実際、ラグビーW杯はインバウンドの地方誘客をもたらしたのか?【福岡の場合】

THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ- アーカイブ無料配信中
完全無料 訪日ラボ会員 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

全国12会場を舞台に熱戦を繰り広げている「ラグビーワールドカップ2019」で、日本は史上初の決勝トーナメント進出を果たしましたが、20日に東京スタジアムで行われた準々決勝では南アフリカとの対戦には結果敗れてしまいました。

日本代表の試合は終わってしまいましたが、外国人サポーターをはじめとする、インバウンド地方誘客促進への効果は引き続き期待が高まります。

実際に各地のファンゾーンでは、日本文化に触れられるイベントも開催しており、地域の魅力を発信する拠点の役割も果たします。今回は、福岡の例をふまえ、ラグビーワールドカップの開催による、インバウンド地方誘致の現状について見ていきましょう。

インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる

訪日ラボのメールマガジン登録はこちら>(無料)

6チームのキャンプ地・福岡での変化

アイルランドやサモアなど、全6チームのキャンプ地となっている福岡では、選手をはじめ外国人サポーターの姿が街中でも頻繁に見かけられます。

福岡は地理的にアクセスが便利なこともあり、普段から韓国中国からの観光客が多い地域でした。ところがラグビーワールドカップの開催により、こうした光景が一変したといいます

福岡市の観光スポットが点在する中洲川端の商店街や、キャナルシティ博多では、欧米人の観光客が急増しています。開催期間が長いため、選手だけでなく、長期滞在する外国人サポーターを街で見かけることも増えました。

ラグビーファンが多く宿泊するホテルに、ナイトツアーなどのイベントのチラシを配りに行く旅行会社もあり、試合の前後に福岡や九州を周遊観光する様子も顕著です。

日韓関係の悪化から訪日韓国人観光客が減少したことや、中国人を乗せたクルーズ船の寄港も縮小したことも影響しているようです。これまでは福岡市内で"爆買い"をするアジア人観光客が多かったところ、ラグビーワールドカップを契機に周遊観光などのコト消費需要の高まりが現地では感じられているといいます。

ラグビー観戦の観光客がターゲット「祭りアイランド九州」

こうした状況を見越した取り組みもあります。ラグビーワールドカップの開催に合わせて、熊本県熊本市を中心に、"祭り"をキーワードに九州の魅力を発信する「祭りアイランド九州が開催されました。

海外からのラグビーファンをターゲットに「熊本地震からの復興に向けて九州・山口の魅力を全世界にPR」「外国人観光客、特に欧米豪の周遊促進とリピーター化」を目指し、さまざまなプロモーションを実施しています。

熊本市内中心部では九州・山口の祭り 熊本に集結』というイベントが2日に渡り開催されました。ユネスコ無形文化遺産に登録されている博多祇園山笠など5つの祭りと、長崎のランタンフェスティバルなど九州各地から約40の祭りが集結しています。

インバウンドの周遊観光促進とリピーター化を目指し開設されたサイト九州・山口地域の祭りめぐり」では、50以上の九州・山口・沖縄地域の秋祭りが紹介されています。試合の前後に周遊観光などのコト消費需要が高まっていることから、地域の特色が現れる"祭り"をキーワードに、インバウンド地方誘客促進が見込まれるでしょう。

外国人サポーターによる消費拡大

ラグビーは元々イギリスのパブリックスクールが発祥の富裕層のスポーツです。試合観戦と合わせて観光も楽しむなど、時間とお金に余裕を持って日本滞在を満喫する様子が見られます。

大会組織委員会によると、今大会による外国人観光客は約40万人を見込んでいます。

初めての訪日旅行であるケースも少なくありません。チームを応援したいという動機もあり、長期滞在も多くなっています。予算に余裕のある人も多いので、出費を惜しまないという特徴もあります。

観戦をきっかけに日本を旅する人もいます。福岡から近い鹿児島や沖縄などが目的地となっているようです。

買い物では数万円を消費する訪日外国人観光客の姿も見られています。スタジアム周辺の飲食店も客の9割が外国人ということもあるそうです。普段の3倍のビールを用意したが全く足りないといった嬉しい悲鳴も聞かれています。

このように、首都圏だけでなく地方においても、ラグビーワールドカップの開催による"特需"に沸いています。

まとめ:ラグビーW杯をきっかけに訪日客のリピーター獲得へ

ラグビーワールドカップの各チームのキャンプ地や試合会場付近を中心に、インバウンドの消費拡大や周遊観光が広がっています。

一過性のブームにしない為にも、観戦目的で初めて日本を訪れたインバウンドリピーターが重要になります。

今回のラグビーワールドカップの各分野における経験は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの際に生きてくると考えられます。インバウンドの大規模な地方誘致の動きに備え、早め早めの対応が、この先の需要の取り込みに影響してくるはずです。外国語対応など、できることから手を付けていくべきでしょう。

インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる

<参照>

・BUSINESS INSIDER:アイルランド選手が突然来訪。「中韓の観光客とは違う」ラグビーW杯旅行者の存在感

・産経新聞:W杯盛況支える外国人ファン 長期滞在「お金に糸目付けない」経済効果各地に波及

・一般財団法人自治体国際化協会:ラグビーW杯観戦客をターゲットに、"祭り"を国内外に発信『祭りアイランド九州』

・福岡市:ラグビーワールドカップ2019

【11/26開催】インバウンドの受け入れを「仕組み化」で乗り切る!宿泊・観光業の人手不足を解消する革新的ソリューションを紹介


外国人観光客の爆発的増加に伴い、スタッフの人手不足に直面する宿泊・観光業界。
さらには多言語対応やあらゆるサポートも求められ、キャパシティが限界状態にある事業者も少なくはないでしょう。

そこで訪日ラボでは、「人手不足を補いながらインバウンド対応を強化する」実践策を紹介するセミナーを開催します。

DXによる業務効率化や自動化、多言語対応の仕組みづくり、24時間・22言語対応の医療通訳付きオンライン診療、そして多言語での口コミ・MEO対策の無理のない運用方法まで、“少ない人員でも安心して外国人観光客を受け入れられる仕組み” を解説します。

<セミナーのポイント>

  • 人手不足の現場でも実践できる、インバウンド対応・業務効率化のヒントがわかる!
  • 多言語対応や医療連携など、“安心・安全な受け入れ体制”を整える具体策が学べる!
  • 集客から滞在サポートまで、インバウンド受け入れを総合的に学べる!

詳しくはこちらをご覧ください。

【11/26開催】インバウンドの受け入れを「仕組み化」で乗り切る!宿泊・観光業の人手不足を解消する革新的ソリューションを紹介

【インバウンド情報まとめ 2025年11月前編】中国、日本への渡航自粛を要請 / 2025年冬の国際定期便、過去最高の便数に ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

この記事では、主に10月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

訪日ラボ会員にご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。

中国、日本への渡航自粛を要請 / 2025年冬の国際定期便、過去最高の便数に ほか:インバウンド情報まとめ【2025年11月前編】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

訪日ラボの会員限定コンテンツ「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!

その他、訪日ラボの会員になるとインバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い教科書コンテンツやインバウンドを分析したレポート、訪日ラボのコンサルチーム登壇のセミナーなど役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる

完全無料 訪日ラボ会員 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに