2019年2月より京都の着物レンタル夢館では、訪日ムスリム観光客をターゲットに、着物に似合う和柄を取り入れたヒジャブ(イスラム教徒の女性が頭や身体を覆うスカーフ)のレンタルを開始しました。近年のムスリム女性ファッションの多様化をふまえ、京都と横浜のムスリムフレンドリーな着物レンタルショップのサービスについて、インバウンドのムスリム受け入れ対応例の1つとして見ていきましょう。
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ムスリム女性ファッションの多様化が進む東南アジア
インドネシアやマレーシアなど、東南アジア諸国のムスリム女性たちのファッションのモダンで多様なスタイルに、近年注目が集まってきています。ヒジャブとは、イスラム教徒の女性が頭や首を覆うために身につけるスカーフのような布のことです。
国民の約8割がイスラム教であるインドネシアでは、おしゃれの一貫として多様なスタイルのヒジャブを身につけるムスリム女性が増えています。特に都市部の若い女性は流行に敏感で、人気のパステルカラーのヒジャブや、普段着とあわせて柄物を取り入れるなど、ヒジャブのスタイルは多岐に渡っているのが特徴です。
ムスリムファッションは、今最も勢いのあるファッション分野の1つとして世界的にも注目されており、ユニクロやNIKEなど大手ブランドも取り入れました。日本のインバウンド対策においても、2018年5月に「訪日ムスリム旅行者対応のためのアクション・プラン」が策定されるなど、急増する訪日ムスリム観光客の対応が活発化しています。世界的なムスリムファッションに対する関心と、日本のムスリム観光客需要の高まりを受け、ムスリム女性向けに独自の着物レンタルサービスを始めた京都と横浜のショップの例を見ていきましょう。
京都着物レンタル夢館:ムスリムスタッフが中心となり和柄ヒジャブを製作

ムスリムスタッフを筆頭に、デザインや生地を試行錯誤した結果、日本らしい桜を基調とするデザインをはじめ、オリジナルの和柄ヒジャブを約20枚製作しました。今後は季節に合わせたコーディネートも楽しめるよう、夏にはレースなどを取り入れた夏用ヒジャブも含め50枚程度まで増やす予定とのことです。
京都着物レンタル夢館ではインドネシア語のサイトも開設しており、サイト上で和柄ヒジャブや着物とのコーディネートの多様性など、新たなサービスのPRに当たっています。
「横濱ハイカラきもの館」:ムスリム女性への配慮まで行き届いたサービスを提供
横濱ハイカラきもの館では、訪日ムスリム観光客に向けて、着物とヒジャブのトータルコーディネートを提供しています。着物は100種類以上あり、浴衣や振袖、袴などの用意もあることから、より多様なヒジャブとの組み合わせが楽しめる点が人気です。
また、ムスリム女性への配慮として、着付け師は全員女性であること・専用スペースで着付けをするため他人に肌を見られる心配がないことなども、あわせて案内しているとのことです。着物をレンタルした場合は、お祈りスペース・お祈りマット・無料Wifi・方位磁石・足洗用おけ・お湯も無料で貸し出しています。新たな着物体験の提供だけでなく、訪日ムスリム観光客の満足度向上に向けたサービス提供にも余念がありません。
まとめ:ファッションの分野から訪日ムスリム観光客の満足度向上へ
近年訪日ムスリム観光客へのインバウンド対策として、ハラール対応飲食店や祈祷室の拡充などが進められていますが、ムスリム女性のファッションへの関心の高さに着目した新しいインバウンド対応からも目が離せません。着物レンタルにおけるヒジャブとのコーディネートは、ムスリム観光客の訪日旅行の満足度を高め、リピーター増加やさらなるムスリム観光客の誘致へ繋げるにあたって、効果的な取り組みと言えるでしょう。
<参考>
- PR TIMES:訪日ムスリム観光客に向けた着物に似合う『和柄ヒジャブ』のレンタルサービス開始。
- FASHIONSNAPS.COM:勢いを増す「ムスリムファッション」驚くほど多様でモダンに
- 横濱ハイカラきもの館:ムスリムフレンドリー(2019年1月16日)
- MATCHA:Muslim-Friendly Yokohama-Wear A Kimono And Enjoy Tea Ceremony!
【10/27開催】元外食チェーン担当者が答える!飲食店のインバウンドお悩み解決 Vol.2 〜大衆点評 活用 × MEO対策 〜

中国人観光客の来店獲得には「大衆点評(たいしゅうてんぴょう)」の効果的な活用が不可欠です。
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これらの背景を踏まえ、このたび「大衆点評で実際に集客効果を上げるための運用ポイント」と「インバウンド客を取り込むための多言語でのMEO対策」を解説するセミナーを開催します。
「大衆点評って聞いたことはあるけれど、よくわからない」「多言語でMEO対策したい」という飲食店の皆さまに向け、実践的な集客施策に焦点を当てお伝えします。
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訪日ラボを運営する株式会社movが8月5日に開催した、日本最大級のインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」のアーカイブ動画が公開中です。
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参加できなかった方はもちろん、もう一度議論を見直したい方も、ぜひご覧ください。
【インバウンド情報まとめ 2025年10月前編】中国の大型連休「国慶節」8日に終了、2025年も日本人気が続く ほか

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