は先日10月19日、訪日外国人消費動向調査の平成28年7-9月期の結果において、訪日外国人旅行消費額が前年同期比2.9%減少で9,717億円だったことを発表しました。前年同期比での減少は平成23年10-12月期以来4年9ヶ月ぶりです。観光庁によれば、訪日外国人観光客の1人あたり旅行支出は155,133円で前年同期比17.1%減少。しかしながら、訪日外国人観光客数は前年同期17.1%増加で626万人になっており、総額の減少幅は2.9%にとどまりました。訪日外国人観光客1人あたりの旅行支...
着々と増えつつある訪日外国人観光客に対して、あらゆる受け入れ体制整備・インバウンド対応が急ピッチで進められているものの、現状では手が回りきっていない印象です。特に、インバウンド対応に未着手、ないしまだ受け入れ体制の整備が進んでいない一般小売店や宿泊業、サービス業においては、訪日外国人観光客相手の接遇・接客で四苦八苦なのが現状でしょう。
今回は、そんな状況のソリューションとして、外国人スタッフを雇用するメリットについて解説していきます。
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インバウンド対策として外国人を雇用することのメリットとは。
一般の小売店や宿泊業、サービス業などが受け入れ体制強化・インバウンド対策として外国人を採用・雇用する場合、言語対応対策になるのはもちろんのこと、様々なメリットを享受できます。
1.完璧な言語対応ができるというメリット
外国人雇用の1番のメリットと言っても過言ではないのが、言語対応でしょう。接客や接遇にあたって、言葉の使い方による微妙なニュアンスの違いを、外国語を習得している日本人が判別して使い分けるのは、なかなか難しいものです。
また、日本語と同様に外国語にも方言は存在しています。英語はアメリカ英語、イギリス英語、オーストラリア英語と、国ごとで発音に違いがあるだけでなく、アメリカ国内でも地域ごとにイントネーションの違いなどがあり、標準的なアメリカ英語で学習した日本人には、聞き取れないこともあります。
特に中国語は、いわゆる標準語である「普通話」も存在するものの、地域ごとの方言による発音、イントネーションに大きな違いがあります。やはり訪日中国人観光客に対する接遇・接客には中国人を雇用した方がスムーズなコミュニケーションが図れるというメリットがあります。
2.深い文化の理解があるというメリット
言語の違いは文化の違いと言われる様に、例えば、アメリカ英語に精通している人材でなければアメリカの文化を完璧に把握することは難しいものです。そのため、外国人を雇用することによって、母国と日本、二つの文化を理解した人材が訪日外国人観光客に対して接遇・接客することによって、より満足度の高いおもてなしをすることが可能になります。
また、訪日外国人観光客の国籍・出身地によって、商品や観光スポットに対して「何に魅力を感じているのか」は全く違っています。更に、「日本人が魅力として伝えたいこと」と「訪日外国人観光客が知りたいこと・魅力に感じていること」に大きな差があることもよくあることであり、双方の事情を理解した外国人スタッフを雇用することは、このギャップを埋める作用もあります。
3.訪日外国人観光客の母国の習慣に、よりフィットした接遇・接客ができるメリット
前項の文化の理解に通ずるところもありますが、訪日外国人観光客の母国によって、接遇・接客時の対応の仕方は大きく変わります。日本人相手の接客・接遇時には、積極的なアプローチが嫌がられることも多いですが、他国では消極的な接客はマイナスと出てしまう場合があります。
小売店を例にするのであれば、例えば訪日中国人観光客相手の場合は、購買意欲のポイントは「どれだけ中国より安く買えるか」「どれだけ中国で有名な商品か」であることが多いです。なぜなら、帰国後「こんなに有名な日本製品をこれだけ安く購入できた」ということが一種のステータスとなるためです。
他には、訪日タイ人観光客相手の場合はSNSの拡散がキーポイントになるなど、接遇・接客の際の勘所は様々です。これらの違いに対応すべく、その国の文化に精通した外国人スタッフを雇用することは、売上アップに相応なメリットがあると言えます
4.外国人スタッフの母国でのネットワーク活用、ヒアリングに関するメリット
外国人スタッフを雇用することで、外国人スタッフの母国へのネットワークに容易にアクセス可能になるというメリットがあります。このネットワークとは、商談化するようなビジネス的なものだけに限らず、インバウンド対応としては、通常の友人関係も非常に有用になります。
インバウンドビジネスをするにあたって、ターゲットとしている訪日外国人観光客の母国の文化や習慣の情報を取得することは非常に重要です。その情報を取得するためにも、雇用した外国人スタッフはもちろんのこと、その交友関係からの情報は、信頼できる情報源としてインバウンド対応に活用可能となります。
また、ターゲットとしている訪日外国人観光客が、自社の製品、取扱商品、観光スポットのどこに魅力を感じるのか、といったヒアリングをすることによって、プロモーションや次の商材の開発に活用できます。
5.組織の活性化、日本人スタッフの外国人慣れというメリット
外国人スタッフを雇用することで、日本人スタッフに刺激を与え、組織の活性化ができ、また外国人慣れを促すことができます。
多くの訪日外国人観光客は日本人とのコミュニケーションを望んでいます。日本人が海外旅行に行く場合を考えれば、想像に難くないのではないでしょうか。海外旅行にいって「一切現地の人と喋りたくない、関わりたくない」という観光客は珍しいものです。
しかしながら、日本人の多くは、外国人に対して苦手意識があります。そのため、訪日外国人観光客に対して、どのように接遇・接客をしたらよいのかに悩み、消極的なアプローチないし放置状態になりがちです。
外国人スタッフを雇用することは、日本人スタッフに「外国人慣れ」を効果的に促すことができ、上記の状態を解決しうるメリットとなります。一緒に働く仲間とあれば、どうしてもコミュニケーションをとらざるを得ない状況になります。また、仲間であるからこそ、赤の他人である訪日外国人観光客と違い、コミュニケーションをとる障壁は比較的低くなります。
このコミュニケーションを通じて、日本人スタッフの訪日外国人観光客に対する恐怖心・不安を徐々に解消することによって、日本人スタッフも訪日外国人観光客によりよいおもてなしをすることが可能になります。
更に、雇用した外国人スタッフの接遇・接客を見て学ぶことにより、訪日外国人観光客に対するノウハウが蓄積できるというメリットもあります。前述の3項でも解説したように、訪日外国人観光客の母国によって、適切な接遇・接客は異なります。それぞれの国に、よりフィットした対応をすることで、訪日外国人観光客の満足度が高まり、売上に繋がっていきます。
まとめ:外国人スタッフの雇用は、訪日外国人観光客の満足度向上、それに伴う売
上げアップが期待できる
「インバウンド対応」とは、言語対応だけにとどまりません。受け入れ体制の整備でいえば、言語対応、決済対応、食の対応、そしてビジネスとしては、プロモーション、マーケティング、商品企画などなど、インバウンドビジネスを成り立たせるには、新しい事業を始めるのと同様のプロセスが必要になります。
通常の事業設計でも重要視されるのが「顧客のニーズ」です。しかしながら、インバウンドにおいては「日本人が伝えたいこと」を伝えがちであったり、とりあえずの言語対応にとどまったりしがちで、ターゲットとしている訪日外国人観光客のニーズや、文化、特徴などの理解、研究、調査まで手が回っていない印象です。
そのような状況において、外国人スタッフを雇用することは、言語対応だけでなく、ターゲットとしている訪日外国人観光客の理解に大いに役立つというメリットがあり、訪日外国人観光客の満足度向上、それに伴う売上げアップが期待できます。
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