インバウンドビジネスに関わる皆さんも、最近DMOという言葉を耳にする機会が多いのではないでしょうか?でも「そもそもDMOが何なのかわからない。」という方もいるかと思います。そんな方に向けてDMOとは何なのか?日本でのDMOについて解説していきます。
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DMOとは何か?
まずDMOとは何かという点についてですが、 DMOはDestination Marketing Organization/Destination Management Organizationの略称 として使用されている言葉です。直訳すると「 目的地に関するマーケティングやマネジメントを行う組織 」となります。
DMOの目的
DMOの目的としては、
- 観光事業者や観光地自体がマーケティング機能を有し
- プロモーションを国内外に対して行い
- 自ら稼ぐ力を付けて
- 運営コスト負担を自ら賄う
ことにあります。海外の成功事例としてはバルセロナ観光局などがありますが、近年日本でも日本版DMOの形成、確率の必要性が叫ばれています。
インバウンドにおけるDMO:日本版DMOがなぜ必要なのか?
日本では広く観光協会が観光推進組織として知られていますが、海外に目を向けると、単に観光だけではなく、MICE(Meeting(会議・研修)、Incentive(招待旅行、travel, tour)、Conference(国際会議・学術会議)またはConvention、Exhibition(展示会)またはEvent)などのイベント、国際会議の招致などに加えて、その地域の訪問客に対して受け入れ対応機能、さらには地域のマーケティング、ブランディングも行うDMO機能を有するようになってきています。
日本でもそうした流れを受けて、観光推進組織がDMOとしての機能を持つ事が必要とされています。また、観光庁の発表によると、 日本版DMOが必要とされている理由には、これまでの観光地域づくりの課題が大きくわけて3つあるから とされています。
インバウンドで日本版DMOが必要な理由その1:関係者の巻き込みが不十分
文化、農林漁業、商工業、環境、スポーツなど地域の関連事業者や住民等の多様な関係者の巻き込みが不十分なため、地域の幅広い資源の最大限の活用につながらない。また、地域住民の誇りと愛着を醸成する豊かな地域づくりにつながらない。
インバウンドで日本版DMOが必要な理由その2:データの収集・分析が不十分
来訪客に関するデータの収集・分析が不十分なため、観光客を十把一絡げに扱っている地域が少なくない。つまり、ターゲットとなる顧客層や地域のコンセプトが十分に練られておらず、変化する観光市場に対応できない。
インバウンドで日本版DMOが必要な理由その3:民間的手法の導入が不十分
効果的なブランディングやプロモーションといった民間的な手法の導入が不十分なため、観光客に対して、「刺さる」競争力を持つ観光地ブランディングができていない。
インバウンドにおけるDMO:日本版DMOの役割
それでは実際に日本版DMOにはどのような役割が期待されているのでしょうか?これは上記で見てきた 「関係者の巻き込み」に関する内容の裏返しとも言える3点となり、具体的には次の3つ です。
- 日本版DMOを中心として観光地域づくりを行うことについての多様な関係者の合意形成。
- 各種データ等の継続的な収集・分析、データに基づく明確なコンセプトに基づいた戦略(ブランディング)の策定、KPIの設定・PDCAサイクルの確立。
- 関係者が実施する観光関連事業と戦略の整合性に関する調整・仕組み作り、プロモーション。
ポイントとしては、その地域に関わる様々な関係者が関わることで、互いに持っている情報を共有、有効活用し、しっかりとした仕組みを作っていくということだと言えるでしょう。
まとめ
2017年2月7日時点では、広域連携DMOが4つ、地域連携DMOが設立予定のものを入れて56、地域DMOが設立予定のものを入れて63の、合計123のDMOが存在します。
今後もDMO設立の動きは加速すると思われますが、どのような成果が出て行くかについては今後の課題と言えるでしょう。
<参考>
- 観光庁:日本版DMOとは
- 観光庁:日本版DMO候補法人の登録一覧
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