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訪日中国人観光客が常用するサービスとして、WeChat(微信)、QQ、Weibo(微博)をご紹介してきました。いずれもTwitter(ツイッター)、Facebook(フェイスブック)の良い所どりをしながら機能の充実を図ってきており、若干の不確定要素をはらみながらも、中国の3大SNSとして大きな存在感を誇示しています。しかし、2010年の頃まで遡ると、SNS市場の布陣はいまとはかなり異なるものでした。WeChat(微信)はまだ誕生しておらず、Weibo(微博)もまだ黎明期にありました。中国におけるSNSの草分けといわれる51.comや開心網(カイシンワン)、そして中国版Facebookとして発展が期待された人人網(レンレンワン)が大きな勢力を誇っていたのです。なお、SNSの利用にモバイル・デバイスが使われることはほとんどなく、PCが主流となっていたのも現在の状況との大きな違いです。

中国版Facebook(フェイスブック)と謳われた人人網(レンレンワン)

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人人網(レンレンワン)

ここでは、簡単に人人網(レンレンワン)について紹介してみましょう。人人網(レンレンワン)の登録は基本的に実名制を採用しており、ユーザー自身の近況や面白い情報、動画、画像を仲間とシェアするという点では他のSNSと変わりはありません。一時期、画面デザイン、ウォール、アルバム、ファンページ、グループ、アプリといった機能がFacebook(フェイスブック)に酷似したものとなっており、一時期、中国版Facebook(フェイスブック)と謳われたのも誇張ではありません。2005年に清華大学の卒業生が設立した「校内網」(同年、人人網(レンレンワン)に改名)を起源としています。そんなところにもFacebook(フェイスブック)との共通性が見いだせそうです。人人網(レンレンワン)はその後、北京に本部を置く千橡互動グループ(千橡互動集団、China InterActive Corp)が買い取り運営を引き継ぎますが、中国政府がFacebook(フェイスブック)へのアクセス制限を行ったこともあって、登録者数が拡大していきます。2010年にはユーザー登録数が1億6000万人を超え、中国最大のSNSと評されるまでになります。そして、2011年5月4日には米国ニューヨーク証券取引所に上場。その時点での人人網(レンレンワン)の市場価値は、中国のインターネット企業の中ではテンセントと百度に次ぐほどでした。

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  • 人人網(レンレンワン)衰退の原因
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