家電量販店やECサイトの売り上げをもとにした翻訳機シェアの95%をしめるPOCKETALK(ポケトーク)シリーズはメーカーのソースネクストによれば、2019年4月に出荷台数が累計40万台を突破しました。
このポケトークシリーズにはSIMカードを挿入して利用する方法とWi-Fiに接続して利用する方法があります。また、SIMを利用する方法では専用のグローバルSIMを使う他に他社製品の格安SIMを使う方法もあります。
この記事では、新型の「ポケトークW」を利用する際のSIM、Wi-Fiの違いや利点、価格、使い方などについて解説します。
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ポケトークWとは?使えるSIMの種類を解説
ポケトークWは音声認識によって即時的な翻訳が可能な音声翻訳機です。
手のひらサイズであるポケトークWは、ソースネクスト昨年9月に発売を開始した、初代の「ポケトーク」の改良版で、大幅な機能向上を実現しています。
日本語から外国語、外国語から日本語への双方向翻訳が可能なことに加え、数秒でテキストと音声で翻訳結果をアウトプットしてくれるため、まるでその場に通訳者がいるかのように外国人との会話をすることができます。
対応言語は74、通信機能は105の国と地域に対応しています。
ポケトークWはモバイル通信が「契約不要、通信料なし」で使えるIoT製品となっており、販売価格は小売店やEC店舗により異なります。価格ドットコムによればおおよそ以下のような価格となっています。
- POCKETALK W グローバル通信2年付き 約2万6000円強~3万円
- POCKETALK W グローバル通信なし 約2万6000円強
グローバルSIM
ポケトークを利用するためには通信環境が必要です。IoT機器(インターネットに接続し価値を発揮する物)なので、オフラインでは使えません。
インターネット回線でアクセスするクラウド上で翻訳のための処理をします。
インターネット回線へのアクセスには、SIMカードの挿入またはWi-Fiの利用が必要です。
ポケトークWは、購入時から2年間にわたり通信ができるグローバルSIMが内蔵された「グローバル通信付きモデル」と、グローバルSIMが内蔵されていないモデルの2タイプがあります。前者の場合でも、2年間はどこでどれだけ利用しても追加費用は一切ありません。2年経過後は1年間を5,000円で継続利用することができるようになっています。(ただし、具体的な手順はまだ決まっていません)
注意点は、通信速度の制限がかかる場合があることです。1日の通信量が100MBを超過した場合には、当日中の通信速度が低下します。ただし、100MBは約15時間翻訳した場合に相当しますので、基本的には問題ないと考えていいでしょう。
ポケトークWのうち、グローバルSIMが内蔵されたモデルは、引き渡しの時点で、端末内にeSIMと呼ばれるSIMカードが組み込まれています。自分で端末にSIMカードを挿入する必要はありません。
格安SIM
ポケトークの利用にあたっては専用のグローバルSIMのほか、各種格安SIMも利用可能です。
- ASAHIネット3G(FOMA)低速1
- BIGSIM(ビッグシム)(IIJmio)
- BICモバイルONE3G端末用
- BIGLOBE(ビッグローブ)
- DMMmobile(dmm.com)
- DMMmobile(vmobile.jp)
- FREETEL(フリーテル)
- IIJmio(みおふぉん)
- LIBMO(リブモ)
- LINEモバイル
- OCNモバイルONELTE端末用
- POCKETALK SIM
- QtmobileDタイプ
- U-mobile(U-NEXT)
- b-mobile
上記をはじめとした65のSIMがAPN設定にプリセットされています。また表示されていないものでもAPN追加から新しく設定して使用することが可能です。
SIMの購入は後からでもOK
グローバル通信なしで本体を購入した場合も、その後に必要性を感じた場合など、後とからでも専用SIMの購入が可能です。
この場合の価格は1万円(税抜)で、本体購入時にセットで購入するよりも割高です。
これ以外にも、SIMの格納場所に違いがあります。
ポケトークWを「グローバル通信2年付き」で購入した場合は、機器内にeSIMと呼ばれるSIMカードが内蔵された状態で機器を利用することになります。
格安SIMや専用SIMを後から購入した場合は、本体側面のSIMスロットにSIMカードを挿入して利用することになります。
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ポケトークはSIMなしでも使える?
ポケトークは専用SIMや格安SIMを挿入する他にWi-Fi環境下で利用することも可能です。以下ではSIMなしでポケトークを利用する方法について解説します。
Wi-Fiに繋げばSIMなしでも使える
SIMなしでポケトークを利用する方法には以下の4つがあります。
- 自宅のWi-Fiに接続する
- スマートフォンやタブレット機器のWi-Fiテザリング機能を使って接続する
- Wi-Fiモバイルルーターに接続する
- 公衆無線LAN(無線LANスポット、Wi-Fiスポット、フリースポット、ホットスポットなど)に接続する
基本的にはWi-Fi環境が整備されていればポケトークをその回線に接続することで、翻訳機能が利用できます。
接続に際しアプリやブラウザ認証が必要なWi-Fiだと回線を利用できないことがあります。翻訳機能を確実に使いたい場合には、その場でどのようなWi-Fiが利用可能なのか、接続に関する条件に注意が必要です。
Wi-Fiの設定方法
SIMを挿入することで通信を利用できるようになりますが、Wi-Fiモデルでは接続の設定を行う必要があります。
Wi-Fiに接続するための手順は以下の通りです。
- 画面左上の設定ボタンをタップし、上部中央のWi-Fiのマークをタップします。
- 右上のON/OFFボタンをタップし、Wi-FiをONにします。
- 表示されたWi-Fi一覧から接続したいものをタップし、パスワードを入力後、「接続」をタップします。
- 「接続済み」と表示されれば、接続完了です。
※「パスワードを確認して、もう一度お試しください」と表示された場合は、パスワードが間違っている可能性があります。
SIM内蔵モデルとWi-Fi環境が必要なモデルの違いは?価格・機能を比較
ポケトークWは、SIMが内蔵されている「グローバル通信付きモデル」と、SIMがなくWi-Fi環境が必要なモデルでは、販売価格や購入後にポケトークWが利用可能な環境が異なります。
それぞれの価格の違い、 機能の違いを見てみましょう。
現在の価格差は約5,000円
購入時からSIMが内蔵されている「グローバル通信付きモデル」の価格は、SIMの内臓がないものよりも約5,000円ほど高くなります。(2019年6月中旬現在)別途SIMを用意する際の初期費用や月々の通信料の支払い分を考えると、専用SIMの方が安く済む場合も少なくないでしょう。
一方で企業や店舗において訪日外国人とのコミュニケーションに利用したいなど、インバウンド対策として導入するのであれば、その場にWi-Fiでインターネット回線にアクセスできるということも十分に考えられます。こうした場合には、「グローバル通信付きモデル」を購入する理由はあまりないかもしれません。
機能面での違いはない
SIMで利用する場合もWi-Fiで利用する場合も、基本的な機能には違いはありません。
回線の影響で通信速度に若干の差はあるかもしれませんが、ポケトークWの通常の使用においてパフォーマンスを左右するほどの速度差が出ることはあまりないと考えていいでしょう。
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訪日外国人の対応ならWi-FiオンリーでもOK、海外でも利用するなら専用SIMがお得
国内での利用やWi-Fi環境が必ず確保できるような条件で利用を想定する場合、専用SIMの付属しないモデルの購入も検討に値するでしょう。訪日外国人の接客といった場合には、SIMがないモデルでも十分に能力を発揮してくれるはずです。
ただし、個人旅行や仕事の関係で海外でも利用するのであれば「グローバル通信付きモデル」のほうが利便性も高く、渡航先で利用できるポケットWi-Fiも不要となるため、結果的に安くなる可能性が高いと言えます。ポケトークWを購入する際は、目的に応じてタイプを選ぶと良いでしょう。
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