静岡の名物ハンバーグ「さわやか」がインバウンド向け観光資源になる可能性は?店舗のこだわり、3つの観光エリアを紹介

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株式会社さわやかが、店舗「炭火焼ハンバーグさわやか」で提供する通称「さわやかハンバーグ」は、静岡のご当地グルメとして有名です。県外からも多くの顧客を呼び込んでおり、休日の店舗の待ち時間の長さはSNSでもたびたび話題になっています。

さわやかハンバーグは、実は日本人だけでなく外国人にも高く評価されています。

今回は静岡名物の「さわやかハンバーグ」の概要や外国人の評価、そしてさわやかハンバーグをフックに静岡の観光地に呼び込むためのアイデアについて解説します。

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静岡の名物「さわやかハンバーグ」

静岡県で人気の「さわやかハンバーグ」の概要について解説します。また、全国的に認知されるようになった要因や、それを後押しした経営方針について紹介します。

概要

「さわやかハンバーグ」で知られる、さわやかの店舗「炭火焼ハンバーグさわやか」は、静岡県の西部地域に多店舗展開している飲食店です。

同社は、現社長の富田重之氏が40歳の時、脱サラし1977年に創業しました。

「さわやかハンバーグ」主力の商品は、売上高の70~80%を占める「牛肉100%、げんこつハンバーグ」です。「げんこつハンバーグ」の名前の由来は、ハンバーグの形状が握った手に似ていることから来ています。

さわやかハンバーグの店舗数は33で、すべて静岡県内にあります。特に浜松市で集中して展開しており、全店舗の約3分の1にあたる12店舗が同市にあります。

メニュー

「さわやかハンバーグ」は通称であり、正式なメニュー名ではありません。

「さわやかハンバーグ」の名称で指されているものは「げんこつハンバーグ」であり、実はその他にも異なる形態のハンバーグやステーキ、また肉料理の他サイドメニューや軽食も数多く取り揃えています。

メニューには以下のようなものがあります。

  • 定番のげんこつハンバーグ
  • おにぎりハンバーグ
  • その他ハンバーグ・ステーキ・鶏・バーガー
  • 軽食
  • ドリンク、デザート
  • お子様メニュー
  • 平日ランチ

「げんこつハンバーグ」は、ジューシーな脂と肉本来の旨味がセールスポイントであり。

経営方針、3つのポイント

「さわやかハンバーグ」が日本中に認知を広げることができた理由は、3つの要因に整理できると考えられます。

1つ目は、無理に成長を追わなかった点があります。「炭火焼ハンバーグさわやか」は、前述のように、2020年6月現在、全国に33店舗を展開しており、そのすべてが静岡県内にあります。「日本一の地域一番店」へのこだわりを持って営業しているため、今後も静岡県外への出店は考えていないようです。これにより、「静岡に行かなければ食べられない」という希少性も高められていると考えらえます。

2つ目の取り組みが、品質への最大限のこだわりを持っていることです。「さわやかハンバーグ」は、品質管理を徹底しているオーストラリアの畜産農家と契約し、味が保証された牛肉をハンバーグに使用しています。

使用する肉の部位も限定しているため牛一頭からできる「げんこつハンバーグ」はわずか40個程度しかないそうです。こうしたこだわりも、多くの顧客に「さわやかハンバーグ」のおいしさを認知させる要因の一つとなっていると考えられるでしょう。

3つ目に、店舗の雰囲気が挙げられます。炭火焼ハンバーグさわやかの店舗は、外観も内装も先進的な素材や設計は施さず、いわゆる「懐かしい雰囲気」を作り出しています。食事の配膳を担うスタッフの接客態度の良さにも一定の評判があるようです。

新型コロナウイルス流行を受けアクション、組織内部だけでなく県に対する貢献も

「さわやかハンバーグ」では店舗独自で新型コロナウイルスに対する取り組みを行っています。

新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、全店舗を2020年4月18日より臨時休業しました。営業再開日は店舗によって異なり、早い店舗だと5月21日から再開しています。

従業員に対する方針には、外出自粛の奨励に加え、静岡県内在住・在勤の人を対象に本社工場で使用している次亜塩素酸水を無償配布しています。(2020年5月6日まで)

これ以外にも、市場でのアルコール消毒液等が品薄となっている状況をかんがみて、県内の学校や病院、介護施設へ次亜塩素酸水を無償で配布していました。

外国人からの評価と、首都圏からのアクセス

「さわやかハンバーグ」は、日本だけでなく、世界中の人々にも知られつつある静岡ご当地グルメです。

外国人が実際に「さわやかハンバーグ」に対してどのような評価をしているのかを紹介します。

また、訪日外国人が最寄りの国際空港からどのようなルートで静岡に来るのかについても解説します。外国人が静岡に訪れるルートを知ることで外国人観光客への効率的なアプローチの方法を検討できるようになるでしょう。

ハンバーガー文化で育ったアメリカ人からも大好

実際にさわやかハンバーグでハンバーグを食べた外国人のコメントを紹介します。

あるウェブメディアのインタビューでは、本場テキサスで幼いころからハンバーガーを食べて育ったアメリカ人にも、静岡のさわやかハンバーグが高く評価されている様子が伝えられています。

他にも、「さわやかハンバーグ」を食べた外国人にも、以下のように評価されています。

  • 「肉汁が浮いてくる、すごく豪華な料理です。」
  • 「肉がとても柔らかくて噛みやすい。」
  • 「ハンバーグの新しいジャンルだと思います。」
  • 「このレベルなら観光スポットとして大いに活かせます。」


さわやかハンバーグは日本人のみならず、外国人にも好まれる味のようです。

訪日外国人が静岡を訪れる際のモデルルートは?

静岡を訪れる訪日外国人の中には、成田空港や羽田空港に到着し、そこから静岡へ移動するケースも少なくありません。

バスや電車を利用する場合の所要時間や費用は、それぞれ当日の移動が可能な3時間弱、数千円~1万円以下です。

空港から直接移動するだけでなく、首都圏を観光してから静岡を訪れるケースも多くあります。

羽田→静岡駅

  • バス利用:所要時間2時間30分程度。ネット予約や、空港で直接チケットを購入。費用は2,000円程度
  • 電車利用:新幹線を利用する場合、所要時間は1時間40分程度。費用は7,000円弱。

成田→静岡駅

  • バス利用:所要時間は4時間弱。ネット予約や、空港で直接チケットを購入。費用は2,500円~、東京駅での乗り換えが発生する。
  • 電車利用:新幹線を利用する場合、所要時間は2時間強。費用は1万円弱。

静岡の観光エリア3選

静岡県には海に面している地域と内陸部で、観光スポットの雰囲気が異なります。

観光客にとっての魅力を、3つのエリアに分けて紹介します。

1. 御殿場・富士エリア

御殿場、富士エリアは、富士山を中心に御殿場市、裾野市、富士市、富士宮市で構成されたエリアです。

「富士箱根伊豆国立公園」に指定されているエリアが多く、観光地としての見どころが多いエリアとなっています。

富士山は世界遺産にも登録され人気が高まっている観光スポットです。静岡県側の登山ルートは、須走、御殿場、富士宮の3つあり、これらのルートにより静岡県から富士山に登ることができます。

アウトレットモールのある御殿場市は、静岡県でも特に観光客に人気のエリアです。

同市にはアウトレットモールだけでなく、ゴルフ場、避暑地など自然を体感しながら過ごせる施設も多くなっています。

2. 熱海・伊東エリア

熱海市と伊東市は、伊豆半島の東側に位置しています。

熱海と伊東市はどちらも温泉地として有名ですが、特に熱海は日本有数の温泉観光地で、昔も今も日本中から多くの観光客が訪れています。

熱海は、海に面した地域と山地のエリアで構成されており、海岸近くの小さめのエリアに温泉街があり、山地エリアに梅園や美術館などの施設が点在しています。

熱海市の南側に位置している伊東市も温泉が有名な観光スポットであり、海岸に面した傾斜地に温泉の施設が集中しています。伊東温泉は、全国で3番目、本州で1番目に天然温泉の湧出量が多い場所です。

また、伊東市の内陸地域は、大室山があり、その一帯が伊豆高原と呼ばれています。伊豆高原は、避暑地として有名で、数多くの観光スポットや別荘地としてたくさんの観光客が訪れています。

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3. 浜松・浜名湖エリア

浜松・浜名湖エリアは、天竜川から西側の浜松市と浜名湖周辺のエリアです。ほとんどが浜松市で、西側に湖西市があり、両市の間に浜名湖があります。

浜名湖は、日本で10番目に大きい湖として知られています。周辺は、温泉が湧き出る場所もあり、舘山寺などでは温泉も観光地として人気を博しています。様々な場所で、自然豊かな風景を眺められるエリアです。

浜松市街地周辺は、三方原台地という丘陵となっていて、平地が広がっています。その先には、遠州灘の海岸を望め、中田島砂丘もあります。

歴史的建造物では徳川家康にゆかりがあるといわれている浜松城があります。産業では、楽器の製造が盛んな地域であるため楽器博物館を訪れる観光客も多いようです。同じくうなぎパイ製造工場も人気の観光地です

その他にも航空自衛隊基地内にある博物館のエアーパークが有名です。こうした地元の基幹産業を中心とした観光スポットがあるのがも浜松市の特徴となっています。

「さわやかハンバーグ」から静岡に訪日外国人を呼び込むヒント

日本食を楽しみにしている訪日外国人は多いですが、伝統的な和食だけでなく「日本でなければ食べられないもの」にも注目が集まっています。特に、リピーターや、他人に先んじて流行をキャッチしたいと考えている層には、「日本独自の食文化」は非常に魅力的に映るでしょう。

また新型コロナウイルスの世界的流行は、世界各地の文化圏で衛生観念のアップデートを引き起こしています。食に対する意識も変わったり、より敏感になったりしています。こうした中で、日本の衛生に対する意識の高さや、食品へのこだわりは世界を旅行する外国人に対しても強い訴求力を持ちえます。

そうはいっても、食事のためだけに訪日旅行を企画する外国人はまだまだ少数と考えられます。静岡県には自然や文化、産業がそろっており、こうした観光資源と組み合わせたモデルルートの提案をもってインバウンド市場に仕掛けるような策が必要かもしれません。

首都圏からのアクセスのよい静岡県は、観光資源にも恵まれ、首都圏を訪れる訪日外国人にとっても訪れやすいエリアといえるでしょう。こうした地の利も生かした取り組みが待たれます。


<参照>

炭焼きレストランさわやか:営業再開についてのお知らせ

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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