日本政府観光局(JNTO)が公開し、インバウンド担当者のバイブル的存在である「訪日旅行データハンドブック」。
2023年度版を最後にPDF形式での発行を終了し、今後は「日本の観光統計データ」と「賛助団体・会員専用サイト」に移行されることとなりました。
そこで本記事では、今回の移行について簡単に解説した上で、誰でも自由に閲覧できる「日本の観光統計データ」の活用方法をわかりやすく紹介します。
関連記事:【JNTOを使い倒せ!】インバウンド情報の宝庫から施策を考える
インバウンド対策サービスを探している方必見!無料で資料DLできる「訪日コム」を見てみる
そもそも「訪日旅行データハンドブック」って?
「訪日旅行データハンドブック」は、JNTO公式サイトで公表されていた、各国の訪日外客数や、インバウンド重点市場の特徴、訪日旅行の動向などを解説したものです。
JNTOは毎月、日本を訪れた外国人旅行者の数を「訪日外客統計」として公表していますが、そこでは重点市場のデータのみ公表されています。ハンドブックでは重点市場以外のデータも含め、より詳細な情報が掲載されているのが特徴です。
今後はどこで情報が見れる?
今回の移行により、ハンドブックに掲載されていた情報は、「日本の観光統計データ」と「賛助団体・会員専用サイト」どちらかに振り分けられるか、あるいは掲載が廃止されます。
「賛助団体・会員専用サイト」には、宗教や使用言語、祝祭日など、市場別の基本情報をはじめ、日本との観光交流の背景や為替レートの推移などが掲載されます。
「日本の観光統計データ」には、市場別の訪日外客数のほか、訪日回数や役に立った情報など、訪日旅行の動向に関するデータが「訪日旅行の実態」として掲載されます。
また、訪日期間中の旅行者の消費については「旅行消費の実態」、都道府県訪問に関するデータは「日本各地への訪問の実態」に掲載されています。そのほかにも、訪日旅行の満足度なども見ることができます。
各データの掲載場所については、こちらのリストをご覧ください。
「日本の観光統計データ」を使ってみよう
「賛助団体・会員専用サイト」はJNTOの賛助団体と会員のみしか閲覧できませんが、「日本の観光統計データ」は誰でも見ることができます。
ここからは、「日本の観光統計データ」の使い方について解説します。

今回は、例として「統計発表資料に載っていない国の訪日外客数」を見てみます。
JNTOが毎月発表している「訪日外客統計」では、中国、韓国、台湾、米国など、ビジット・ジャパン重点市場である23市場のみ発表されています。その中には、中東や北欧といった地域でまとめられている市場もあり、国別のデータは把握することができません。
そこで今回は、フィンランドの訪日外客数について調べてみます。
まず、サイドメニューから「訪日旅行について調べる」→「訪日外客数」→「各国・地域別の推移」を選択します。

次に、グラフ右上にある「国・地域」をクリックし、データが欲しい国・地域を選択します。今回はフィンランドだけを知りたいので、チェックボックスからフィンランドを探すか、検索に直接入力して選択します。
すでに選択されている、英国・韓国・香港・台湾・中国・米国はチェックを外します。

そうすると、このようにフィンランドの訪日外客数のグラフが表示されます。

複数の国・地域と比較したい場合、他の地域も同時に選択することができます。また、訪日目的を観光や商用で絞りたい場合、グラフの右側にある「訪日目的」で変更することも可能です。
具体的な人数を知りたい場合は、「グラフ」から「表」に切り替えると、過去から直近発表された訪日外客数までが一覧で表示されます。

これらのデータは、グラフの下部にあるダウンロードボタンから、CSV・PDFでダウンロード可能です。
その際は利用申請フォームで、公開目的の有無と、法人利用・個人利用を選択する必要があります。法人が公開目的で利用する場合、媒体の申請が必要な可能性があります。
JNTO公式サイトでは、さまざまな情報を公開
JNTOでは毎月、前月の訪日外客数推計値と、3か月前の暫定値を発表しています。直近の発表は、以下の日程で行われます。
- 5月21日(水)16:15(2025年4月分推計値、2025年2月分暫定値)
- 6月18日(水)16:15(2025年5月分推計値、2025年3月分暫定値)
ほかにも、JNTO公式サイトでは、重点市場のインバウンド基本情報や最新の市場動向などを公開しています。
「日本の観光統計データ」をはじめ、JNTOが発表している情報には、インバウンドマーケティングに必要なデータが詳細にまとめられています。こうした情報を活用することが、インバウンド対策への第一歩となるでしょう。
*推計値は、当該月の翌月に発表する概算値で、100の位まで算出。暫定値は、推計値発表の2か月後に発表する確定に近い数値で、1の位まで算出。確定値は、該当年の翌年7月以降に、法務省の年計確定をもってJNTOが算出する最終値で、1の位まで算出。
<参照>日本政府観光局(JNTO):訪日旅行データハンドブック
インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
【5/15開催】【万博で盛り上がる日本の夏休み】今すぐ始めるインバウンド戦略!旅マエ×旅ナカプロモーション成功の秘訣
本ウェビナーは、株式会社movと株式会社クライドの共催により、急増する訪日外国人観光客 “インバウンド”需要にフォーカスしたプロモーション戦略を徹底解説します。
2025年の日本の夏休みは、大阪・関西万博により例年以上に訪日客が見込まれています。観光・飲食・小売など、さまざまな業界で「旅マエ(旅行前)」と「旅ナカ(旅行中)」それぞれのタイミングで適切な情報接点を持つことが、集客や売上の鍵を握っています。
今回は、需要が高まるインバウンド市場のトレンドや最新動向についてデータで読み解き、具体的な訪日客へのターゲティング・アプローチについて紹介いたします。
インバウンド戦略のアップデートに悩む方や、効果的な広告施策を模索しているご担当者さま必見の内容です!
<本セミナーのポイント>
- 最新のインバウンド動向が分かる!
- 「旅マエ」「旅ナカ」のタイミング別に有効なプロモーション手法が分かる!
- すぐに始められるインバウンド向けの広告手法が分かる!
詳しくはこちらをご覧ください。
→【万博で盛り上がる日本の夏休み】今すぐ始めるインバウンド戦略!旅マエ×旅ナカプロモーション成功の秘訣
【インバウンド情報まとめ 2025年4月後編】韓国でイブ・ロキソニンなど鎮痛薬が一部持ち込み禁止に ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に4月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→韓国でイブ・ロキソニンなど鎮痛薬が一部持ち込み禁止に ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年4月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!