日光市の神社で"硬貨不要のお賽銭"がスタート!キャッシュレス対応がインバウンド誘客にも好影響

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インバウンド対応の取り組みの1つとして活発化している、キャッシュレスサービスの拡充において、今後は大都市圏のみならず地方での需要拡大が予想されます。

自国でキャッシュレス化が進む中国をはじめ、個人旅行客が増加していることを受け、さらなる消費拡大に向けた取り組みが重要となります。

今回は、日本におけるキャッシュレスサービスの現状をふまえ、今後のインバウンドの受け入れ態勢強化に向けた、地方で実施されているキャッシュレスサービス強化への取り組みについて見ていきましょう。



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キャッシュレス決済の関心が高まる日本、いまだ現金主義が優勢?

インバウンド客の受け入れ態勢強化において注目されているキャッシュレス決済ですが、日本人の間でも関心度・話題性ともに高く、メディアでの露出も増えています。2018年には「〜ペイ」といったキャッシュレス決済が続々と登場し、いずれもモバイル通信を介し、QRコード決済や電子マネーのシステムを利用するのが特徴的です。

2019年7月にICT総研が発表した「2019年度モバイルキャッシュレス決済の市場動向調査」によると、2018年度の「モバイルアプリキャッシュレス決済額」は約1.1兆円でした。2019年度はさらなるQRコード決済の普及や国が実施する「キャッシュレス・消費者還元事業」に伴い1.8兆円に、2020年度は2.9兆円にまで成長すると予測しています。

モバイルキャッシュレス決済への関心が高まってきている日本ですが、現状としてはいまだ現金主義の傾向が強いのも事実です。

1,000円〜3,000円の小額決済の場合、71.6%が現金を利用すると回答し、スマホアプリの電子マネー利用者は10.5%、スマホのQRコード決済利用者は9.4%となりました。

1〜3万円の高額な買い物の場合は、現金の利用率は43.8%に下がりクレジットカード利用が68.0%に上昇する一方で、スマホアプリの電子マネー・QRコード決済ともに、利用者は4.6%です。日本における高額決済でのキャッシュレス決済は、まだまだ発展途上と言えるでしょう。

インバウンドのキャッシュレス化の需要は「地方」にも

大都市圏では普及が進むキャッシュレス決済ですが、地方でもスマホのモバイルキャッシュレス決済を普及させようといった動きが見受けられます。長野市ホテル国際21では、中国電子決済サービスであるAlipayWeChatPayも導入し、自国でキャッシュレス決済が定番化している訪日中国人観光客を中心に、インバウンド個人旅行客の受け入れ態勢を強化中です。

1969年に創業したホテル国際21は、1998年の長野冬季オリンピック後から不況に陥り厳しい経営状況が続きました。

近年では訪日外国人個人旅行客の増加から、インバウンド需要の取り込みこそ今後の成長に必要不可欠とし、2018年3月より、タブレット端末を使用したQRコードをはじめとする多機能決済と24時間7カ国英語中国語・韓国語タイ語・ベトナム語・スペイン語・ポルトガル語)の同時通訳サービスの提供を開始しています。

サービスを開始し約1年ですが、FITに対してスマートな接客が可能となり、インバウンド客もホテルスタッフもストレスフリーな環境となりました。

もともとインバウンド決済比率はクレジットカード決済が全体の4割でしたが、当サービスを開始してからはQRコード決済比率アジア圏からのインバウンド客を中心に1割ほどにまで上昇しています。キャッシュレス化の推進により、よりスムーズに決済を進められるだけでなく、人手不足の解消も期待できるでしょう。

日本ではお賽銭もキャッシュレス化!?

10万人もの訪日外国人観光客が宿泊する栃木県日光では、キャッシュレス化を推進し、インバウンドの受け入れ態勢強化に取り組んでいます。

世界遺産日光東照宮の隣に位置する日光二荒山神社では、お賽銭にQRコード決済を導入し話題となりました。通常のお賽銭箱の隣に設置した看板に表示されたQRコードを読み取ると、専用ページからお賽銭を納めることができるといった仕組みです。現在は、中国で広く普及しているAlipayWeChatPayPayが利用でき、訪日中国人観光客を中心に注目されています。

同じく日光の輪王寺では、Suicaなどの交通系ICカードクレジットカード対応の拝観料の自動券売機を導入しました。英語中国語・ドイツ語・フランス語など全9ヶ国語にも対応しており、キャッシュレス多言語対応による、訪日外国人観光客の利便性向上が期待されます。

まとめ:キャッシュレス化×多言語対応でインバウンド客の地方誘客&消費拡大へ

日本で普及が急がれているキャッシュレス決済ですが、インバウンド個人旅行客の増加を受け、大都市圏はもちろん地方での導入も見受けられます。

長野市ホテル国際21や日光市の取り組みのように、QRコードをはじめとするスマホのモバイルキャッシュレス決済とともに、多言語でのサポートも充実させることで、インバウンド客の利便性向上だけでなく、従業員がおもてなしにより注力できるといった効果も発揮するでしょう。


<参考>

・ビジネス+IT:キャッシュレスの主戦場は「地方」へ、中国人インバウンドが強烈後押し

・Have a good Cashless:キャッシュレスがインバウンド需要を底上げ!長野のホテルによる地方変革の兆し

・ICT総研:2019年度 モバイルキャッシュレス決済の市場動向調査

・訪日ラボ:QRコードがあれば「スマホでお賽銭」もOK!世界のスタンダードに追いつく日光、キャッシュレス化とインバウンド富裕層誘客にまい進

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インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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