リクルートが運営する調査・研究機関「じゃらんリサーチセンター」は10月23日、観光業従事者を対象に実施した「観光業界課題調査2025」の調査結果を公表しました。
調査の結果、「働き手不足」が最大の課題であり、専門スキルを持つ人材の採用や育成の難しさが課題となっていることが明らかになりました。
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じゃらんリサーチセンター「観光業界課題調査2025」発表
「観光業界課題調査2025」は、JKN会員*をはじめとする観光業従事者の業務実態や課題意識を把握し、地域観光の現状把握や今後の施策立案に役立てることを目的としています。
同調査はJKN会員や行政施設、じゃらんの宿クライアントなど1,645名を対象に、2025年7月29日から9月2日の期間でインターネット調査にて実施されました。
*じゃらんリサーチセンターが保有する観光行政や観光関連事業者のメールマガジン会員データベース
観光業界の最大の課題は「働き手不足」
「観光事業・観光振興に取り組む上で課題に感じていること」について複数回答形式で聞いた項目では、48.6%が「観光現場の働き手不足」と回答しました。特に、行政(57.4%)と宿泊施設(53.0%)では、「観光現場の働き手不足」を課題として挙げる割合が50%を超えました。
また、「観光マネジメントの人材不足対策(専門スキル人材・高度人材の不足)」を挙げる割合も多く、41.3%となりました。
働き手不足以外の課題として、「観光地の受入環境整備(二次交通・インフラ等)」も47.3%と高くなっています。

働き手不足の要因は組織によって違いが
「人手不足・人材不足の具体的な要因」について複数回答形式で聞いた項目では、組織によって違いが見られました。以下では、行政、民間企業、宿泊施設における上位2項目を抜粋して紹介します。
行政
- 「専門スキルを持った人材を育成する体制が不十分」46.8%
- 「他部署との兼任や異動により専門性が蓄積されにくい」41.7%
民間企業
- 「専門スキルを持った人材の採用が難しい」43.6%
- 「賃金水準が他と比べて低い」37.5%
- 「不規則な勤務体系や長時間労働を敬遠される」58.8%
- 「賃金水準が他と比べて低い」46.0%

観光DXの推進では「デジタル人材不足」や「予算の確保」が課題
各組織における観光DXやデジタルマーケティングの取り組み状況に関する調査も行われました。
まず、「観光DX、デジタルマーケティングにどの程度取り組んでいるか」を聞いた項目では、以下の結果となりました。
- 「具体的に取り組みを進めている」6.3%
- 「ある程度取り組んでいる」22.9%
- 「取り組みを始めた段階である」21.9%
- 「取り組めていないが、今後進める予定がある」24.5%
- 「まったく取り組んでいない(取り組む予定もない)」24.3%
「観光DX、デジタルマーケティングを推進する上での課題」を複数回答形式で聞いた項目では、「デジタル人材の不足」が50.4%と最も多くなっています。なかでも、行政は61.6%と民間企業や宿泊施設と比べて高くなっており、デジタル人材の不足が大きな課題となっていることがわかりました。
またデジタル人材の不足に次いで、「予算の確保が難しい」という項目も50.3%と高くなりました。
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<参照>
株式会社リクルート:観光産業の最大の課題は“働き手不足”、従事者の約半数が回答 賃金・労働環境に加え、“専門スキル人材の採用・育成難”が壁に
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