一か月前の3月24日の夜、安倍首相と国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は電話会談を開き、東京オリンピックの開催を一年程度延期することで合意した事が伝えられました。現在は2021年夏の実施を見据え、国内では感染拡大防止のための措置が取られています。
東京オリンピックの延期について、アメリカのトランプ大統領は先日25日、自身のツイッターで、以下のように発言しています。
※以下全て、訳は編集部によるもの。
Tweetリンク(https://twitter.com/realDonaldTrump/status/1242827275080531969)
大統領のツイートは安倍首相とIOCの延期発表を支持する内容ですが、延期を「賢明な判断」 と形容していることに、多くのアメリカ人が非難の意を投げかける様子がリプライから確認できます。
「オリンピックどころではない」アメリカ事情と、アスリートのInstagramの発信を紹介します。
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トランプ大統領「イースターまでには経済活動を再開する」
5万人の感染者を越える中、感染拡大が深刻化しているニューヨーク州では、3月24日朝、感染者数は2万5,000人以上に上っていました。これは当時の米国内感染者のおよそ半数に相当します。
そのような状況の中、トランプ氏は、4月12日のイースター(復活祭)までに現行の様々な制限を解除して国全体の正常化を図りたいとの見解を表明していました。
こうした方針と、トランプ大統領が、オリンピック延期に賛同の意を表明したことは大きく矛盾するとして、多数の国民が疑問の声を上げています。
I’m so confused. America is “open for business” by Easter but it’s a “very wise decision” to postpone the July olympics....????
(とても混乱する。7月の東京オリンピックが延期となってしまったことに対して、「大変賢明な判断」と言及しているのに、イースターまでには「アメリカの経済の制限を解放して正常に戻す」と言っているのはどういうことなの???)
It's the "absolute right thing" to postpone the Olympics, but you want America open for business by Easter?!!?
アメリカの失業率は上昇、失業保険の申請は2,200万件をこえる
アメリカでは長く失業率は減少傾向にありましたが、新型コロナウイルスの流行を受けて上昇傾向に転じています。
国の非常事態宣言が出た3月中旬以降の4週間の、失業保険の申請件数は、4月17日のニュースでは合わせて2,200万件を超えたことが伝えられています。
この数字はリーマンショックの時の8倍にも達しており、幅広い業種で解雇が続いています。
新型コロナウイルスの感染拡大が止まらぬ中でも、トランプ大統領がイースターまでにビジネスの正常化を目指すと発言した背景には、こうしたアメリカ国内の深刻な状況があったのかもしれません。
アメリカの競泳選手ケイティ・レデッキーはInstagramに東京の写真をアップ
世界水泳選手権において女子では歴代最多の14個の金メダルを獲得している、アメリカ合衆国の競泳選手ケイティ・レデッキーは、3月25日に日本のスイミングスクールと思われる場所の写真とともに、メッセージを更新しています。
![▲[競泳選手ケイティ・レデッキーのInstagram投稿]:編集部スクリーンショット 競泳選手ケイティ・レデッキーのInstagram投稿、プールに入る選手と子供たち](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/8315/main_534abcec574fc0363ef72cf991777cd2.png?auto=format)
Instagram:アメリカ合衆国の競泳選手ケイティ・レデッキーの投稿(https://www.instagram.com/p/B-HyQaIFYAL/)
メッセージには、課題(新型コロナウイルスの流行)に手を取り合って立ち向かえば、美しい国での素晴らしいオリンピックが期待できると呼びかけ、感染症のケアに当たっている人をサポートすべきとの意見を示しています。
この投稿には2020年4月27日現在、3万件を超えるいいねがついており、コメント欄には彼女をほめたたえるメッセージや応援が多く残されています。
オリンピックの延期という史上初の事態に対し、落ち着いて乗り越えるべき困難としてとらえ、明るい未来を大衆にイメージさせるアスリートが広く支持を集めているということがわかります。
USAトゥデイの調査では、延期発表前で4分の3が延期を支持
アメリカ合衆国の一般大衆紙USAトゥデイでは、オリンピックの開催延期が正式発表されていなかった3月22日の段階での125名のアスリートの意見について伝えています。
これによれば、当時4分の3が延期について支持するとの見方を示しており、また34%が「複雑なことなのでもっと情報がほしかった」と考えていることが伝えられています。
延期が決定された当時、すべてのアスリートが延期を望んでいたわけではないこと、また感染症拡大という事態に直面し、アスリートにとっては判断材料となる情報が不足していると感じられていたことがわかります。
オリンピック延期どころではない、アメリカ人の関心は「アメリカがどうなるか」
アメリカにおける東京オリンピックの延期についての意見を調べてみると、アスリートの好意的な発信もあってか、基本的には正しい判断ととらえられているようです。ただし中には「日本とIOCの判断は遅すぎる」といった否定的な意見も確認できます。
何よりも、アメリカにとっては感染拡大とロックダウンによる経済の悪化が目の前の課題となっています。4月27日アメリカの感染者数は現在98万人、死亡者数は5万人を超えています。
東京オリンピックというイベントにまだ期待を寄せる余裕はないようですが、開催までの間、情報不足により不必要に不安が増したり誤解が広がってしまわないような配慮が必要でしょう。
<参照>
USAトゥディ:Olympics survey: Nearly three-quarters of US athletes support postponing Tokyo Games
NHK:アメリカ 失業保険の申請件数 4週間で2200万件超 新型コロナ
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2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
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【インバウンド情報まとめ 2025年5月後編】2025年の訪日客数「4,500万人」へ、観光庁長官の見解は? ほか
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