地方自治体&DMOはどうやってAirbnbをインバウンドに活用すべきなのか？
Airbnb(エアビーアンドビー)は世界最大手の民泊仲介サイトです。2008年にアメリカで創業、2014年には日本に進出し「Airbnb Japan株式会社」が設立されました。現在190か国の人が利用しています。空いている部屋を宿泊施設として貸し出したいユーザーと宿泊施設を探しているユーザーをマッチングするサービスです。
海外で人気な宿泊方法でしたが、日本では、2018年に「民泊新法」が制定されたことで、年間の営業日数が180日以下であれば民泊施設を運営できるようになったり、特区民泊条例を制定している地域は条件付きではあるものの、180日以下の営業制限なしに民泊できるようになったりと民泊の条件が整備され始めています。
対面で受付をする必要がなく、安価に宿泊できるため外国人観光客にも人気な宿泊方法です。また近年話題のシェアリングエコノミーの観点からも注目され、需要が拡大しています。 この記事では地方自治体&DMOのAirbnb活用事例をご紹介いたします。
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▲Airbnb×渋谷区観光協会：Airbnbプレスリリース
2020年、Airbnbと渋谷区観光協会が提携発表しました。Airbnbでは上記のような民泊事業のほかに、オンライン体験も提供しています。渋谷区観光協会と提携することで、オンラインで渋谷を体験できる新たな体験プログラムを提供開始しました。
コロナ禍によりオンライン体験の需要は増えています。またアフターコロナを見据え、オンラインで街の魅力をアピールすることで今後のインバウンド集客にも繋がります。この企画では渋谷観光大使であり、LGBTQ活動もしているKABA.ちゃんによる「KABA.ちゃんと渋谷再発見ーバーチャルお散歩」や、渋谷の若者カルチャーを牽引するあっくんによる「あっくんと渋谷酒学↑」体験など、ユニークな視点から渋谷を案内しています。
また訪日外国人客向けに観光案内を実施している「WANDER COMPASS」によるポップな街渋谷の歴史とローカルを辿るフォトジェニックツアーなど、世界のどこにいても渋谷の良さを体験できるオンラインプログラムが多数登場しました。
「長野県観光機構」のAirbnb活用事例
▲Airbnb×長野県観光機構：Airbnbプレスリリース
続いて紹介するのは長野県観光機構のAirbnb活用事例です。2021年5月、Airbnbと長野のDMO法人である長野県観光機構はパートナーシップを締結しました。コロナ後を見据えた観光や体験を推進していく見通しです。
Airbnb公式サイト内に長野県特設ページを開設し、ページ内では長野の特色や地元で暮らしながらAirbnbでホストをしている人のコメントが掲載されています。また空き家を再生し宿泊施設として再利用したり、ホストコミニュティ同士の横連携の支援など、まちづくりやコミニュティへの支援も行っています。
「長野を暮らすように旅しよう」というコピーから、生活、交流しながら旅をするのが長野の観光における一つのテーマであることがわかります。Airbnbが提供する民泊という宿泊方法はそのようなテーマにおいてふさわしく、日本のローカルな体験を求めている外国人観光客の集客が見込めるといえます。
「長野県観光機構」のAirbnb活用事例
▲Airbnb×辰野町：Airbnbプレスリリース
2021年の9月、辰野町もAirbnbとパートナーシップ締結を結びました。辰野町は近年、移住先や多拠点生活としても注目され、企業誘致にも力を入れています。そんな辰野町においてAirbnbは「辰野町への移住定住や企業誘致の促進、ならびに関係人口の創出を推進」を目的とした共同プロジェクトの推進で合意しました。若年層を中心としたゲストと現地コミュニティがつながることで、「暮らすように旅する」というAirbnbの特徴的な観光スタイルを推進していきます。コロナの感染拡大によりリモートワークが主流になったことで、ワーケーションという旅行スタイルも注目されはじめました。前述したように移住先や多拠点生活先としても注目されている辰野町で、Airbnbの宿泊施設を利用したワーケーションも推し進めます。空き家や古民家を活用したAirbnbでのホスティング支援などを推進することで辰野町への関係人口創出を目指しています。このような動きはインバウンド集客にもつながっていくでしょう。
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