今年7月に西日本を襲った豪雨は、甚大な被害をもたらしました。その影響は観光業にも押し寄せています。かき入れ時である夏休みシーズンの入込みは、例年の5割程度にまで落ち込みました。大きな被害のなかった広島県の宮島や風情ある町並みが人気の岡山県倉敷市・美観地区などの有名観光地も、風評被害により観光客は少なくなっています。
そのような中、国は「平成30年7月豪雨」で被災した地域への旅行や宿泊が割引される「11府県ふっこう周遊割」を始めました。被災地域への旅行を促進することで風評被害を軽減するとともに、全体の復興につなげるねらいです。
また、政府は9月7日、被災地への支援予算の追加を決定しました。それに伴い、「11府県ふっこう周遊割」の利用条件も緩和され、訪日外国人観光客を含む旅行者がより利用しやすくなりました。
しかし実際にこのキャンペーンを活用して対象地域に来てもらうには、今の状態では不十分です。従来の利用条件と緩和後の利用条件を比較しながら、実際に訪日外国人に利用してもらうにはどうすればいいのかということを見ていきましょう。
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従来の「11府県ふっこう周遊割」は?外国人には使いにくい
「11府県ふっこう割」とは、国が交付する「平成30年7月豪雨観光支援事業費補助金」の対象となる地域(岐阜県、京都府(京都市を除く)、兵庫県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、愛媛県、高知県、福岡県)への旅行やボランティアで訪れた人の宿泊料金が割引される観光支援事業です。
この「11府県ふっこう周遊割」には、旅行者が対象となる2府県以上をまたぐ、合計2泊以上の連続した宿泊に対して支援金を交付されるものと、ボランティア活動に参加する人が対象府県において行った2泊以上の連続した宿泊に対して支援金を交付されるものの2つがあります。
8月28日予約分から適用、利用は8月31日~11月30日までとなっていますが、匡の交付金には限りがあるため先着順だということです。割引額は以下の通りです。
- 1人1泊あたり最大6000円割引(岡山・広島・愛媛)
- 1人1泊あたり最大4000円割引(岐阜・京都・兵庫・鳥取・島根・山口・高知・福岡)
「最大」というのは、例えば岡山県での宿泊費が1泊5000円だったとすると支援額は5000円になるということで、最大割引額よりも実際の宿泊費が安かった場合、実際の宿泊費が支援額の上限となります。
利用方法としては主に2通りあり、
- すでに上記の額が割引されている旅行代理店のプランに申し込むか、
- 個人旅行であれば対象となる旅行をした後に申請書を作成し、宿泊証明書や行程表などとともに提出する
のどちらかです。
旅行代理店のプランに申し込めば、旅行者は申請手続きをする必要がありません。日本航空(JAL)や日本旅行、JTB、クラブツーリズムでは、「豪雨復興キャンペーン」として対象府県をめぐる周遊プランが提供されています。

しかし、個人旅行の場合は旅行後に支援金を受け取るという流れになるため、利用者は日本国内の銀行口座を持っていることが条件でした。したがって、訪日外国人観光客が利用することはできません。
また、「11府県ふっこう周遊割」を組み込んだ旅行代理店のプランには外国語で展開されているものがないため、このキャンペーンを外国人観光客が利用するのは難しいという状況でした。
そこで規制緩和、外国人観光客も利用しやすく
しかし政府は9月7日、被災地域への補助金として2億6600万円を追加することを決定し、これに伴い徳島県と香川県も「11府県ふっこう周遊割」の対象とすることにしました。徳島県と香川県はともに、1泊あたり最大4000円割引の対象になるということです。
利用条件も緩和され、「2府県以上で2泊以上」から「1府県でも2泊以上した場合」には適用されることになりました。また、従来は個人旅行の場合、支援金の申請手続きを旅行後に自身で行う必要がありましたが、今回の規制緩和で旅館やホテルでの精算時にその場で宿泊費が割引されるようになるということです。
煩雑な手続きも必要ない、日本の口座も必要ないとなれば、訪日外国人も利用できます。従来の「11府県ふっこう周遊割」は、利用条件に国籍の指定はないものの実質日本人を対象としていましたが、今回の規制緩和で外国人観光客にも対象が広がったと言えそうです。
この続きから読める内容
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