相鉄グループの相模鉄道と横浜西口エリアマネジメントが連携し、「インバウンドツアー相模鉄道職業体験会」が6月6日に実施されました。
海外の学生たちに日本をより深く知ってもらい、鉄道のシステムを理解することで日本に親しみを持ってほしい、相鉄の業務を体験し日本の鉄道の認知度を広めたいとの思いから企画された取り組みです。
本インバウンドツアーの様子をふまえ、日本の魅力発信に向けた1つの取り組みとして見ていきましょう。
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
外国人学生と駅係員がポケトークでコミュニケーション
インバウンドツアー当日は、アメリカのフロリダ州、ミシガン州、イリノイ州などから、中高生を含む学生20名をはじめ、教師や保護者も引率として参加しました。
相模鉄道では、日頃から駅係員の外国語対応強化に向けた英語研修や、補助的手段として通訳機「POKETALK(ポケトーク)W」の使用を実施しています。外国人に日本の鉄道に対する理解促進を促すとともに、駅係員も外国人と交流し、実践的に語学力を向上させる機会として効果が期待されました。
インバウンドツアーのはじめには、駅長や駅係員が英語で自己紹介を行っています。年配の駅係員はポケトークを利用し訳すケースや、フリップ等を用いて自己紹介を読み上げる姿が見受けられました。
一方で、若手の駅係員は翻訳機などのツールに頼ることなく、英語を駆使し自らの言葉で自己紹介をしています。
参加者からは、相鉄のイメージキャラクター「そうにゃん」についての質問が投げかけられ、「かわいい」への認識が世界共通であることがわかりました。
出発合図や構内放送など、駅係員の仕事を外国人学生が体験
インバウンドツアーでは、参加者の学生たちが、横浜駅構内で出発合図や定期券の出札、駅の構内放送などを体験しています。
実際に相鉄線のホームで行われた出発合図体験では、白手袋を着用した学生がドアを閉じてもいいかを確認した後、手を挙げて発車の合図を行う姿が見受けられました。旅行者として鉄道を利用する際に、いつも何気なく見ていた駅係員の動きを実際に体験することで、日本の鉄道の安全への意識をより深く理解する機会になったと言えるでしょう。
定期券の出札体験では、学生たちが定期券発行機を使用し、名前入りの磁気定期券の作成に挑戦しました。発行機には英字を打ち込むことができるため、学生たちもスムーズに定期券を発行できたとのことです。
駅構内での案内は、学生たちが質問役となり、駅係員が英語で回答するといったやり方で行われました。
駅係員は周辺の飲食店や観光スポット、東京駅への行き方などを質問された際は、スムーズに自らの言葉で回答できていましたが、羽田空港への最も早い行き方などを質問された際は、ポケトークを使用する場面も見受けられました。
駅の構内放送体験では、「slowly and clearlyがコツ」とアドバイスを受けた上で練習を行った後、実際にマイクに向かって歩きスマホの防止や、声掛けサポートに関するアナウンスを行いました。
外国人学生にとって貴重な体験となったことはもちろん、駅係員の英語による接客の実践的な訓練の場としても、効果的だったと言えるでしょう。
日本の鉄道の正確さ、システムの新しさなどを評価
相鉄線のインバウンドツアーを体験した外国人学生たちからは、「日本が安全にこだわっていることがわかった」「日本の鉄道はロンドンやパリの鉄道より安全できれい」との声が挙がりました。日米の鉄道の比較では、日本の鉄道の正確さや鉄道システムの新しさなどが評価されています。
一方で、本インバウンドツアーに参加した外国人学生の中には、日常生活で鉄道をあまり利用しない人もおり、アメリカの生活と比べると異文化を体験する機会になったと言えるでしょう。
学生たちも体験内容に満足した様子で、第2弾の「インバウンドツアー相模鉄道職業体験会」を6月19日に開催予定とのことです。次回は、厚木操車場で電車の運転体験やドアの開閉操作体験などを実施します。
まとめ:職業体験を通じ日本の魅力を海外に発信&外国語対応の向上へ
相模鉄道のインバウンドツアーを通し、外国人学生に日本の魅力の1つとして、日本の鉄道システムの新しさや正確さなどをPRする機会となりました。
インバウンド向けに日本への親しみを深め、認知度を向上させる上では、職業体験をはじめとする「体験」プログラムが効果的と言えるでしょう。
また、今回のツアーでは、駅係員が日頃の英語研修の成果を発揮し、実践的に英語対応を向上させる機会にもなったことから、インバウンドの外国語対応ならびに受け入れ態勢強化も期待されます。今後も相模鉄道の「インバウンドツアー相模鉄道職業体験会」の実施とその効果に注目が集まります。
<参考>
・マイナビニュース:相鉄「インバウンドツアー」米国の学生が参加、駅係員の仕事に挑戦
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!