訪日外国人に人気の観光地である京都は、平成29年の外国人客宿泊状況調査について調査結果を発表しました。この調査は平成26年4月以降、京都市内の主なホテルの協力を得て実施しているものです。対象となっているのは36施設 9,361室です。
この調査によると、京都のホテルで外国人利用者数は初の4割を越える結果に。今までと同様に中国人が大きなマーケットを持っていますが、訪日韓国人が伸びを見せていることがわかりました。細かく見ていきましょう。
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客室稼働率は約9割で、外国人利用割合は初の4割超え
2017年(平成29年)の客室稼働率は88.8%となり、88.9%だった2016年と比較して0.1%減少しています。外国人利用割合は40.5%と始めて40%を超え、2014年の28.9%だったものが右肩上がりで成長していることが伺えます。
対象的に日本人利用割合は2014年の71.1%以来減少を続け、2017年には59.5%と調査開始以来最低となりました。月別に見ていくと、2017年の外国人利用割合は12ヶ月のいずれの月においても2016年の数値を上回っており、春はインバウンド需要の高まりと共に、始めて月別の外国人利用割合が50%を超えました。
中国人宿泊客が最多、訪日客が増えた韓国が順位を上げる
国・地域別の構成比を見ていくと、トップ3は2016年と変わらず、中国(23.9%)、台湾(18%)、アメリカ(12.5%)となっています。訪日客が大幅に増加した韓国が2016年の6位から順位を上げて4位となっています。その他の上位の国・地域に関しては香港、オーストラリア、イギリス、スペイン、フランス、イタリアとなっています。
観光地に京都を選ぶ人はアジア出身者よりも、ヨーロッパ、北米、オセアニア出身者に多い
訪日外国人の構成比を、京都36のホテル、日本全体で比較すると、日本全体ではアジア出身者が86%であったのに対し、京都36のホテルではアジア出身者の構成比は59.3%と相対的に減少 しています。
日本全体ではヨーロッパの構成比は5.5%、北米は6.1%、オセアニアが1.9%であったのに対し、京都36のホテルではヨーロッパは16.7%、北米は13.9%、オセアニアは4.9%となり、京都を観光地として選ぶ人の割合は、アジア出身者よりもヨーロッパ、北米、オセアニア出身者のほうが多い事がわかります。また関空の利用者の92.3%がアジア出身者えあることから、関空がアジア出身者にとっては京都、大阪観光の起点としてしっかりと機能していることも明らかになりました。
国と地域ごとに利用傾向に差が見られる
調査に協力した京都の36のホテルの場合、12ヶ月単位で見ても中国出出身の訪日外国人が目立ちます。中国人は春節後には利用者数が大きく減少。4月に底を打った後は8月まで右肩上がりで京都のホテル利用者が増加しました。台湾の場合、中国と良く似た動きとなっていますが、夏休みまで利用者増は続かず10月に向かって利用者の数は減少していきます。
アメリカの場合は3月から6月に京都のホテルを利用する方が多く、8月以降は11月にまで利用者が再び増加していきます。ヨーロッパの場合は4月の桜のシーズンに京都を訪れる人が最多。その後は8月から10月にかけても多くの方が京都を訪れています。一方、香港、韓国、オーストラリア出身者には京都の魅力をPRして行く必要があると言えるでしょう。
2017年の京都36のホテル利用者の中で最も伸び率が大きかったのは韓国
国・地域別に伸び率を見ると、昨年比で最も伸び率が多かったのは韓国で52%、続いて香港が19.7%、オーストラリアが16.4%、中国が14.9%でした。中国は2015年には122%、香港は48.4%であった事を考えると、その伸び率は相対的に低くなっています。一方オーストラリアは16.4%とは言え、過去3年で最も大きく成長しています。一方、アメリカ、ヨーロッパに関しては減少傾向にあることがわかります。台湾は2年連続してマイナス成長となっていますが、そのマイナス幅は減少傾向にあります。
平均客室単価(ADR)や・RevPAR(客室収益指標)を見ていくと、京都は日本国内では最高値を記録していますが、香港、シンガポール、パリ、ニューヨークなどと比較するとまだまだ成長の余地があると言えます。また平均客室単価(ADR)の伸率、RevPAR(客室収益指標)伸び率は国内で最多となりますが、香港、パリなどは伸び率においても京都との差は大きく、京都でも平均客室単価(ADR)と稼働率を高めることでRevPAR(客室収益指標)が向上出来るでしょう。
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