相鉄グループの相模鉄道と横浜西口エリアマネジメントが連携し、「インバウンドツアー相模鉄道職業体験会」が6月6日に実施されました。
海外の学生たちに日本をより深く知ってもらい、鉄道のシステムを理解することで日本に親しみを持ってほしい、相鉄の業務を体験し日本の鉄道の認知度を広めたいとの思いから企画された取り組みです。
本インバウンドツアーの様子をふまえ、日本の魅力発信に向けた1つの取り組みとして見ていきましょう。
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外国人学生と駅係員がポケトークでコミュニケーション
インバウンドツアー当日は、アメリカのフロリダ州、ミシガン州、イリノイ州などから、中高生を含む学生20名をはじめ、教師や保護者も引率として参加しました。
相模鉄道では、日頃から駅係員の外国語対応強化に向けた英語研修や、補助的手段として通訳機「POKETALK(ポケトーク)W」の使用を実施しています。外国人に日本の鉄道に対する理解促進を促すとともに、駅係員も外国人と交流し、実践的に語学力を向上させる機会として効果が期待されました。
インバウンドツアーのはじめには、駅長や駅係員が英語で自己紹介を行っています。年配の駅係員はポケトークを利用し訳すケースや、フリップ等を用いて自己紹介を読み上げる姿が見受けられました。
一方で、若手の駅係員は翻訳機などのツールに頼ることなく、英語を駆使し自らの言葉で自己紹介をしています。
参加者からは、相鉄のイメージキャラクター「そうにゃん」についての質問が投げかけられ、「かわいい」への認識が世界共通であることがわかりました。
出発合図や構内放送など、駅係員の仕事を外国人学生が体験
インバウンドツアーでは、参加者の学生たちが、横浜駅構内で出発合図や定期券の出札、駅の構内放送などを体験しています。
実際に相鉄線のホームで行われた出発合図体験では、白手袋を着用した学生がドアを閉じてもいいかを確認した後、手を挙げて発車の合図を行う姿が見受けられました。旅行者として鉄道を利用する際に、いつも何気なく見ていた駅係員の動きを実際に体験することで、日本の鉄道の安全への意識をより深く理解する機会になったと言えるでしょう。
定期券の出札体験では、学生たちが定期券発行機を使用し、名前入りの磁気定期券の作成に挑戦しました。発行機には英字を打ち込むことができるため、学生たちもスムーズに定期券を発行できたとのことです。
駅構内での案内は、学生たちが質問役となり、駅係員が英語で回答するといったやり方で行われました。
駅係員は周辺の飲食店や観光スポット、東京駅への行き方などを質問された際は、スムーズに自らの言葉で回答できていましたが、羽田空港への最も早い行き方などを質問された際は、ポケトークを使用する場面も見受けられました。
駅の構内放送体験では、「slowly and clearlyがコツ」とアドバイスを受けた上で練習を行った後、実際にマイクに向かって歩きスマホの防止や、声掛けサポートに関するアナウンスを行いました。
外国人学生にとって貴重な体験となったことはもちろん、駅係員の英語による接客の実践的な訓練の場としても、効果的だったと言えるでしょう。
日本の鉄道の正確さ、システムの新しさなどを評価
相鉄線のインバウンドツアーを体験した外国人学生たちからは、「日本が安全にこだわっていることがわかった」「日本の鉄道はロンドンやパリの鉄道より安全できれい」との声が挙がりました。日米の鉄道の比較では、日本の鉄道の正確さや鉄道システムの新しさなどが評価されています。
一方で、本インバウンドツアーに参加した外国人学生の中には、日常生活で鉄道をあまり利用しない人もおり、アメリカの生活と比べると異文化を体験する機会になったと言えるでしょう。
学生たちも体験内容に満足した様子で、第2弾の「インバウンドツアー相模鉄道職業体験会」を6月19日に開催予定とのことです。次回は、厚木操車場で電車の運転体験やドアの開閉操作体験などを実施します。
まとめ:職業体験を通じ日本の魅力を海外に発信&外国語対応の向上へ
相模鉄道のインバウンドツアーを通し、外国人学生に日本の魅力の1つとして、日本の鉄道システムの新しさや正確さなどをPRする機会となりました。
インバウンド向けに日本への親しみを深め、認知度を向上させる上では、職業体験をはじめとする「体験」プログラムが効果的と言えるでしょう。
また、今回のツアーでは、駅係員が日頃の英語研修の成果を発揮し、実践的に英語対応を向上させる機会にもなったことから、インバウンドの外国語対応ならびに受け入れ態勢強化も期待されます。今後も相模鉄道の「インバウンドツアー相模鉄道職業体験会」の実施とその効果に注目が集まります。
<参考>
・マイナビニュース:相鉄「インバウンドツアー」米国の学生が参加、駅係員の仕事に挑戦
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