ソーシャルリスニングとは?活用方法・成功のポイントをわかりやすく解説!

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

【連載:マーケティング用語・施策の基礎解説】

本連載では、国内外問わず通用するマーケティング施策を取り上げ、インバウンド対策にも役立つヒントをお届けします。

ソーシャルリスニングとは、SNSやブログをはじめソーシャルメディアの投稿内容を分析し、マーケティングに生かす手法のことをいいます。

近年はスマートフォンが普及し、誰もが情報を気軽に発信できる時代になったからこそ、企業に関するさまざまな口コミが溢れている状況です。

そのため、「インターネット上の評判をうまく広報や販促手法の最適化につなげたい」という担当者の方もいるかもしれません。

そこで今回は、ソーシャルリスニングの具体的な方法、活用のポイントを分かりやすく解説します。


<訪日ラボからのお知らせ>

インバウンドをテーマとしたカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」を2025年8月5日に開催いたします。

「THE INBOUND DAY 2025」特設サイトを見てみる

そもそもソーシャルリスニングとは?主な種類と特徴

ソーシャルメディアとは、インターネット上でユーザー同士が情報を共有・交流することを目的としたウェブサービスアプリの総称です。個人の発信が即座に多くの人に届き、またそれに対して他のユーザーが反応することで、双方向のコミュニケーションが生まれるのが最大の特徴です。

単に情報を受信するだけでなく、誰もが「発信者」となり得る点が従来のメディアと大きく異なります。これにより、個人の意見や体験が瞬時に広がり、社会全体に大きな影響を与えることもあります。

ソーシャルメディアには多種多様なプラットフォームが存在し、それぞれ異なる特性を持っています。代表的なものとしては、以下が挙げられます。

SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)

・X(旧Twitter)

短いテキストや画像、動画をリアルタイムで共有し、素早い情報拡散が特徴です。匿名性が高く、世論やトレンド形成に大きな影響を与えます。

・Facebook

実名登録が基本で、友人や知人との交流、ビジネス利用が盛んです。コミュニティ機能も充実しています。

・Instagram

画像や動画の共有が中心で、視覚的な情報発信に特化しています。ブランドイメージの構築や、ライフスタイル提案などに活用されます。

・TikTok

短尺動画の投稿・視聴に特化しており、若年層を中心に人気を集めています。トレンドの発生源となることも多いです。

動画共有サイト

・YouTube

長尺動画からショート動画まで幅広いコンテンツを共有でき、情報収集やエンターテイメント、学習など多目的に利用されます。

口コミサイト・レビューサイト

・食べログ、Amazonレビュー、@cosmeなど

商品やサービスに対するユーザーの評価や感想が投稿され、購買行動に大きな影響を与えます。

ブログ・掲示板

・Amebaブログ、5ちゃんねるなど

個人の体験や専門知識の発信、匿名での意見交換などが行われます。

これらのソーシャルメディアは、企業が消費者と直接コミュニケーションを取り、リアルタイムで市場の動向や顧客の本音を把握する上で不可欠なツールとなっています。

ソーシャルリスニングにおいては、それぞれのメディアの特性を理解し、目的に応じて使い分けることが重要です。

ソーシャルリスニングで実現できることとは?

ソーシャルリスニングを実施することで、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、ソーシャルリスニングによって実現できることを大きく5つ紹介します。

1.ブランドイメージを把握できる

自社や自社のブランドに対する消費者のイメージを把握できるのも、ソーシャルリスニングのメリットです。

例えば、「A社と言えば高級なイメージ」「A社の商品はよく日用品と一緒に買う」といった意見を収集することで、ブランディングの方向性を軌道修正したり、商品の販路や置き場を改善したりできます。

2.広告や販促施策の成否が分かる

広告や販促キャンペーンを展開した際は、反響をリアルタイムに知ることも可能です。

例えば、特定の年齢や性別に絞ってSNSの投稿を調べることで、ターゲットに正しく広告が届いているかを確認できます。また、広告に対してネガティブな意見が多い場合は、迅速に訴求内容や表現の変更もできるでしょう。

3.消費者の「隠れたニーズ」が分かる

ソーシャルリスニングを通じて、消費者の「潜在的なニーズ」も把握できます。

たとえば、商品の映っているSNSの画像から、商品の意外な使用シーンを知ることが可能です。また、「ここを改善してほしい」「こんな機能があればいい」などの声から、サービスの改善や新商品の開発につなげることもできます。

4.競合の動向が分かる

自社に関する情報だけでなく、競合や市場全体の動向を把握できるのも大きなメリットです。

たとえば、競合他社の社名やブランド名で検索することで、他社の狙っているターゲット層やブランディングの方向性を理解できます。こうした競合の動向を踏まえ、市場での戦い方を柔軟に変えることもできるでしょう。

5.レピュテーションリスクを検知できる

自社に対するネガティブな声を察知し、レピュテーションリスク(評判が落ちてしまうリスク)を抑えることも可能です。

たとえば、口コミサイトで商品へのクレームが投稿されていた場合は、炎上してしまう前に事実確認や謝罪の対応ができます。炎上や風評被害は経営に大きな影響が及ぶため、被害を最小限にとどめることが重要です。

ソーシャルリスニングの方法を“3ステップ”で解説!

ソーシャルリスニングは、具体的にどのような流れで実施すればよいのでしょうか。
ここでは、ソーシャルリスニングの方法を3つのステップに分けて解説します。

1.目的を明らかにする

ソーシャルリスニングを実施する際は、まず目的を明らかにすることが大切です。

たとえば、「広告の効果を把握する」「レピュテーションリスクを防ぐ」などが挙げられます。それに応じて、最適なソーシャルメディアやキーワードを選びましょう。

「何が知りたいか」を先に鮮明にしておけば、情報も分析しやすくなります。

2.投稿の「数」や「傾向」を調べる

SNSの検索欄やソーシャルリスニングの専用ツールを使い、該当キーワードについて検索します。

その際、「キーワードの含まれた投稿数」や「投稿者のフォロワー数」を調べれば、キーワードがどれくらいの人数に広がったのかを把握することが可能です。

また、キーワードが「ポジティブ・ネガティブ」どちらのニュアンスでより多く使われたのかを調査すれば、商品や広告などに対する好感度も分析できます。

3.目的に応じてさらに細かく分析する

ツールによっては、さらに細かくキーワードの傾向を分析できます。

たとえば、「投稿者が商品についてどのくらい購入意向を持っているのか」「商品名と一緒に検索されているキーワードは何なのか」なども調査することが可能です。こうした分析を活用することで、サービスや経営戦略の改善につなげられます。

ソーシャルリスニングを活用する際のポイントとは?

ソーシャルリスニングの効果を高めるためには、どのような点に気をつければよいのでしょうか。ここでは、ソーシャルリスニングを活用する際のポイントを紹介します。

1.目的に合わせてソーシャルメディアを使い分ける

各ソーシャルメディアには特徴があるため、目的に応じて使い分けることが大切です。

たとえば、XTwitter)は匿名性が高いSNSのため、より本音に近い意見を調べたい際に適しています。

また、Facebookは本名で登録されており、ビジネスでも活用されるSNSだからこそ、職業や会社の規模による意見の違いも調査しやすいでしょう。メディアのユーザー層や投稿の傾向を知っておくことで、より効果的に分析できます。

ソーシャルリスニングに利用できる主なメディアは以下の通りです。

  • X(旧Twitter)
  • Facebook
  • Instagram
  • YouTube
  • TikTok
  • Pinterest
  • 口コミサイト
  • ブログ
  • Yahoo!知恵袋などのQAサイト

2.少数派の意見に惑わされない

ソーシャルリスニングを実施すると、どうしても批判的な投稿が目についてしまうこともあるでしょう。

ただ、それがごく一部の限定的な意見であり、決して消費者の総意ではない場合もあります。そのため、批判的な声に惑わされないよう、その他の意見を広く調査したうえで慎重に判断する姿勢が大切です。

参考記事
ノイジーマイノリティとは?少数意見に惑わされないためにどうすべきか

3.地図アプリや口コミサイトも分析する

ソーシャルリスニングでは、自社の「業態」に応じたメディアを活用することも大切です。

たとえば、小売店飲食店などの店舗型ビジネスでは、店舗への口コミも大きな判断材料になります。そのため、地図アプリ口コミサイトなどへの投稿も分析対象にすることで、サービス改善につなげやすくなるでしょう。

まとめ

ソーシャルリスニングには、消費者の「隠れた需要」を拾い上げる力があり、プロモーションや新商品を成功に導く可能性を秘めています。だからこそ、積極的にソーシャルメディアや口コミサイトの投稿を分析し、さまざまな施策に生かすことが重要でしょう。

インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!

訪日ラボに相談してみる

【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生

「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる

【インバウンド情報まとめ 2025年6月前編】最新の「観光白書」公開!インバウンドに関わる政策の変更点を徹底解説 ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

この記事では、主に6月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。

最新の「観光白書」公開!インバウンドに関わる政策の変更点を徹底解説 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月前編】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに