10月18日、日本政府観光局(JNTO)が訪日外客統計の9月版を発表しました。統計によると、全体の訪日客数は約218万人で、コロナ禍前の96%まで回復。2022年10月に水際対策が緩和された後、外国からの観光需要は顕著な伸びを見せています。さらに同日、観光庁も訪日外国人動向調査の結果を公表しており、消費額も堅調に推移していることを示しています。
訪日ラボでは、これらの最新データをもとに、訪問国別に訪日客数、消費額、消費傾向などをまとめています。9月の訪日客数で最も多かったのは引き続き韓国で、消費額も全体の14%を占める結果となりました。
本記事では、中国、台湾市場に迫る勢いの韓国市場のインバウンド動向について、最新データを交えて解説します。
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9月の訪日韓国人客数は57万400人。コロナ禍前の183%
日本政府観光局(JNTO)の訪日外客統計によると、2023年9月に訪日した韓国人の数は57万400人。9月全体の訪日外客数は218万4,300人であり、韓国人の客数はそのうちの約26%を占める結果となりました。

コロナ禍前の2019年と比較すると伸び率は183.4%を記録。比較対象となる2019年は、7月以降日韓情勢の悪化により訪日旅行を控える動きがありましたが、それを踏まえても韓国からのインバウンド需要は高まっていると言えます。
需要拡大の背景には、様々な要因が影響しあっているようです。円安はもちろん、日韓関係の改善、そして地方路線を含む韓国からの航空便の増便・副便などがその理由に挙げられます。
7-9月の訪日韓国人消費額は1,955億円。中国、台湾に次いで3番目に多い結果
観光庁が発表した訪日外国人動向調査によると、2023年7-9月期の訪日韓国人の外国人旅行消費額は1,955億円でした。4-6月期の1,459 億円と比較すると約500億円の増加。7-9月期間の全体消費額(1兆3,904億円)の約14%を占め、中国、台湾に次いで3番目に多い金額です。

コロナ禍前の2019年は932億円であり、4年間でほぼ倍の金額に。消費額全体に占める割合も7.9%から14.1%となり、日本のインバウンド市場における韓国の存在感が大きくなっています。

消費額を種目別に見ると、宿泊費が630億円、飲食費が560億円、交通費が185億円、娯楽等サービス費が108億円、買物代が471億円という結果でした。
それぞれの割合を見ると、宿泊と飲食により多くの予算をさく傾向にあるようです。2019年と比較すると、宿泊費の割合が下がり、代わりに買い物にかける金額が上がっています。

また、1人当たりの旅行支出は、訪日外国人全体で平均21万1,000円。対して訪日韓国人の1人当たりの旅行支出は11万686円で、集計した国・地域の中では最も低い金額です。同じ東アジア圏の中国(28万4,934円)や台湾(17万7,823円)と比較しても大幅に低い傾向にあります。
一方で、1人1泊当たりの費目別旅行支出を見ると、韓国は2万2,503円であり、中国の1万9,569円を上回っています。台湾の2万3,605円や、アメリカの2万2,770円と比べてもほぼ同水準でした。1日あたりの消費額は他国と同等である一方、両国間の距離が近いことから気軽に渡航でき、旅行期間が短いために1人当たり合計の旅行支出は伸び悩む傾向にあることがわかります。
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