2018年の年間の訪日外国人数では、東南アジアではタイの113万2,100人がトップとなりました。
次いでフィリピンの50万4,000人、そしてマレーシアは46万8,300人を記録しました。
これらトップ3の共通点はいずれも各国の過去最高の数字を記録しています。
今回はマレーシアのSNS(ソーシャルメディア)利用状況やプロモーション施策に焦点をあてて紹介します。
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マレーシアのインターネット事情・利用状況
日本のインバウンド市場において、ASEAN諸国は増加傾向にあり、まだこれから開拓の余地がある重要な位置付けとなっています。
インバウンド施策のひとつとしてプロモーションするにあたり、マレーシアのインターネット事情など把握してみましょう。
マレーシア人の80%がインターネットを利用
マレーシア人のインターネット事情で把握すべき点として、まず普及率の高さといえます。
海外の統計サイト「Digital 2019」によると、マレーシア人の80%がインターネットを利用していることがわかります。
この数値は世界平均値57%に比べて、非常に高い数値といえます。また、インターネット利用者数と同じ割合で、SNS利用者数は78%にまでのぼり、前年比から100万人の利用者が増えています。
これらの数値から、マレーシア人のインターネット普及率の高さだけでなく、同じく高い割合でSNSを利用する傾向にあることがわかります。
マレーシアの人気SNSランキング
インターネットおよびSNSの普及が非常に高いマレーシアでは、どのようなSNSが人気なのでしょうか。
日本ではあまり馴染みのないSNSがトップに食い込むなど、プロモーション施策において把握すべき内容になっています。
海外の統計サイト「Digital 2019」が発表する利用状況データをもとに紹介します。
1. SNSトップはYouTube、メッセンジャー機能はWhatsAppに軍配
海外の統計サイト「Digital 2019」によると、マレーシア人が最も使用しているSNSは、利用者回答93%のYouTubeです。
その次には。91%でWhatsAppがランクインしています。FacebookもWhatsAppと同じく利用者率が高いSNSとして台頭をみせていますが、Facebookの普及率に対してWhatsAppと同じくメッセンジャーとして使われるFB Messengerの普及率は64%に留まります。よりシンプルなツールが好まれる傾向があるのかもしれません。
メッセンジャー機能としてWhatsAppを利用し、Facebookは交流や情報収集ツールとしてそれぞれの機能によって使い分けていると考えられます。
2. SNS部門2位Facebook、3位はInstagram
SNS部門で2位はFacebook、3位はInstagramでした。それぞれ91%、70%の利用率です。
Instagramといえば、日本でも2,500万人が利用している人気の高いSNSとして知られています。実は、アジア太平洋地域で利用者数No.1はマレーシアとなっています。
Facebookは現実社会でつながりのある人物と交流したり、企業や組織の発信をチェックする人も少なくありません。
対してInstagramの特性は、写真やストーリー、ライブ配信などを通じ、アカウント独自の世界観の発信、主張に特徴があるSNSです。またハッシュタグで共通の関心を持つユーザーを見つけ出すことができ、面識のない間柄であっても、その更新内容をフォローすることも珍しくありません。
3. SNS利用者の半数以上を若年層が占める
調査によれば、マレーシアのSNS利用者数全体の60%は18~34歳の若者であることがわかります。
このデータをふまえて、訪日マレーシア人の年齢層をみてみると、JNTOのデータでは2017年訪日マレーシア人の年齢別構成において、男女それぞれ20~30代が約3割を占め、全体の約6割を20~30代が占めています。
訪日マレーシア人の多くは、SNSを日常的に利用している可能性が高いといえます。
ASEAN諸国の旅行人口増加!SNS対策が重要に?
ASEANに属するマレーシアの訪日旅行の動向も増加傾向にあります。JNTOのデータによると、2012年当時、約13万人であったのに対し、2017年は約44万人超となり、ここ6年間で訪日マレーシア人数は、右肩上がりに増加しています。そのうち、約半数が初来日で約半数がリピーターとなり、まだ開拓の余地があるといえます。また、マレーシアから日本への旅行者の多くは20〜39歳であるため、インターネットを多く利用している若い世代の旅行者に向けたSNSマーケティングが重要になってきます。
とはいえ、SNSマーケティングで重要なことは、プロモーションしたい店舗や商品とSNSの特性がマッチしているかという点です。ここではInstagramを活用した、マレーシアのSNSで人気となるコンテンツ事例を紹介します。しっかりポイントを抑えて、効果的なプロモーションにつなげましょう。
1. マレーシアで人気のSNS「Instagram」の活用事例
インターネットおよびSNS利用普及率の高いマレーシアでにおいて、とりわけ人気の高いInstagramの活用事例を紹介します。和のスパを提供する「WASPA」では、SNS・ソーシャルアカウントを使い分けて情報発信をしています。たとえば、FacebookやTwitter、Instagramなどのアカウントを持つ同店舗ですが、Twitterでは主にコースやキャンペーンの紹介を行い、Instagramでは写真をメインに、ミスインターナショナルやVIP利用者のキレイな写真などを全面に押し出しています。
また、新宿歌舞伎町にあるショーレストラン「ロボットレストラン」の事例では、Facebookでは一目で目を引く色鮮やかな写真に英語による紹介がされています。すでに2019年3月時点で「総いいね数」は、1,4029を得ています。Instagramでは、訪日外国人に視覚的に楽しんでもらえるような色鮮やかな写真と動画を頻繁にアップし、イメージしやすいように訴求しています。
2. Instagram記事を作る際のポイント
「WASPA」や「ロボットレストラン」の事例からみると、SNSそれぞれの特性を理解し、コンテンツを分けて発信しています。とりわけ、Instagramは写真や動画が全面に押し出されたSNSのため、投稿する写真は鮮やかな写真や動画は雰囲気がわかりやすいものに重点をおいて配信すべきといえます。Instagramの特性を理解し、視覚的に訴求できる記事コンテンツを配信することが重要なポイントとなります。
マレーシアに向けたSNSマーケティングが訪日需要喚起につながる
今回は、インバウンド市場のASEAN諸国のなかで増加傾向にあるマレーシアのSNS利用状況やプロモーション施策について紹介しました。
マレーシアの国柄として、インターネットおよびSNSの普及率が約8割に及ぶことにふれましたが、その利用者層と訪日マレーシア人の年齢層は同じ20~30代に比例しています。SNSマーケティングにおいて、重要といえるSNSそれぞれの特性を理解して、効果的なプロモーションにつなげましょう。
<参照>
-
Datareportal:Digital2019 Malaysia
- JNTO:訪日旅行データハンドブック(世界20市場)
- 訪日ラボ:データでわかる訪日マレーシア人
- 訪日ラボ:医療・美容(美ンバウンド)のSNS・ソーシャル活用に関するインバウンド対策事例集
- 訪日ラボ:居酒屋・バー・ナイトライフのSNS・ソーシャル活用に関するインバウンド対策事例集
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