百貨店・デパートはどうやって動画・コンテンツ制作をインバウンドに活用すべきなのか?
インバウンド市場が盛り上がる中で、百貨店・デパートが動画・コンテンツ制作によってインバウンドで成功する事例が増加しています。このページでは、百貨店・デパートの動画・コンテンツ制作のインバウンド対策やインバウンド集客における活用について、次の3つの事例を取り上げます。
- 百貨店・デパート×動画・コンテンツ制作事例その①:中国で人気の木村拓哉を起用してイメージアップ/西武・そごうのインバウンド向けPR動画
- 百貨店・デパート×動画・コンテンツ制作事例その②:高島屋の高速ラッピング動画が海外で話題に
- 百貨店・デパート×動画・コンテンツ制作事例その③:中国人インフルエンサーを起用したPR動画のライブ配信/阪急・近鉄・大丸松坂屋
近年プロモーションの方法として動画・コンテンツ制作がポピュラーになってきています。動画・コンテンツ制作によるインバウンド対策やインバウンド集客のメリットとしては、多くの情報を伝えながらも、顧客のイメージに残りやすいということがあります。伝えたい情報を写真や画像などよりも一度に多く発信できるためその分それぞれの百貨店・デパートの色がはっきりと出やすく、工夫を凝らした動画・コンテンツ制作が求められています。
ここでは、百貨店・デパートという業界・業種における動画・コンテンツ制作の各社の事例を元にして、効果的な動画・コンテンツ制作を活用したインバウンド対策やインバウンド集客のケーススタディーをしてみます。それでは見ていきましょう。
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2018年6月、西武・そごうのPR動画「Are you ready?」が公開されました。この動画は動画サイトYouTubeのほか、渋谷のスクランブル交差点のモニターや公式サイトでも公開されました。
出演は俳優の木村拓哉さんと西武・そごうの社員約80人で、開店前の西武渋谷店を舞台とし、木村さんが軽快なステップを踏みながら店内にいる社員たちに「Are you ready?」と問いかけていくという動画です。
ここでの「Are you ready?」は「(開店前の)準備はできているか?」ということで、準備万端の社員たちは「OK!」と応じます。開店が目前にせまると木村さんが「Are you ready?」と叫び、社員が一斉に踊り出します。ミュージカル調で楽しい雰囲気があります。
この動画は特に、訪日旅行における百貨店でのショッピング需要が高い中国語圏からの訪日外国人客をターゲットにしています。動画に中国語の字幕が入っているほか、タイトルも中国語と日本語が併記されています。この動画の目的は西武・そごうブランドの中国語圏での認知拡大であり、そのため中国で絶大な人気誇る木村拓哉さんをイメージキャラクターに起用したということです。中国語圏の主要動画サイトや空港、香港そごうなどでも公開を予定しています。
高島屋の高速ラッピング動画が海外で話題に
2014年に公開された高島屋店員による品物のラッピングの様子を撮影した約30秒の動画が、海外で話題になりました。
この動画の再生回数は、すでに1600万回を超えました(記事執筆時点)。そして、寄せられているコメントのほとんどは英語などの外国語で書かれています。プレゼント用の品物が紙で包装されているだけであり、日本人だとあまり気にもとめない動画かもしれませんが、海外の反響はとても大きいようです。
あまりに速く無駄のない“職人技”ともいえる手さばきに、「この動画を見る前は、『彼女は30秒かからずにプレゼントを包装するつもりなの?』と思っていました。ちがう、彼女は2つ包装した!」「スローモーションはできる?」などといった驚きのコメントが多数寄せられていました。
また、この動画が話題になったことで、のちに別のユーザーによってこの動画の紹介動画が公開されました。紹介動画では、この高速で行われるラッピングの手順を英語でゆっくりと説明しながらレクチャーしています。
この動画は高島屋が制作したものではなくPR動画ではありませんが、この動画が海外で話題を呼んだことで、日本人にとっては当たり前でも海外の人にとっては衝撃的でおもしろいものがあるということがわかりました。PR動画などを制作する際も外国人の視点を入れることで、よりプロモーションの効果が上がるのではないかと考えられます。
中国人インフルエンサーを起用したPR動画のライブ配信/阪急・近鉄・大丸松坂屋
阪急阪神百貨店や近鉄百貨店、大丸松坂屋百貨店などの大手百貨店では、中国人のインバウンド増加を目的として、ライブ動画によるPRを行っています。近鉄百貨店は、2018年のライブ配信の頻度を昨年の2倍以上に増やす方針です。
ライブ動画では中国人の人気インフルエンサーによる商品や売り場の紹介が行われます。中国は日本よりもネット中継の人気が圧倒的に高く、配信後は紹介された商品の売り上げが倍増するなど、その効果は大きいようです。
バレンタインの時期に行われた近鉄百貨店のライブ配信では、中国人インフルエンサーによってチョコレート売り場の様子が紹介されました。中国ではバレンタインに男性が女性に花を送る風習があり、日本のチョコ文化は中国の人には新鮮に映るといいます。視聴者数は11万人を超え、「かわいい」「行ってみたい」というコメントが多数寄せられました。
阪急阪神百貨店が昨年12月に行ったライブ配信は中継の際67万人が視聴し、放送後も1か月で1500万回再生されたといい、2018年はインフルエンサーを誘致する頻度を月に1回から2~3回に増やすということです。
大丸松坂屋百貨店も昨年、中国人インフルエンサーを誘致して名古屋や大阪、東京からライブ配信を行いました。9月に行ったライブ配信では、中国は新年度ということで新社会人向けの服や靴などを紹介するなど、各百貨店とも時期にあった内容を配信しています。
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