飲食店のための国籍別インバウンド対策・おもてなしポイント:訪日インド人観光客編

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日本人のアウトバウンドとしても観光地としてコアな人気を誇るインド。日本政府観光局JNTO)の発表によると2016年に日本を訪れたインド人は123,000人で、2015年の103,084人に対して19.3%増となっており、近年20%弱のペースで訪日数を伸ばしている市場です。

彼らが観光で訪れるのは東京、神奈川県、大阪府、千葉県などの大都市圏に集中しています。インド人で日本を訪れる人(外国旅行が出来る人)は、ほとんどが都心部に住む富裕層と言えます。

インド人をおもてなしする上では、宗教別に何を食べられないのかという事の把握が非常に重要となりますが、インド人の中で信仰されている宗教はヒンドゥー教(約81%)、イスラム教(約 13%)、キリスト教(約 2%)、シク教(約 2%)、仏教(約 1%)ジャイナ教(約 0.5%)という構成となっています。それではインド人をおもてなしする上でのポイントを見ていきましょう。

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インド人の食事に対する考え方

  • 何よりもまず宗教上の制約が食事においては重要視される。ヒンドゥー教やイスラム教で食に関する規律が非常に厳格である。
  • ベジタリアンとノンベジタリアンを厳格に区別する。一般的にヒンドゥー教徒、ジャイナ教徒はベジタリアン、イスラム教徒とキリスト教徒とシク教徒はノンベジタリアンであることが多い。
  • ヒンドゥー教徒は穢れ(けがれ)に対する意識が非常に強い。食べ物、他社の穢れが自らに接触することを極端に嫌がる。血液、唾液を通じて不浄が伝わると考えており、使い捨ての食器が最も清潔であるという感覚がある。
  • ジャイナ教徒は不殺生が最も重要な教義とされ、掘り起こす際に昆虫を殺す可能性があるという理由で根菜類も食べない。
  • 観光目的であっても自らの文化である食習慣を厳格に守ろうとする人が多く、そうした理由から海外旅行に行けないという人も存在する。

インド人の食事の際のマナー

  • 伝統的には食事は座って食べるもの
  • 自分の皿によそわれたものは不浄が感染しないように他人に取り分けてはいけない。
  • 共有の大皿から取り分ける際は、自分の食器が触れないようにする。
  • 左手は不浄とされているため、食事の際、相手に料理を取り分ける際などは右手を使う。
  • スープ、麺類を食べる時は音を立てるのはマナー違反。
  • 目上の人と食事をする際は相手を敬って食事をする。

インド人に好まれる日本食

  • ベジタリアンにもノンベジタリアンにも人気があるものとして野菜天ぷらがある。ただし厳格なヒンドゥー教徒、ベジタリアンの場合、魚類と同じ油を使用した天ぷらは嫌がる場合がある。
  • ノンベジタリアンの場合、火を通したエビ料理の他、焼き鳥を好む場合が多い。
  • 商用目的のインド人の場合、ビールよりもウイスキーを好む傾向が強い。

インド人に嫌われる食事内容

  • 寿司、刺し身、魚介類全般など生ものが食べられない人が多い。
  • 納豆が食べられない人が多い。
  • 日本米はインド米と食感が異なるため、好まない人が多い。
  • 鍋料理、すき焼き、しゃぶしゃぶなど複数人で1つの鍋を箸でつつくというスタイルの料理は食べられない。

訪日インド人観光客に喜んでもらうには?

  • 宗教の違いによって食べられるものが異なる場合がほとんどなので、必ず事前に何が食べられないのかを確認する。
  • 天ぷらを提供する場合、可能であれば魚介類を揚げる鍋と野菜を揚げる鍋を分ける。
  • 北インドの料理に近づけるため、練りワサビを料理に好んで使う人もいるため、提供出来る用意をしておいたほうが良い。
  • 食事には必ず甘いもの(菓子、デザート)を含めるほうが良い。食事に招待する際などは甘いものがないと失礼と捉えられる。
  • 米料理は可能であればインディカ米を使用する。全体的に湿り気のある米ではなく、パサパサした米を好む。

訪日インド人観光客への情報提供の仕方

  • メニューに材料の表記をしてあげる、もしくはどんな素材を使用して調理を行うのかなどを説明してあげると、安心を与えることが出来る。
  • 相手の宗教、ベジタリアンかノンベジタリアンかを把握して、それに対応出来るような形でメニューを案内してあげると喜ばれる。
  • 日本の電化製品に強い憧れを持っている人が多い。安く買える店、家電量販店の情報などを教えて上げると喜ばれる。

訪日インド人観光客に関するその他の注意点

  • 頭は神聖なものだと考えられている。子供の頭であってもむやみに触らないほうが良い。
  • 女性が肌の露出が高い服を着るのははしたないと思われる。

<参考>

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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