日本政府観光局(JNTO)が発表した訪日外客統計(年間推計値)によると、2024年年間の訪日中国人数は698万1,200人でした。また、観光庁のインバウンド消費動向調査によると、訪日中国人旅行消費額は1兆7,335億円となりました。
訪日客数はコロナ前2019年の水準に達しなかったものの、消費額はコロナ前とほぼ同水準まで回復しており、国・地域別では1位となりました。
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訪日中国人客数最新データ:年間698.1万人
日本政府観光局(JNTO)が発表した訪日外客統計によると、2024年の訪日中国人数は698万1,200人で、2019年比27.2%減となり、コロナ前の水準には未だに回復していません。

中国からの訪日客数が回復途上である背景には、コロナ前と比較して中国からの航空便数が完全に戻っていないことなどが考えられます。一方で2023年比では187.9%増と大幅に伸びており、まだ完全にではないものの急激に回復が進んでいることもわかります。
航空便については、2024年冬ダイヤではコロナ前の75.6%にとどまっているものの、2024年夏ダイヤの62%と比較すると着実に回復している状況。航空チケットの高止まりがかなり軽減されてきており、中国人が訪日しやすい状況が戻ってきているといえます。
なお2025年1月の訪日中国人客数は98万300人で、1月として過去最高値を記録しました。仮にこの勢いが持続すれば、2025年はコロナ前2019年の記録を超えることになるでしょう。
関連記事:【航空便動向まとめ】2024年冬ダイヤの国際線航空便数
訪日中国人消費額最新データ:年間1兆7,335億円
続いて、観光庁が発表しているインバウンド消費動向調査によると、2024年年間の訪日中国人旅行消費額は1兆7,335億円で、コロナ前の2019年比で2.1%減となりましたが、国・地域別の消費額ではトップとなりました。
また四半期別に見ると、2024年7-9月期は2019年同時期を上回り、四半期としての過去最高を記録しています。
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続いて、2014年以降の推移を見てみましょう。2024年はコロナ前の2019年と同水準にまで回復しており、2023年比では128.0%増となっています。
訪日客数が未だに回復していないにもかかわらず、消費額が増加している背景には、次で解説するように訪日中国人客の1人当たり旅行支出の高さが関係しています。

1人当たりの消費額は27万7,747円
訪日中国人客の消費額について詳しく見てみましょう。2024年年間の訪日中国人の1人当たり消費額は、27万7,747円でした。全市場の1人当たり旅行支出(22万7,242円)と比較すると約5万円多くなっています。
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1人当たりの消費額の構成をみると、最も大きな割合を占めたのは買物代で11万9,373円。次いで宿泊費が7万3,590円、飲食費が5万55円、交通費が2万1,949円、娯楽等サービス費が1万2,771円でした。
訪日中国人客の特徴として、他市場と比べて買物代が突出して高いことが挙げられます。「コト消費」と呼ばれる体験型の消費も増えており、消費全体からみた買物代の「割合」は減ってはいるものの、まだまだ日本で買い物したいと考えている中国人は多いといえるでしょう。
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以上、中国の最新インバウンドデータを解説しました。ほかにも訪日ラボでは、中国のインバウンド動向や中国人観光客の特徴などをまとめていますので、ぜひご覧ください。
※本記事では、以下のデータを用いて記事内容・グラフを作成しています。
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<参照>
日本政府観光局(JNTO):訪日外客統計
観光庁:訪日外国人消費動向調査 / インバウンド消費動向調査
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