こんにちは。トレンドExpress編集部です。
日本にやって来る中国人観光客。近年、日本にはアニメや映画の撮影地となった場所を訪れる、いわゆる「聖地巡礼」が人気になっていたり、日本でも知名度の高いご当地ゆるキャラに会いに行ったり、中にはゲームから日本の刀剣ファンになったりと、「クール・ジャパンコンテンツ」目当てで訪日している観光客も多いようです。
今回はそんなコンテンツ・インバウンドのなかで注目しておきたいイベントをピックアップします。
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中国市場でじわじわと人気を上げている訪日体験「握手会に参加したい」
トレンドExpressでは毎週、中国ソーシャルメディアにおける日本関連書き込み総件数ランキングを行っていますが、その「〇〇したい」ランキングの中で、トップ10圏外ではありますが、ジワジワと上位を脅かす存在となっているニーズがあります。それが「握手会に参加したい」です。
順位 | ◯◯したい |
---|---|
11位 | 富士山に登りたい |
12位 | 和菓子を作りたい |
13位 | 握手会に参加したい |
14位 | 人力車に乗りたい |
15位 | 紙漉きをしたい |
16位 | スキューバーダイビングをしたい |
17位 | 新幹線に乗りたい |
18位 | 鹿を見たい |
19位 | 舞妓さんになりたい |
20位 | 博物館周りをしたい |
このキーワード、すぐにわかると思いますが、人気アイドルグループ「AKB48」の握手会イベントに対する興味が非常に高まっているのです。日本の文化に興味を持つ中国人は日々増えていますが、どうやら、日本のアイドルに傾倒する中国人ファンも多く現れている様子。何が彼らをそこまで魅了するのか検証してみました。
アイドル文化が浸透し始めた中国
中国では多くの若者が日本の漫画などの文化に興味を持ち、それがきっかけで日本語を学んだり、留学を考えたりする若者もいるほどで、日本の文化というものが彼らにとって熱狂するコンテンツのひとつになっています。
日本に対するイメージコントロールされている中国で、漫画やアニメなどに興味を持ち、日本のコンテンツを好きになることで、日本に対してのイメージが劇的に変化し、憧れを抱くようになっています。
その中で「日本のアイドル」が作り出す世界は独自のスタイルは、中国の消費者に魅力的な選択肢を与えており、中でも中国で少しずつ定着しはじめています。これはまさに「アイドル」の本来の意味である「憧れの対象」として、中国の若者たちの心を捕らえているようにも見えます。
自分だけのアイドルを探す
AKB48の中国上海版、SNH48が中国で活動を始めたとことも中国でのアイドル文化の浸透に大いに影響を与えています。
現在はAKBからは完全に独立し、独自の路線を歩んでいますが、当初は日本側が主導で、日本と同様のスタイルを導入していたこともあり、ライブや握手会、ファンミーティーングなど「アイドルを身近に感じられるイベント」などを開催していました。
実は、これらを体験した若者たちが足繁く通う熱狂的なファンとなりその数が徐々に増えていったのです。
ひとつ何かが成功すると、類似したものが次々と派生していきますが、中国独自のグループや個人のアイドルなどが登場したことにより、より自分好みのアイドルを追いかけることができるようになっています。
こうしてリアリティを追求する日本のアイドル文化に影響を受けたファン達にとっては、やはり日本のアイドルを追い求めることに情熱を感じ、わざわざ日本へ来てまで握手会に参加したいと思うようなのです。
憧れのアイドルと空間を共有
日本へ来た際に握手会に参加したいと思う中国人観光客の多くは、片言でも日本語を話すことができたり、ファン同士の繋がりでイベント情報を共有することができるので、それに合わせて訪日予定を組むことが可能なのです。
握手会などは参加するために抽選があったり、チケットを事前に予約しないといけないなど、日本に住んでいないとハードルが高いことが多々ありますが、日本に在住する中国人のアイドルファンたちの協力もあり、運良く握手会に参加することが可能となるのです。
SNSに握手会に参加した様子をよくあげている中国人ファンの多くは在住者なので、そこからコンタクトを取り情報収集。憧れのアイドルの握手会に参加する流れが主流のようです。
こうしてやっとの思いで握手会に参加し、わずかな時間ではありますが、憧れのアイドルと過ごす空間は忘れがたい体験となるのです。
しかしながら、とある握手会で、中国人ファンがお金にモノを言わせて1時半もお目当てのアイドルを独占して炎上したことがあったようです。
インバウンド事業としてアイドルを利用する場合は、現場オペレーションなど、現地の状況、消費者の思考パターンなどをきちんと理解し、それに対応できる態勢を整える必要があるでしょう。
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