- ハイシーズンは12~1月
- 20代の訪問数が多い
- 2週間以上の滞在者も多い
インバウンドにおけるオーストラリア市場の特徴とは
訪日オーストラリア人数は2019年には約62万人でしたが、2023年には約61万人となりました。2023年、訪日オーストラリア人は一人あたり34万604円を訪日旅行時に使っています。2023年第3四半期(7〜9月期)に訪日したオーストラリア人を年齢・性別ごとに見てみると、男女共に20代が大きな割合を占めています。
また、訪日オーストラリア人のインバウンド市場で特筆すべき点は「ハイシーズンは冬季」「20代の訪問数の多さ」「滞在期間の長さ」の3つです。それぞれ詳しく解説していきます。
訪日オーストラリア人インバウンド市場、3つの特徴を解説
1. ハイシーズンは12~1月
コロナ前2019年までの傾向では、訪日オーストラリア人のハイシーズンは12月から1月にかけての冬季であり、逆に5月から8月にかけての夏季には訪問数の落ち込みが見られました。2023年もおおむね同様の傾向となっています。オーストラリアは南半球に位置しているため、他の英語圏の主要国とは異なり、年末年始に訪日旅行の需要が高まるパターンをみせているのが特徴です。
2. 20代の訪問数が多い
2023年第3四半期のデータでは、訪日オーストラリア人を年齢別にみると男性、女性ともに20代が最多となっています。オーストラリア人の大きな訪日目的の一つに、「日本のウィンタースポーツを楽しむ」というものがあるため、こうしたアクティビティを好む若年層が多くなったと考えられます。訪日オーストラリア人向けのプロモーションを打つ際には、若年層へのアプローチを意識することも効果的でしょう。
3. 2週間以上の滞在者も多い
訪日オーストラリア人は他の国籍と比べて滞在期間が長い傾向にあり、2023年第3四半期のデータでは2週間以上の滞在が52.0%を占めています。日本の冬でしか体験できない、雪に関連したアクティビティを体験したいオーストラリア人が多く、滞在も長期化しています。滞在期間の長さを消費額向上につなげるためには、宿泊サービスをはじめとする高付加価値・高単価なコンテンツを用意しておくことが重要であると考えられます。
オーストラリア人の特徴
オーストラリア人の性格・国民性
オーストラリア人の性格・国民性には、一般的に以下のような特徴があるといわれています。
- 陽気でせかせかしない
- オーストラリア人は陽気でのんびりしている性格の人が多い傾向にあります。
- 地域に対する愛着心が強い
- オーストラリア人は自分が生まれた地域に対して強いプライドを持っており、他の地域をジョーク交じりで批判することがあります。
- アウトドア好き
- 自然に囲まれた環境で育っているからか、オーストラリア人にはアウトドアを好む人が多い傾向にあります。
- 平等主義
- オーストラリア英語で頻繁に出てくる単語「mate」には、仲間や同僚という意味があります。オーストラリア人の意識の根底には「平等主義」という概念があり、身分関係なくオーストラリア人はこの単語を使うことで、他人と打ち解けようとします。
- 仲間意識の高さ
- 上記の「mate」という単語に関連して、オーストラリアでは「mateship」という単語が存在します。これは困っている人を助けるという意味合いがあり、オーストラリアでは「他人を助ける」という行為が当たり前になっています。
<参照>
- 明石書店出版:オーストラリアを知るための58章:越智道雄
オーストラリア人と接するうえで気を付けておきたいマナー
オーストリア人と接する場合には、以下のポイントに注意しましょう。
- 失礼にあたるため、人を指ささない
- 会話中は目をそらさないように心がける
- ドアを開けて先に女性を入れるなど、レディーファーストを心がける
- 食事の際は、ナイフは右手に、フォークは左手を持つ
- 食事の際は、食器に口を付けない
- 食事の際は、音をたてないようにする
- 乾杯の際は、相手の目を見るようにする
<参照>
- 明石書店出版:オーストラリアを知るための58章:越智道雄
オーストラリア人の親日度・日本語学習者数
電通「ジャパンブランド調査」によると、オーストラリアは2019年時点で「親日度ランキング」全20か国のうち13位となっており、親日度が特別に高い訳ではないことが分かります。(*1) 国際交流基金「海外日本語教育機関調査」によると、オーストラリアには2018年時点で1,764校の日本語教育機関と3,135人の日本語講師が存在し、405,175人が日本語を学習しています。(*2)
<参照>
(*1)電通 チーム・クールジャパン「ジャパンブランド調査2019」 (*2)国際交流基金 2018年度海外日本語教育機関調査結果(速報値)
オーストラリア人のスマホ事情:人気の機種やSNSは?
オーストラリアはiOSがAndroidより人気で、約54%のシェアを持っています。オーストラリアの平均月収は3,118.86米ドルと高水準なため、特に高所得層を中心にiPhoneが人気のようです。
人気のSNSアプリはiOS・Android共にWhatsAppとFacebook Messengerがランクインしています。これらは共にアメリカ企業のSNSアプリです。また、Androidで第3位にランクインしているFacebook Messenger Kidsは、Facebookによって開発された子供向けメッセージアプリです。
2023年・2024年 オーストラリアの祝日カレンダー
2023年 | 2024年 | |
---|---|---|
元日 | 1月1日〜1月2日(1月2日は振替休日) | 1月1日 |
オーストラリアデー | 1月26日 | 1月26日 |
キャンベラ・デー※首都特別地域のみ | 3月11日 | 3月11日 |
グッド・フライデー(復活祭聖金曜日) | 4月7日 | 3月29日(※〜4月1日まで連休) |
イースター・マンデー(復活祭月曜日) | 4月10日 | 4月1日 |
アンザック・デー | 4月25日 | 4月25日 |
和解記念日※首都特別地域のみ | 5月29日 | 5月27日 |
国王記念日※州により祝日が異なる | 6月12日 | 6月10日 |
労働者の日 | 10月2日 | 10月7日 |
クリスマス・デー | 12月25日 | 12月25日 |
ボクシング・デー | 12月26日 | 12月26日 |
オーストラリアの歴史
オーストラリアは、建国されてから数百年と比較的歴史の浅い国です。しかし、建国前にもさまざまな歴史がありました。
オーストラリア大陸にはもともと先住民であるアボリジニが住んでいました。
14世紀になると、ポルトガル人やオランダ人などヨーロッパ人がはじめてオーストラリアに上陸。しかし、価値のある土地と認識されず、その後100年間もの間、ヨーロッパからオーストラリアには探検隊が派遣されることはありませんでした。
しかし、18世紀に入ると、イギリスの探検家キャプテン・クックがシドニー郊外に上陸。東海岸を調査し、その一帯を「ニュー・サウス・ウェールズ」と名づけて英国王室による領有化宣言をしました。
1788年には、初代総督であるアーサー・フィリップ率いる船団がシドニー湾に上陸。流刑囚780人を含む1,200人がオーストラリアに連れてこられ、もともとオーストラリアに住んでいた先住民アボリジニは、英国王室領の不法滞在者となり、奴隷にされ、虐げられるようになります。
その後、19世紀半ばまでに、およそ15万人以上の囚人が大陸に送り込まれることに。炭鉱の発見や羊毛の生産などで開拓が急速に加速し、1829年に正式に全オーストラリアがイギリスの領有と宣言されることとなりました。
1800年代は、いわゆる「ゴールドラッシュ」の時期と呼ばれ、金鉱を求めて、大量の人がオーストラリアに移民してきます。政府は、非ヨーロッパ系移民よりも白人を優先する政策を採択。オーストラリアに白豪主義が生まれました。
その後、ニュージーランドを除く、オセアニア6植民地がオーストラリア連邦として成立。イギリスの自治領となります。第一次世界大戦、第二次世界大戦を経て、オーストラリアは経済成長を達成。多民族国家へと発展し現在に至ります。
<参照>
- 明石書店出版:オーストラリアを知るための58章:越智道雄
オーストラリア宗教観
オーストラリア統計局が2017年6月27日に発表した「2016年の国勢調査」の結果によると、オーストラリアにおいて、無宗教であると回答した人は29.6%となっており、ここ15年間で倍増する結果となりました。
カトリックが占める割合は、22.6%となっており、無宗教者が特定の宗教を信仰する人の割合を上回りました。オーストラリアはもともとはキリスト教の国ですが、他国同様、宗教離れが進んでいるようです。
近年では、イギリスや中国、インド、フィリピンなどから移民が増え、オーストラリアでは宗教の多様化が進んでいます。同調査によると、近年ではイスラム教、仏教、ヒンドゥー教などキリスト教以外の宗教の信仰者も増えてきている模様です。
<参照>
- ABS.Stat:People and Communities:Religionより
- 明石書店出版:オーストラリアを知るための58章:越智道雄
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