京都市観光協会は5月14日、ゴールデンウィーク期間における京都34ホテル宿泊状況調査結果を発表しました。今年は10連休の影響により、例年とは異なる宿泊状況が特徴的です。
4月27日から5月5日にわたり実施された宿泊状況調査のデータをもとに、京都における2019年のゴールデンウィークの宿泊状況の特徴について、インバウンドの概況とともにを見ていきましょう。
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10連休効果で客室単価・収益指数ともに約2割増
京都市内34ホテル8,388室を対象に調査を実施したところ、ゴールデンウィーク期間中の平均客室単価は25,473円となりました。前年同期の21,646円と比較すると3,827円、17.7%上昇していることがわかります。
背景にある要因としては、例年より長い大型連休が挙げられるでしょう。10連休の効果から、高い客室単価を維持できたと考えられます。
客室稼働率ならびに平均客室単価の上昇を受け、客室収益指数も前年同期と比べ21.5%超えの高い数値を記録しました。
客室稼働率は平均約95%を記録
ゴールデンウィーク期間の京都市内34ホテルの平均客室稼働率は94.6%と、前年同期の91.3%から3.3ポイント上昇という結果になりました。特に4月28日から5月3日までの6日間は、いずれも98%以上と、ほぼ満室状態でした。
特にゴールデンウィーク前半において、客室稼働率ならびに客室平均単価が前年同期に比べ高くなっています。
背景としては、連休が長期化したことで需要が分散したことが挙げられるでしょう。昨年はゴールデンウィークが前半後半で、3連休と4連休に分かれていたため、連休日数が多い後半に需要が集中する傾向にありました。一方で今年は10連休となったことから、後半だけでなく前半にも需要が分散し、ゴールデンウィーク期間全体で満遍なく需要が底上げされたと言えます。
宿泊客の日本人比率が71.7%に、国内旅行需要の高まりが特徴
2019年のゴールデンウィークは、10連休効果で日本人観光客の国内旅行需要が高まるだけでなく、インバウンド需要の高まりも予想されました。
背景としては、日本のゴールデンウィーク期間中に、多くの国でメーデーとなっている5月1日や各国の祝日が含まれていることが挙げられます。特に、今年労働節(メーデー)を中心に4連休が設定された中国や、5月5日・6日が祝日の韓国からのインバウンド客の増加が見込まれました。
しかし、ゴールデンウィーク期間中の京都の34ホテルにおける外国人比率は、前年同期の38.1%から9.8ポイント減少した28.3%となり、日本人比率が71.7%に上昇しています。
例年に比べ日本人比率が上昇した原因の1つとして、10連休効果による国内旅行需要の高まりが挙げられるでしょう。
例年は、日本人観光客のほうが宿泊予約の時期が遅いため、訪日外国人観光客が先に客室を確保するなどして、外国人比率が高くなっていたのが特徴的です。しかし今年は、10連休ということもあり、日本人観光客の宿泊予約が例年より早まったと考えられます。
京都市観光協会が実施した「平成30年(2018年)外国人客宿泊状況調査」によると、2018年は訪日外国人観光客の宿泊比率は43.9%と過去最高を記録した一方で、日本人観光客は前年を4.4%下回るなど、インバウンド需要の高まりが顕著でした。
しかし2019年のゴールデンウィーク期間中においては、10連休効果等から、例年に比べるとインバウンドの宿泊比率は下がり、日本人の宿泊比率が増加するといった結果になりました。
10連休効果で日本人観光客の宿泊需要上昇が顕著に
2019年の10日間にわたる大型連休・ゴールデンウィーク期間中の京都の宿泊状況について、データとともに概況を紹介しました。10連休効果で客室単価・収益指数ともに約2割上昇しただけでなく、客室稼働率も平均で約95%を記録するなど、京都の宿泊需要は好調だったことが明らかになっています。
ゴールデンウィーク期間中は、インバウンド需要の大幅な高まりも予想されていましたが、京都の宿泊状況としては、日本人比率が71.7%に上昇し、外国人比率は前年同期の9.8ポイント減という結果が出ているのも、2019年の1つの傾向です。今年は10連休の大型連休効果から、例年とは異なる京都の宿泊状況が顕著となりました。
<参考>
・京都市観光協会:京都市観光協会データ月報/臨時(2019 GW)〜ゴールデンゥイーク期間における京都34ホテル宿泊状況調査結果〜
・京都市観光協会:平成30年(2018年)外国人客宿泊状況調査
・訪日ラボ:【GW特集】2019年は日本人観光客爆増&外国人・インバウンドも激増で観光地パンク目前!?必要な対策まとめました
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