22時以降出歩く訪日客激減:夜遊びできず 食後すぐホテルへ…ナイトタイムエコノミーの発掘が急がれる結果に 大阪「外国人夜間動向調査」で

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訪日外国人が日本で感じる不満点の1つに 「夜間のエンターテインメントが充実していない」 というものがあります。これに対し、実際に現時点で 訪日外国人は夜間にどのような行動をしているのか? といった調査を大阪観光局 マーケティング室が行っています。この大阪観光局が行っている「外国人夜間動向調査」から訪日外国人の夜間の行動を探ってみましょう。なお今回の分析にはJapan Connected‐free Wi-Fiを利用したユーザーが利用を許諾した情報のログデータとなり、分析対象となっているログは2015/8/1~2016/9/30にかけて取得されたものです。

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大阪訪問の訪日外国人 夜間は「大阪ミナミ」など特定のエリアに密集

Japan Connected‐free Wi-Fiを利用したユーザーを外国語に絞ってみていくと、訪日外国人がどのエリアにいたのかがわかります。20時から明け方4時の夜間に絞ってみていくと、「大阪ミナミ」「大阪キタ」「天王寺」「新大阪」「十三」「弁天町・ドーム前付近」などの繁華街に密集 していることが伺え、その他人気のテーマパークである「USJ海遊館」、複合エリアである「コスモスクウェア」「りんくうエリア」、そして「関西空港」を利用している訪日外国人も多いことが伺えます。対して日本人の場合は「大阪ミナミ」「大阪キタ」「天王寺」など繁華街にある程度密集してはいるものの、全体でみると分散している傾向が伺えます。

訪日外国人は22時〜24時に活動している人が大幅に減少する

Japan Connected‐free Wi-Fiを利用している=活動していると考えた場合、訪日外国人22時 を境にして活動している人が大幅に減少していることが見て取れます。対して日本人の場合22時〜24時の間に活動している人は、20時〜22時に活動している人数から10%の減少のみとなっています。このことから、訪日外国人向けの夜間の観光資源が魅力だと考えられていない、もしくはその存在を知られていない ということが言えるかもしれません。

22時以降に飲食店、ショッピング施設を利用する訪日外国人が少ない

業種全体で夜間の訪日外国人の滞在の傾向を見ていくと、宿泊施設」「飲食」「ショッピング」「観光スポット」「風俗系」 の人気が高い事が伺えます。大きな特徴的な点としては、

  • 「飲食店」に滞在する訪日外国人が22時以降少なくなっていること
  • ショッピングに関しては「24時間営業の量販店」以外は、22時以降に「百貨店、ショッピングモール」、「家電量販店」、「ドラッグストア」を利用する訪日外国人がほぼいなくなること

などです。こうしたことから、飲食点に関しては「22時以降の利用を増やす何らかの手立てが打てば効果がありそう」、ショッピングに関しては22時以降も営業可能な場合は「営業時間を伸ばす」ことで、さらに訪日外国人の利用を増やすことが出来そうだと言えます。さらに、ホテルに滞在している訪日外国人が20時〜22時と早めの時間から存在することから、やはり夜間のエンターテインメントが無いという事を裏付けている と言えます。

大阪と新宿の夜間の訪日外国人SNS投稿データを比較すると、国籍ごとの違いが

Twitter及び微博でのSNS投稿データを分析したところ、大阪市内での投稿件数は東京都新宿と比較して約2倍。日中と夜間の比較では 夜間の投稿数のほうが多い 結果となりました。また、国籍別に見ていくと香港出身の訪日外国人の投稿ピークはいずれも21時台ながら、新宿の場合は24時台にも再びピークを迎えます。中国出身の訪日外国人の場合、大阪、新宿に共通して ピークは23時台 であることがわかります。台湾出身の訪日外国人の場合、大阪でのピークは22時台、新宿の場合は19時台、23時台の2つがピークとなっています。

大阪では投稿カテゴリー「観光」の割合が65%を占める

投稿カテゴリーで大阪と新宿を比較すると大きな違いが見られます。大阪では「飲食」、「ショッピング」、「交通」に関する投稿が少ない中、最大のボリュームとなっているのが「観光」 で、全体の 65% もの投稿が「観光」という結果に。新宿の場合「飲食」、「観光」、「交通」のボリュームがどれも25%程度となっているのが特徴です。

大阪では食事後にすぐに宿泊施設に帰宅、新宿では遅くまで食事やショッピングが楽しまれている

投稿カテゴリーを時間別に見ていくと、大阪と新宿では大きな違いが見られます。まず大阪の場合「飲食」カテゴリでの投稿は21時台をピークに減少しており、それ以降に「宿泊」関連の投稿が増えていることから、大阪を訪問する訪日外国人の多くは食事をした後は何もせずに宿泊施設に戻っている ことが伺えます。対する新宿の場合、「飲食」のピークが23時台と遅く、同様に「ショッピング」に関しても23時台に再びピークを迎えています。また「宿泊」に関する投稿も深夜1時台まで高い件数となっており、新宿を訪問する訪日外国人は、食事後にもショッピングや、何らかのエンターテインメントを楽しんでいる ものと推測されます。

まとめ:大阪での今後の取り組み

こうした調査結果を受けて、大阪観光局では21時〜0時までの訪日外国人向けのお特なサービス、メニューを提供する参加店を募り、訪日外国人に向けてこうした内容の告知、サービス券を配布するなどの施策を検討しています。こうした取り組みで、早く宿泊施設に帰ってしまう訪日外国人に1時間でも多く、何らかのサービスを楽しんでもらえる工夫が求められており、大阪観光局では「マジックバー」、「マッサージ」、「スポーツバー」などの利用を想定しているようです。

このように、インバウンドにおいてもナイトタイムエコノミーは注目されています。夜間の経済活動を意味するこのナイトタイムエコノミーを開拓することで、国内およびインバウンドでの需要あわせて80兆円もの経済効果が見込まれており、今後の注目キーワードになってきそうです。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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