こんにちは、トレンドExpress編集部です。私たちは「中国トレンドExpress」で中国向けマーケティングに役立つ様々な情報を発信しています。
この連載では、中国向けマーケティングに役立てることのできる中国のソーシャルビッグデータ分析について、そしてソーシャルビッグデータから作成したランキングをご紹介したいと思います。
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中国人が訪日旅行に求めるものを、ソーシャルビッグデータから探る!
中間所得層が増加している中国では、旅行が一大ブームとなっています。日本はタイや韓国と並んで人気海外旅行先の一つです。訪日中国人数は昨年比増加を保持しており、JNTOの発表によれば上半期全体で韓国に次いで第二位となりました。
参考:訪日外客数(2017 年 6 月推計値)(出典:日本政府観光局)
http://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/data_info_listing/pdf/170719_monthly.pdf
日本を訪れる中国人観光客は、日本に何を期待しているのでしょうか? 経済指標や旅行会社のレポートなど、中国人旅行客の消費意欲を測る指標はいくつかありますが、トレンドExpressでは 「ソーシャルビッグデータ」から中国人消費者の心理に迫ります。
ソーシャルビッグデータとは、SNS上に書き込まれた発言やアップロードされたデータとそれを書き込むユーザーに付随する情報 のことです。これらのデータを分析することで、ターゲットとなる消費者の属性(性別、年齢、居住地、学歴)や趣味・嗜好を探ることができます。
中国市場の把握にSNSが欠かせない理由とは
さて、中国には数々のSNSがありますが、今回ご紹介するのは 「新浪微博」という「中国版Twitter」 です。中国ではインターネットに規制があり、facebookやTwitterといったSNSは利用が不可能となっており、独自のSNSが普及 しています。そんな中、新浪微博に限らず中国のSNSに投稿される書き込みは中国人消費者の考えを知るために非常に有効なデータとなっています。その理由を以下に三つ、解説いたします。順を追ってみてみましょう。
(1)SNS利用人口数の圧倒的な多さ
先にご紹介した「中国版Twitter」新浪微博の月間アクティブユーザー数(MAU)は、5月16日に新浪微博の発表した2017年第一四半期の財務報告によれば、3.4億人 となっています。また、「中国版LINE」として知られる「微信(WeChat)」のMAUは 9.38億人 と発表されました。世界でこれほど大きなSNSユーザーを有するマーケットは、当然ながら中国だけ です。
参考:テンセント2017年Q1財務報告:微信のMAUは前年同期比23%増、QQは2%減(網易新聞)
http://news.163.com/17/0517/21/CKLTRK6M00018AOR.html
(2)SNS情報への信頼度の高さ
中国は社会主義国家です。そのため、マスメディアは政府広報の役割を担っているという認識が昔からあり、新聞やテレビといったマスメディアの情報は信頼しづらいと考える人は今もいます。 そんな中、SNSは「個人による情報発信」の場であり、本当の情報、本音の感想があるととらえられる ようになっています。
(3)積極的に情報共有をする文化
中国では昔から、仲間内で有益な情報をシェアするという文化 があり、SNSは情報共有に適した存在としてユーザー数を拡大し発展してきています。
参考:中国人社会に存在する「圏子」とは? ~メンバーの利益が最優先。中国でクチコミが共有される社会的背景~(出典:中国トレンドExpress)
https://cte.trendexpress.jp/blog/20170517-2.html
新浪微博書き込み件数別「日本で買いたい」ランキング
さて、それでは実際に、新浪微博で「日本で買いたい」と書き込まれている商品の、口コミ件数別ランキングをご紹介します。(集計期間:2017年6月28日~7月4日)
1位は「雪肌精」、2位は「ヒロインメイクスムースリキッド アイライナースーパーキープ」、3位は「ワコール 女性用下着」、4位は「無印良品 化粧水・敏感肌用」、5位「強力わかもと」となっています。
ランキング上位となった理由をクチコミから探る
なぜこれらの商品が「日本で買いたいもの」として話題となっているのでしょうか? 例えば、ワコールの下着についてのクチコミを検索してみれば、その理由の一端を覗き見ることができます。
「(中国)国内のワコールはどうしてこんなにかっこ悪いんだろう、日本のは素敵なのに!」陳列方法や、販売国による質の違いがあるのかもしれません。また「ワコールをつけたら他のはもうしたくない」というように、下着では使用感が購入を左右する要素となりそうだ、ということもうかがえます。さらには、タイを旅行する中国人観光客が、タイでワコールの下着を購入している様子も見られました。「タイのワコールは中国のと同じ(日本ほどよくない)」という書き込みもあり、同じブランドだとしても購入する国により消費者の感じる価値が変わっている ようだということがわかりました。
まとめ
以上のように、SNSには中国人消費者の正直な気持ちが書き込まれています。ビッグデータから導き出されるランキング結果と、SNS上に表れる中国人消費者の心の機微をとらえることで、より効果的な訪日中国人へのアプローチ方法が見えてくる のではないでしょうか。
トレンドExpressではこのほかにも「日本で行った」「日本で買った」「日本で食べた」「日本で〇〇したい」といったランキングを週次で更新しています。次回はまた異なるランキングについて、結果をご紹介し、その背景に潜む中国人消費者の心理について紐解いていきたいと思います。どうぞお楽しみに。
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