中国で問題「詐欺広告」の温床となってしまった検索最大手「百度(バイドゥ)」信頼を取り戻すには?

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

インターネットサービスに対する検閲が行われ、海外のサービスの展開に対し厳しいハードルがある中国で、最も多く利用されている検索エンジンはGoogleではなく百度(バイドゥ)です。中国国内61.21%のシェアを誇りますが、ここ最近ユーザーの百度離れが進んでいるとも言われています。

日本人にあまり馴染みのないサービス百度」ですが、なぜユーザーが離れているのでしょうか。今回はサービスの概要や、その理由を探ってみたいと思います。



【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】

会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。

ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。

検索エンジンの百度(バイドゥ)とは

百度(Baido)は、北京に本社を構える中国のIT企業百度が提供している検索エンジンの名称です。日本のインターネット利用状況から考えると、PCのウェブブラウザでの利用も多いように思われるかもしれませんが、中国ではスマホでのネット利用が多く、百度の検索もスマホからの利用が多くなっています。

百度の収益構造…広告

Googleと同じく、検索エンジンである百度は広告によりその収益を得ています。この広告は4種類に分類されます。

  • リスティング広告
  • アドネットワーク広告
  • インフィード広告
  • ブランドリンク広告

Googleと百度の違い

百度の検索結果の表示や、検索カテゴリにニュース・画像・動画などがある点、また翻訳サービスの提供はGoogleと類似しています。一方でGoogle百度にはサービス設計に違いもあり、例えば百度の場合はユーザーの生成するコンテンツを重視しています。

百度の提供する百度知道ではQ&Aの形でユーザーが知識をシェアしており、百度百科は中国版Wikipediaとしてユーザーの編集により情報が集約されます。

なぜ百度は信頼を失ったのか

こうして多くのユーザーに使用され、コンテンツを充実させてきた百度ですが、2014年の事件をきっかけに中国国内で懐疑の目をむけられることになりました。

2014年、ある中国人大学生が、若くしてガンに罹患します。そこで、百度の検索サービスを使って病院を探しました。 検索結果で上位に表示された病院を頼った結果、彼は命を落とすことになります。

検索結果上位の病院、実は広告出稿の費用に連動

医療機関が適切な医療サービスを提供できないものであったことは言うまでもなく、さらなる問題はこの検索上位の医療機関が、百度に対し多額の広告料を払っていたことにあります。これはもはや「詐欺広告」とも言える、センセーショナルな事件として中国国内でも報道されました。

この事件により、百度は検索エンジンという生活インフラともいえるサービスを供給しておきながら、その検索上位に表示される情報につて、情報の正しさではなく広告料を基準に選定しているということが明らかになったのです。

そのことに気づないユーザーは、百度の検索結果を評判の良さと思い込み、多額な広告費を投じる施設へと自分の命を預けてしまいます。

多額の広告費を投じている医療機関は、検索結果の上位に表れ、あたかも信頼があるように見えます。それなのに、実際に有効な治療を提供しているかどうかは、検索エンジンは保証してくれません。

こうした医療機関に関するトラブルが明るみに出て以降、百度の人気は低迷しています。広告出稿による収益は、サービスを継続するためには必要不可欠です。それだからといっ、お金さえ払えば広告主の好きな通りに検索上位に情報を表示させることができるとあれば、ユーザーはこれを信頼しないでしょう。

ユーザーが求める情報とのミスマッチも、中国IT大手として次の一手は「自動運転」

そもそものヒット数が少ないのも「百度離れ」の原因の1つと言われています。ある一つの単語を調べる時、Googleでは1,500万件の検索結果が表示されるのに、百度では20万件程度となってしまうことも少なくありません。例外があるとはいえ、基本的には何かを判断するときに、材料となる情報は多ければ大いにこしたことはありません。

少ない情報量、そして広告出稿で金銭を積んだ組織にとって有利な検索結果を表示する百度が信頼を失っていったのは当然の帰結かもしれません。

昨今ではユーザーの検索行為がアプリ上、個々のインターネットサービス内で行われることもあり、ユーザーの百度離れは回避できないような環境でもあります。これを見越してか、百度は事業内容の転換もはかっており、現在は自動運転技術やAIの分野での存在感を高めています。今まさに、中国の老舗IT大手としての力量が問われていると言えるでしょう。


【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」

インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。

<本セミナーのポイント>

  • 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
  • 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
  • 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
  • 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける

詳しくはこちらをご覧ください。

宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】

【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
特設ページを見てみる

【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。

「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに