訪日外国人向けショッピングサポートアプリ「Payke(ペイク)」を運営する株式会社Paykeは6月27日、「百貨店に関する多言語意識調査」の結果を発表しました。
同調査は、繁体字中国語話者(台湾・香港)、英語話者(フィリピン・アメリカなど)、韓国語話者(韓国)の訪日客1,452名を対象に実施し、日本滞在中における百貨店の利用実態・認知度・購買目的などについて調査したものです。
調査結果によると、多くの訪日客が日本でしか手に入らない商品を求めて、訪日旅行中に百貨店に立ち寄っていることがわかりました。
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91%の訪日客が「百貨店を利用したことがある」と回答
「日本旅行中に百貨店を利用したことがあるか」と聞いた質問では、回答者91%が「はい(利用したことがある)」と回答しました。

百貨店の利用頻度では、繁体字中国語話者の87%が百貨店を2回以上利用しており、最も利用頻度が高くなっています。
英語話者も83%が複数回訪問している一方で、「利用していない」と回答した割合が7%と、言語別で最も高くなりました。
韓国語話者は、「1回のみ」と回答した人の割合が21%と他言語層より高くなったものの、2回以上利用した割合が全体の70%を超える結果となりました。
また訪日客が百貨店を知ったきっかけとして、「店舗前を通りかかって」(53.65%)が最も多くなり、「SNS投稿」(42.08%)や「旅行Webサイト」(40.09%)などが続きました。

百貨店を利用する理由は「限定性」「価格」「食体験」
「なぜ日本の百貨店で買い物・訪問したいと思うのか」という質問では、以下の回答が多く挙がりました。
- 日本でしか手に入らない商品があるから:54.16%
- 自国よりも商品を安く買えるから(為替・免税など):45.48%
- デパ地下やレストランでの食体験:40.71%
- 日本の良い商品と出会える場所として、百貨店の品質や接客を信頼しているから:40.39%
- お土産やギフト用の商品が充実しているから:39.05%

また、「何を目的に百貨店を訪れているのか」を聞いた質問では、言語ごとに差が見られました。
繁体字中国語話者では、「食品購入(デパ地下)」(67.85%)が1位となり、次いで「日本限定ファッションブランド」(49.58%)が2位となっています。
一方で、英語話者は、1位が「ギフト・贈答品」(57.89%)、2位は「食品購入(デパ地下)」(50.15%)となりました。また、「日本発コスメ」(38.70%)が、ほかの言語と比較して高い傾向となっています。
韓国語話者は、1位が「日本限定ファッションブランド」(53.00%)、2位は「ギフト・贈答品」(51.61%)。「ラグジュアリーブランドファッション」(28.11%)は、他言語よりも高くなりました。

百貨店ブランドの認知度1位は「高島屋」
百貨店ブランドの認知度を調査した結果(全国籍)は、以下の通りとなりました。
- 高島屋(69.42%)
- 三越(67.56%)
- 大丸(66.39%)
- 伊勢丹(55.37%)
- 阪急・阪神(54.41%)
- 東急(42.42%)
- 西武(42.08%)
- 近鉄(33.47%)
- 松坂屋(32.58%)
- 小田急(25.69%)
- 京王(25.21%)
言語別では、繁体字中国語話者と英語話者のランキングでは、全国籍ランキングと同様に1位が高島屋、2位が三越となった一方で、韓国語話者のランキングでは、大丸と阪急・阪神がともに79.26%で1位となりました。

また、実際に利用したことがある百貨店を聞いた質問では、高島屋(53.58%)、大丸(53.03%)、三越(50.34%)がトップ3になりました。一方で、韓国語話者でのランキングでは、阪急・阪神(68.66%)が圧倒的に高い利用率となっています。
韓国語話者の阪急・阪神の認知度や利用率が高い傾向について、同レポートでは、明確な理由の特定は難しいとしたものの、旅行動線や好まれるブランド属性との親和性が影響している可能性があると分析しています。
百貨店を利用しない理由は「時間がない」
百貨店に対して高い認知度や利用傾向が見られる一方で、訪問に至らなかった理由としては「時間がなかった」(46.64%)が最も多く挙げられました。次いで「他で十分に買い物ができた」(46.64%)などが続きました。
また他の買い物スポットとの比較では、コンビニやドン・キホーテ、ドラッグストアなどの利用意向が圧倒的に高くなっています。
同レポートでは、時間の制約があるなかでは手軽でアクセスしやすい場所が選ばれやすく、百貨店は時間に余裕がある際の選択肢になる傾向があると分析しています。
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<参照>
Payke:インバウンド客91%が百貨店を利用!その利用目的や人気ブランド・ランキングも徹底調査!
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